皆さんこんにちは!武田塾ひたち野うしく校です!
今日は初めて古文の勉強をする高校1年生や、古文が苦手な方に向けてお話します。
「英文と古文、読めるのはどっち?」
そう質問すると、たいていの方は「古文」と答えるでしょう。
なぜならそれは「古文は日本語」だから。
英語は単語を知らないと意味はおろか音読すらできないけれども、古文は漢字とひらがなで書かれているので読める、意味もなんとなく推測できる。
でもこの「なんとなく理解できる」が大きな落とし穴なんです。
1.古文は外国語だと思って取り組む
漢文なら中国語っぽいので外国語と言われても納得できるけど、古文が外国語?そう考える方も多いでしょう。
古文は確かに「日本語」で書かれているので、単語の暗記とかわざわざしなくても読めます。
でもその「読める」というのは本当に正しく「読めている」のでしょうか。
一つ問題を出してみるので考えてください。
問題:「かなし」の意味を答えよ。
ひとつ子にさへありければ、いとかなしうし給ひけり。(伊勢物語)
(訳)ひとりっ子でもあったので、(母君が)たいへん[ ]なさった。
かなし=かなしい(悲しい)だから「悲しく」では…?でもちょっと意味が通じないな?と思った方も多いのではないでしょうか。
正解は「かわいがり」です。
「かなし」には①いとしい、かわいい(愛し) ②悲しい(悲し)という意味があります。
このように
・1つの単語に2つ以上の意味があり文脈によって変わる
・現在使われている単語でも意味の違うものも多くまぎらわしい
・現在使われていない単語も多い
などが古文をわかりにくくしている原因の一つです。でもそれは古文に限ったことではありません。
例えば現代では「ヤバい」という言葉がよく使われています。
この言葉は本来「危ない」という意味だったのに、最近は「最高である」「すごくいい」という意味にも使われるようになりました。(1000年後には「危ないとすごくいい、どっちで訳すのが正解か?」という入試問題があるかもしれませんね)
このように言葉は変化するものなので、学習をおろそかにしてしまうと、正確に読めない、古文が一向に理解出来ないということになってしまうのです。
2.古語単語をマスターするのにオススメの参考書
①語呂合わせやイラストで覚えやすい
扶桑社「新ゴロで覚える 古文単語革命645」板野博行
以前は「古文単語ゴロゴ」という名称だったのですが、2021年2月に新しくなりました。
覚えやすいゴロが掲載されているので何度か繰り返すうちに暗記できます。
古語単語帳を用意したら毎日少しずつでもいいからやることを習慣にしましょう。
②スキマ時間に音声で頭に入れる
東進ブックス「古語単語FORMULA600」富井健二
②はCDで耳から覚える方法です。声優が「おもしろいを表現する単語は楽しそうに」「悲しみを表現する単語は泣きそうな声で」と感情をこめて読んでいるので、生きた言葉として覚えることができます。
また「毎回食事の時は必ず聴く」と決めておけば、無理なく毎日確実に勉強ができます。
聴くことがメインなので必ずしも本を読む必要はありません(もちろん読んだ方がよいのですが、読まないと勉強できないというわけではありません)。
食事の時間が30分として一日2回、それを半年も続けたらおそらくほとんどの単語を無理なく覚えることができるでしょう。
③語の成り立ち・訳語のうちどれが一番大切かがわかりやすい
旺文社「望月光の古文単語333」望月光
・「読むための68語」「解くための90語」「まとめて覚える49語」等わかりやすく分類されているので自分のレベルに合った単語から覚えられます。最初に「読むための68語」を何回もやってある程度覚えたら次にいくのもよいかもしれません。
・語の成り立ちから説明したり、訳語の多いものには「基本となるイメージ」の説明をしていて「暗記」よりも「理解」に重点を置いています。
・複数ある意味には「まず①と②を覚える」など重要な意味を選別しているので覚える際の負担が減ります。
3.まちがいの痕跡を残す
「古語単語帳を使って覚える」と言うけれども、「意味を黙読するだけ」の方もいれば「例文までしっかりチェックする」方もいらっしゃると思います。
また間違えた単語に付箋を貼り、それだけを何度も繰り返すという方法もありますが、それに更に「ミスの内容を明らかにする」という方法を加えるとより効果がUPされます。
やり方は簡単です。付箋に「〇〇をいつも△△と間違えてしまう」と記入するだけです。
自分がいつもやってしまうミスを明確にすることでより記憶に残りやすくなるのでぜひ一度試してみてください。
4.電子辞書よりも単語帳で調べる
古文を訳す時にわからない単語が出てきたら電子辞書で調べる方が多いと思いますが、古語単語帳を辞書代わりに使うとより効果的に覚えられます。その理由は、自分が暗記している古語が実際にどのように使われているのかを知ることができ、記憶に残りやすくなるからです。「そういえばこの前、教科書の枕草子にこの単語載ってたな」と振り返ることで印象に残り覚えやすくなるのです。
5.音読が重要なカギとなる
英文は声に出して読むのに、古文は黙読で済ませてしまうことが多くありませんか?冒頭にも書きましたが、古文も英語と同じ外国語なので、音読することにより言語独特の流れを掴むことができます。
教科書を音読するのもよいですし、古語単語帳に例文が載っていたらそれを音読するのもよいと思います。
もちろん古語単語だけを覚える時も声に出したほうが効果は上がるでしょう。
まとめ
古語単語を覚えるには5つのことが大切になってきます。
1.外国語であると認識し単語を疎かにしない
2.ゴロで覚える/耳から覚える/成り立ちから理解する
3.付箋を活用し間違いの痕跡を残す
4.古語単語帳を辞書の代わりに使う
5.音読で古文独特の流れをつかむ
これらうまく組み合わせて、自分のやり方を見つけることが重要になってきますのでいろいろと試してみてください!
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