みなさんこんにちは!
武田塾姫路校です。
6月は、来年度(2024年度、令和7年度)の大学入試について文部科学省や、共通テストの作成を行う大学入試センターが、実施についての詳細をどんどん発表していきます。
今日は、現時点で発表されている内容をチェックし、共通テストについて、来年度は今年度と何が変わるのかを見ていきたいと思います!
現在高校2年生以下の生徒さん、浪人をするかもしれない今年度の受験生さんは、参考にしてみてください^^
今年度共通テストの感染対策は…
6月2日に、文部科学省が発表したところによると、今年度の大学入試は「コロナ禍前の形に戻す」ことを基本方針とするようです。
(本試験は2024年1月13日・14日、追試験は1月27日・28日)
このことによって、マスク着用は義務ではなくなり、「濃厚接触者の特定」も行われなくなるため、各大学がそれぞれの判断と対策を行うことになります。
また、大学入学共通テストの追試験の会場の数について、コロナ禍前が2会場であったことを踏まえて、昨年度の全国47都道府県50会場から大幅に縮小することも検討されています。
もし遠くの会場に行かなければならないということになってしまったら、ただでさえ難易度が上がる追試験は、できれば受けたくないですね~
この方針は令和7年度も維持、またはもっと自主的な感染対策に任されることになると思います。
今後、各大学、共通テスト会場が試験会場における感染対策に関して発表していくでしょうから、自分が受験する会場となる大学の情報はチェックしておきましょうね。
試験時間と形態の変化
令和7年度から、高校の新教育課程を修了予定の受験生が出てきます。
このため、共通テストは科目や試験時間、問題形式に割と大きな変更があります。
6月9日に大学入試センターが発表した内容から、以下の点は多くの受験生の皆さんに影響があるのではないかと思います。
※「○○○(令和6年度) → ○○○(令和7年)という形で記しています。
国語
●試験時間
80分 → 90分
●問題構成
論説・小説・古文・漢文各1問の計4問 → 近代以降の文章(資料の読み取りを含む)3問+古文・漢文各1問の計5問
●配点
各50点計200点 → 近代以降の文章3問で形110点、古文・漢文各45点の計200点
●出題範囲
「国語総合」 → 「現代の国語」及び「言語文化」
地歴公民
●出題科目
「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」
以上10科目の中から最大2科目を選択
→ 「地理総合、地理探求」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「地理総合/歴史総合/公共」
以上6科目から最大2科目を選択、ただし「歴史総合」「公共」を含む科目を選択する場合、重複は不可
数学
●出題科目
「数学Ⅰ」「数学A」「数学Ⅰ・数学A」から1科目、「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・B」「簿記・会計」「情報関係基礎」から1科目
→ 「数学Ⅰ」「数学Ⅰ、数学A」から1科目、「数学Ⅱ、数学B、数学C」
●「数学A」の出題範囲
場合の数と確率、整数の性質、図形の性質 → 場合の数と確率、図形の性質のみ
●「数学Ⅱ、数学B、数学C」の出題範囲
「数学B、数学C」については、数列(数学B)、統計的な推測(数学B)、ベクトル(数学C)、平面上の曲線と複素数平面(数学C)の4項目から3項目を選択し解答
●「数学Ⅱ、数学B、数学C」の試験時間
70分
理科
●出題科目
理科①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」、理科②「物理」「化学」「生物」「地学」
以上8科目から1ないし2科目を選択し解答、ただし理科①の科目については1科目のみの受験は不可
→ 「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」
以上5科目から最大2科目を選択し解答
●配点
「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」を選択する場合、4分野から2つを選択し解答、各50点(計100点)
外国語
●注意点
令和7年度の要綱には、「英語」以外の外国語を受験する場合、【リスニング】を受験することはできない、ということが新しく明記されました。
情報Ⅰ
●令和7年度より、「情報Ⅰ」の試験科目が追加されます。
「試作問題」が公表されている!
みなさんは、大学入試センターのホームページを訪れたことはあるでしょうか?
最新の情報が発表されているだけでなく、過去3年間の問題と解答も見られます。
そして、上記に挙げたような、大きな変化を伴う科目については、現時点ではこのような形式での問題が想定されていますよ、という「試作問題」が公表されています。
現時点では理科以外の5教科について、載っているようです。
令和7年度試験の問題作成の方向性,試作問題等 | 独立行政法人 大学入試センター (dnc.ac.jp)
どんなことに気を付けて学ぶべきか
国語
新しく追加される現代文1問では、グラフ・表を伴う実践的な文章の読み取りにかなり力が入っています。
目を通さなければならないページ数がぐっと増え、情報処理を行うスピードが課題になってくるでしょう。
国語の教材は教科書だけではありません。
身の周りの日本語を中心にして示される情報について、正確に、分析的に捉えようとする姿勢が大切です。
まずは自分の、直近の模試結果などを分析してみてはどうでしょうか^^
地歴公民
今回の変更で新しくできた「歴史総合」、「地理総合」、「公共」では、社会的なテーマを背景に持つ出題が想定されています。
「戦争と移民・難民」や、「自然環境の破壊と変化」、「多様性」などです。
これまでより、現代に残る社会問題や国家間の闘争についてのルーツを踏まえた、広い視野で歴史・地理・公民を捉えることが必要になるでしょう。
世界・日本国内・地域のニュースを見て、どのような問題背景があるのか調べる習慣をつけておくと良いと思います。
数学
数学についても、実際に世の中にある数値・数量関係を実践的に扱う出題が検討されています。
スポーツにおけるタイムの管理や、価格の比較、砂浜でのプラスチック片の混在率を調査する、環境問題へのアプローチを感じる問題などです。
私たちは、課題解決のためのデータと、その分析内容については全く知らず、あらゆる恩恵を受けています。
大学がネット上に公開している研究結果、論文などに関心を向けて見てみるのはどうでしょうか。
課題の設定と必要な実験・調査、その方法・結果、考察の中にある、実践的な数学に触れておくのが良いでしょう。
おわりに
令和に入ってから教育課程が大きく変わり、いよいよ大学入試にも変化が見られるようになりました。
全体として、時代の変化に伴う問題に対する意識、解決能力の向上を意識した、実践的な学習に大きく振れていると感じます。
授業で習えること、勉強して覚えることが、「どんなふうに利用できるのか」。
この観点を忘れないように、コツコツと力を蓄えていきたいですね。
武田塾では無料受験相談を行っています!
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