みなさんこんにちは!
武田塾姫路校です。
今日は、日本の各大学がどのように評価されているのか、英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」を元に2017年から発表されている「THE 日本大学ランキング」を紹介しながら見てみようと思います。
大学を選ぶとき、どんな観点で考えればよいのか、きっとヒントになると思います!
2023日本大学ランキング!
ズバリ!総合ランキング!
1位 東北大学(201-250)
2位 東京大学(39)
3位 大阪大学(251-300)
4位 東京工業大学(301-350)
5位 京都大学(68)
6位 九州大学(501-600)
7位 北海道大学(501-600)
8位 名古屋大学(501-600)
9位 筑波大学(501-600)
10位 国際基督教大学(…)
※( )内は世界ランキングの順位です。
何で評価されるのか
「THE 日本大学ランキング」の評価は、4分野と16項目の総合スコアで構成されています。※( )内の数字は全体に占める各分野・項目の割合です。
①教育リソース(34%)どれだけ充実した教育が行われる可能性があるか
学生一人あたりの資金(8%)
学生一人あたりの教員比率(8%)
教員一人あたりの論文数(7%)
大学合格者の学力(6%)
教員一人あたりの競争的資金獲得数(5%)
②教育充実度(30%)どれだけ教育への期待が実現されているか
学生調査:教員・学生の交流、協働学習の機会(6%)
学生調査:授業・指導の充実度(6%)
学生調査:大学の推奨度(6%)
高校教員の評判調査:グローバル人材育成の重視(6%)
高校教員の評判調査:入学後の能力伸長(6%)
③教育成果(16%)どれだけ卒業生の活躍が期待できるか
企業人事の評判調査(8%)
研究者の評判調査(8%)
④国際性(20%)どれだけ国際的な教育環境になっているか
外国人学生比率(5%)
外国人教員比率(5%)
日本人学生の留学比率(5%)
外国語で行われている講座の比率(5%)
上に紹介したのは、これらをスコア化した総合ランキングですが、ホームページでは、各分野でのランキングも見ることができます。
また、エリアや学問系統でも順位を知ることができます。
自分の重視する要素が①~④のいずれか、もしくはエリアや学問系統なのか...で、様々な観点からランキングをソートすることができますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね!
THE 日本大学ランキング|日本の大学の教育力ランキング (japanuniversityrankings.jp)
世界ランキングと比較する
筆者は、どうして日本ランキングの順位が世界ランキングとこんなにも違うのだろう、と気になりましたので、日本ランキングの根拠ともなっている「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」のホームページも調べてみました。
評価される観点
タイムズ・ハイヤー・エデュケーションのホームページでは、さらに多角的な視点で大学を比べており、ランキングでは4項目、スコアでは6項目を調査しています。
ランキングでは、在籍学生数、教員一人当たりの学生数、留学生数(パーセンテージ)、在籍男女比率をスコアでなく具体的な数字で見ることができます。
スコアでは、総合、教育力、研究力、研究成果(論文引用)、教員一人当たりの研究費、国際的見通しをスコアとして点数で見ることができます。
そしてこちらも比べたい項目についてソートして表示することができます。
各大学の紹介ページに行くと、生徒一人当たりの大学予算における教育費など、評価のポイントとされた項目も見ることができました。
Times Higher Education home | Times Higher Education (THE)
日本ランキングとの違い
日本ランキングの方が、実際の学生や教員、企業の反応などを比較要素としてスコア化しているため、より「日本の現状を反映した」ランキングと言えそうです。
しかしTHEのサイトには、日本ランキングのサイトでは明らかにされていない項目、数字が表示されており、より明確な大学ごとの違いを認識することができます。
各大学の在籍学生数、教員一人当たりの学生数、留学生数(パーセンテージ)、在籍男女比率の具体的数値はTHEのサイトでしか見られませんし、教員一人当たりの研究費、国際的見通しでランキングをソートすることなどはTHEのサイトでしかできません。
違いから見えること
筆者がいろいろ操作してみて驚いたのは、総合ランキングを表示して男女比率を見ると、ランキングの上位に挙げられている大学は7:3~6:4、順位が低い方に向かうにつれて、5:5に近づいていく、ということです。
(そして女子大もランキング上位にはありません。もちろん歴史や背景に誇りを持っている女子大もあると思いますが、もし仮に男子大なんてものがあったら、「どうして女子は入れないのか、その大学が提供する教育や研究に性別は関係あるのか」ということが問題になりそうですよね)
アメリカやイギリスのランキングにおいて、男女比がこのように全体的に開くことは無いように見受けられました。
例えば、アメリカランキング1位のハーバード大学(世界ランキング2位)は男女比50:50ですし、イギリスランキング1位のオックスフォード大学(世界ランキング1位)は男女比52:48です。どちらの国でも、それ以下に続く大学も日本ほど大きな男女比率の開きはありません。
それに対して、日本は男女比率が比較要素として入っていません。
まだまだ日本は、女子が大学に進学すること、質の高い教育を受ける機会を女子が享受すること、その上で社会に進出してくことが難しい国であるのだな…と思います。
女性官僚や議員、管理職の少なさが話題になることはありますが、問題の根元は教育であると、あらためて思い知らされます。
おわりに
日本のランキングは参考になりそうですが、世界のランキングと比較することで日本社会の課題も見えました。
筆者が個人的に、比べてみると良いかな、と思うのは、教員一人当たりの学生数です。
また、在籍学生数についてはTHEのサイトでも大学全体での学生数しか見られないのですが、各大学のホームページに行けば修士課程・博士課程に在籍する生徒数についても発表されています。
専門性の高い学業を行いたい場合には、参考にしてみると良いと思います^^
偏差値以外にも、比較すべき観点がたくさんあることがあるということを、覚えておきたいですね!
もうすぐ夏休みですね!
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