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【心理学16】作業興奮のお話し、エビングハウスの忘却曲線の問題点

海馬 側座核

受験生のみなさん!こんにちは!今までにない忘れない勉強法の武田塾広島校です。

今日は、ヤル気、モチベーションの話しです。

ヤル気、つまりモチベーションは、脳の側坐核という場所で作られます。
側坐核は、直径1cm以下のとても小さな脳部位で、脳の中心近くに存在しています。
どうすれば、ヤル気が出るのか?心理学者クレペリンが発見した作業興奮では、
とりあえず、やってみる。作業してみる。すると興奮してヤル気が出るようになる。
脳科学的には、ヤル気=ドーパミンというヤル気ホルモンが側坐核から出ている状態
にするということです。
どうやったら、
側坐核からドーパミンが出るのでしょうか?

それは、側坐核に刺激を与えることです。
刺激を与えるには、具体的に動くことです。作業することです。
ヤル気のポーズでもいいそうです。
手足を動かす、脳を使う、心身ともに動いて作業すると、側坐核が刺激されて
ドーパミンが出ます。すると、ヤル気が出るのでますます行動が加速するということです。
とりあえずやる。動く。体と頭を動かす。働かす。ということです。
受験生のみなさんは、ヤル気が出ないときには、まずは何より机に向かって勉強して
みましょう。とにかく側坐核を刺激するのです。そうすると、ドーパミンが出て、
しだいにヤル気が生じて勉強に集中できるようになっていきます。
明確な目標を設定し、毎日のやることを決めて達成するたびに、
ドーパミンが出ます。毎日の小さな成功体験を積み上げることによって、
気持ちよく努力を続けていけるようになります。
とにかく、やることです。

 

エビングハウスの忘却曲線の問題点

次は、あの有名なエビングハウスの忘却曲線の致命的な問題点についてです。
ここで言いたいのは、エビングハウスが行った実験に問題があるわけではありません。
科学的なデータであり信じるに足るものです。

では、エビングハウスの忘却曲線とは、どんなものだったでしょうか。
19世紀から20世紀初めのドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った
あまりにも有名な実験データです。
無意味な音節(アルファベットの羅列)を記憶して、時間の経過によって
どれだけ忘れてしまうかという研究をしたといわれている。
彼の研究結果をグラフにしたものがエビングハウスの忘却曲線といいます。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの実験によれば、覚えたことを20分後には42%忘れ、
1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、
1ヵ月後には79%忘れるということを有名な先生方がご自分の著書で
述べられています。これを覚えておいてください。

まず、最初に問題だと思うのが、この実験が無意味な音節を記憶したものだと
いうことです。まさに棒暗記のデータということです。
実際に覚えるものは、無意味なものではないことが多いですし、興味があるとか
ないとかでデータは変わるのは間違いありません。
いえることは、棒暗記のデータでなければ人の能力の差というのが判断しにくいので、
そういう意味では、棒暗記のデータを研究したことの意味は大きいです。
エビングハウスのこのデータで、人間の脳の忘れるということの能力の差はなく、
人間は1度覚えただけでは忘れる確率が非常に高いということがわかります。

最大の問題点が、この忘却曲線が1時間後には56%忘れというように、忘却率を
表していると一般的に誰もが述べていることです。
しかし、これは節約率を表しているものなのです。

節約率とは1度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間
(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合である。
式で表すと
(節約率)=(節約された時間または回数)÷(最初に要した時間または回数)

(節約された時間または回数)=(最初に要した時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数)

例えば、最初に覚えるまでに10分を要し、20分後に覚え直すと4分を要したとする。
この場合、覚え直すのに最初と比べ6分節約したことになる。すると、節約率は
6(節約された時間)÷10(最初に要した時間)=0.6=60%となる。

また、最初に覚えるのに40回の書き取りを要し、1時間後に覚え直すのに22回要したとする。
この場合、最初に比べ18回節約したことになる。すると、節約率は
18(節約された回数)÷40(最初に要した回数)=0.45=45%となる。

注意すべき点は、エビングハウスの忘却曲線のグラフは節約率を表しているだけに過ぎず、
記憶量を表しているわけではないということである。つまり、20個の単語を覚え、
1日が経過すれば、そのうちの74%に相当する15個の単語を忘れているというわけでは
ないということである。

記憶してから1日のあいだに急激な忘却が起こるが、その後の忘却は緩やかに起こる。
この実験で使用されたのは相互に関連を持たない無意味な音節であり、
学問などの体系的な知識では、より緩やかな忘却が起こると考えられる。

いろんな本やネットなどで、エビングハウスの忘却曲線が紹介されていますが、
ほぼ、全部が間違った解釈をしています。
節約率なのだから、

20分後には節約率が58%であった。
1時間後には節約率が44%であった。
1日後には節約率が26%であった。
1週間後には節約率が23%であった。
1ヵ月後には節約率が21%であった。

ということなのです。

反復学習のタイミングなどで、忘れるころに復習するのが1番良いということで、
半分忘れたころがいいでしょう。とかで、1時間後には56%忘れるのだから、
2度目の復習は1時間以内が理想ということが本などで書かれていますが、
そんなことは全く根拠がないということがわかります。

確かにいえることは、エビングハウスの実験は科学的なデータであり、
信じるに足るものだということ。
人間は1度覚えただけではかなりの速度で忘れるということ。
物覚えのいい人とそうでない人はいるが、忘れることに個人差はないということ。
1度では忘れてしまうので、何度も何度も復習をすることが大切だということ。
1度覚えたことを復習するときの労力はかなり小さくなるということ。
意味にこだわった覚え方をすれば忘れにくいということ。

1度では、、どうせ覚えられないのだから何回も復習するものだと思って、
勉強することが大切です。
何回も復習する時間の確保が必要です。
大学受験においては、みんなでゆっくりしたペースの授業は時間がもったいないと
武田塾では考えています。
時間をかけて授業を聞いても、1度だけ受けっぱなしでは忘れてしまいます。
受身よりも自発的に勉強したほうが覚えやすいことも脳科学で証明されています。
志望校合格に最も近いルートを効率よく自発的に学習することが合格への
最短距離です。無駄のない反復学習をしていきましょう!

エビングハウスの実験が間違った解釈をされているという話しでした。

 

 

 

まとめ

どうだったでしょうか?

是非この機会に、今の自分の勉強の仕方を振り返ってみて自己分析してみて下さい。

また武田塾では無料の受験相談を受け付けております!

 

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