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【心理学23】努力できる才能!?(全2本中1本目)

 

努力できる才能

 

努力 人文字

受験生のみなさん!こんにちは!今までにない超個別指導の武田塾広島校です。

世の中には「生まれつき努力できる人」がいる一方で、
「生まれつき努力できない人」もいます。
努力できることは「才能」といえるのです。
しかし、たとえ努力できない人でも、
脳をうまく騙して努力のスイッチを入れることはできます。
今回は、「努力=気合や根性」という観点とはひと味違う、
脳科学的観点から見た”努力論”です。

さまざまな研究により、人が努力できるかどうかの多くは、
「生まれつきの才能」で決まってしまうことがわかっています。
つまりは努力する才能に恵まれた人もいれば、努力する才能に恵まれない人
もいるというわけです。

アメリカ・テネシー州のヴァンダービルト大学の研究チームが行った実験を
ご紹介します。この実験では、25人の被験者にあるタスクを行ってもらい、
そのときに起こる脳の変化をPETスキャンという機械を使ってモニタリング
しました。そのタスクというのは、利き手ではないほうの手の小指を使い、
21秒間に100回ボタンを押すというものでした。
こう書くと単なる地味で単調な作業に思えますが、試しに1度やってみて
ください。うまく動かせなくてイライラしたり、だんだん手が痛くなって
きたりで、これが想像以上に苦痛な作業なのです。被験者には、タスクを
やり遂げた場合には報酬が与えられることが告げられていました。
苦痛をともなうタスクですから、最後まで懸命にやり切る人と、
途中で投げ出すかズルをする人の両者に分かれました。
そしてその両者の脳の動きを比べてみると大きな違いが3ヵ所あったのです。
1つ目は、左側の「線条体」。快楽を感じるために重要となる脳の「報酬系」
の1部です。2つ目は、前頭前皮質にある「腹内側部」というところです。
最後までタスクを真面目にやり切った人、つまり努力できた人は、
この2ヵ所が活発に働いていたのです。逆に途中でやめてしまった人、
つまり努力できなかった人は、この2ヵ所の機能が高くありませんでした。
そして、さらにもう1ヵ所の違いが、「島皮質(とうひしつ)」という部分
でした。こちらは努力できなかった人のほうが働きが強く、努力できた人の
働きは弱いものでした。
これがどういうことを示唆しているのでしょう。まず努力できる人は、
線条体や腹内側部が「これをやったら、〇〇ドルが手に入る」といった
「報酬予測」を働きかけることで、脳内で多くの快楽を得ていることが
わかりました。それが努力をすることの推進力になっていたのです。
一方、努力できない人は、そういった報酬予測の機能があまり働かない代わりに、

ものごとの損得勘定を計算する島皮質(とうひしつ)の働きにより、
「そんな努力を続けても損じゃない?」「無駄だからやめようよ」といった
ブレーキがかかっていることがわかりました。
何かを行うことで生じる報酬や成果を感じる脳の機能が高く、かつ損得を
冷静に計算する機能が鈍い人こそが「努力できる人」。
逆に何かを行うことで生じる報酬や成果を感じる脳の機能が弱く、
損得を冷静に計算できる人が「努力できない人」といえます。
つまり、努力できるかできないかは、本人のがんばりというよりも、
脳の構造の違いによるところが大きいことがわかったのです。

また、アメリカ・ミシガン州立大学で行われた研究では、こんな調査結果も
出ています。遺伝子がまったく同じ一卵性双生児と、遺伝子の半分を共有する
二卵性双生児の計850組を比べたところ、努力できるタイプかできないタイプ
かは、一卵性双生児同士のほうが一致している割合が高いことがわかりました。
つまり、努力できる才能は遺伝の影響を大きく受けていることがわかったのです。
一方、コンサートで生計を立てられるようなエリート音楽家と普通の音楽家を
被験者とし、両者のあいだで何が違うのかを調べた研究もあります。
その結果、ある項目が大きく違うことがわかりました。それは「練習時間」でした。
エリート音楽家は20歳までに平均約1万時間を練習に費やすのに対し、
普通の音楽家はそ数千時間も少なかったのです。
これらの調査を併せて、研究チームはこう結論づけました。
「優れた音楽家は、技能を獲得するために必要な長時間の練習ができるよう、
あらかじめ遺伝子にプログラミングされている」と。要は、いままでは優れた
音楽家になるには、音楽の才能に加えて多大な努力が必要だと考えられていました
が、そもそもその努力すること自体が、生まれ持っての才能によるところが大きい
というわけです。そして、裏を返せば、こんなふうに考えることもできます。
自分が努力できないのは決してダメ人間だからではなく、脳の構造が
そうなっているからだと。

努力できることは生まれつきの才能であるということですが、そもそも世の中には
努力が実りやすいものと、実りにくいものがあります。
つまりは努力すればそれなりにリターンが期待できるものがある半面、努力が
無駄骨になりがちなものも少なくないというわけです。
努力が実りやすいものとは、どんなものがあるでしょうか。
まず挙げられるのが、楽器の習得です。
前述したように、エリート音楽家と普通の音楽家では、練習時間が大きく違うと
いう研究結果が出ています。つまり、楽器は練習すれば練習するほど、その努力が
成果として表れやすいということがいえます。
これと同じように、語学の習得もまさに努力が実を結びやすい分野といえます。
単語を覚えるにも、きちんと話せるようになるにも、反復学習が非常に大きく
ものをいってくるからです。
ほかにも球技をはじめとする運動技能の習得や受験勉強、意外なところでは
絵を描く技術なども、努力で伸びる分野として挙げられます。

では、努力しても実を結びにくいものとは、いったいどんなものでしょうか。
当然ながら、背の高さや顔の造形などは努力でどうこうできるものでは
ないと思います。また、同じ運動でも足の速さや跳躍力、肩の強さなどは、
努力でなかなか大きく高めることは難しいのではないかと思います。
確かに容姿や足の速さといった身体的特徴は、いかにも持って生まれたものと
わかるので、努力で改善できるとはなかなか思いません。
それに対して目に見えない才能や精神的な部分に関しては、人はどうしても
「努力でなんとかなるのでは?」と思いがちです。ところが実際は、たとえ
身体的特徴以外のところでも努力が及ばないものは数多くあるのです。

幸いにも受験勉強など学習することは、反復学習が非常に大きくものをいってくる
ので、努力をすれば実を結びやすいものです。
しかし、脳の構造によって努力が得意な人と苦手な人がいることがわかりました。
努力することが苦手な人はどうすればいいのでしょうか?
じつは、努力することが得意・苦手にかかわらず、どちらのタイプ.にも成果が
出せる「努力するための方法」があるのです。

 


長くなったので、その方法については次回のブログで書きます。

終わりに

いかがでしたか?

今回は、「努力の才能」について、お話ししてきました。

後半は、明日アップロードする予定なので、お楽しみに!!

 

もっと気になることがある方は、受験相談にぜひお越しください!

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