こんにちは!
武田塾阪神甲子園校です!
今回のテーマは「国公立志望のための私立の滑り止め戦略」です。
国公立志望のみなさんは私立の受験について考えていますか?
この記事では、「何校受けたらいいの?」「どんな形式で受けたらいいの?」など国公立志望の方が気になりそうな私立の受験戦略について解説していきます!
共通テスト利用はどうすればいい?
共通テスト利用について
率直に言えば、共通テスト利用は使うべき。
ただし、共通テスト利用頼みの戦略は危険です。
国公立志望であれば共通テストは必ず受けるので、それをもってどこかの大学の合格をもらえるというのは非常に楽なことです。
また、私立専用の過去問対策などを行うことなく、共通テスト対策の勉強を行うだけで第一志望の合格率も滑り止めの合格率も上げられるため、とてもよい形式だと言えるでしょう。
しかし入試はリスクがつきものです。
共通テスト利用で合格できればラッキーですが、ダメだった場合も考えなくてはなりません。
ひとつの試験でさまざまな大学を受けられることはメリットのように思われます。
しかし裏を返せば、本番で失敗した場合にはすべて不合格になってしまう可能性もあるということ。
頼り過ぎないように注意が必要です。
共通テスト利用で受験する大学は、上下2つや真ん中を入れて3つ程度、レベルに差をつけて選ぶようにしましょう。
上のレベルを2つ選んだところで、両方受かるか、両方落ちるかのどちらかであるため、あまり意味がありません。
いずれにせよ国公立志望の方は、私立を受けるのであれば必ず共通テスト利用を使うべきでしょう。
共通テスト利用のレベル感
共通テスト利用について、だいたいのレベル感についても解説しておきましょう。
共通テスト利用での合格が最も難しいのは早稲田大学です。
共通テスト利用で早稲田に合格するのは、東京大学・京都大学・一橋大学志望か、大阪大学や名古屋大学志望で、かなり共通テスト対策をして完成度を上げた人がギリギリといったところでしょう。
東大や京大に合格する人でも、早稲田の共テ利用が取れなかった人はざらにいるので、それぐらいの難易度ということです。
したがって、共テ利用が多くなるのはMARCHや関関同立レベルになります。
しかしこのレベル帯の共通テスト利用は幅が広く、上は旧帝大から、下は岡山大学や金沢大学を志望する人まで、共テ利用で合格を勝ち取ることができています。
また、共テ利用のパーセンテージはチェックしてください。
MARCHと関関同立、また学部によっても少なからず違いがあります。
加えて、科目数についても吟味が必要です。
基本的に科目数が多いほうが合格に必要なパーセンテージが低くなるので有利になります。
また、自分の得意な3科目を合わせて受けるなど、さまざまな方式があるので、自分の適性を見極めたうえで選択するようにしましょう。
共通テスト併用について
ここまでは共通テストだけを利用する方式について解説してきましたが、最近では共通テスト併用という方式も増えています。
国公立志望の受検生は当然共通テストの対策をしているため、私立専願の受験生に比べて有利に戦うことができます。
また科目数も少なく、国公立対策として共テの勉強がしっかりできていればそれほど対策をしなくても済むため、むしろ一般より受けやすい方式であると言えるでしょう。
相性がよいものがあれば、共通テスト併用もぜひおすすめしたい方式です。
ただし、共通テスト利用と同様、共通テスト頼みにはならないようにしましょう。
何校受けるのがベストか
滑り止めは何校受ければいいのか、というのも気になる疑問だと思います。
結論から述べれば、国公立志望の方は最多で3校程度でしょう。
私立志望の方は私立しか受けないので、10校ぐらい受けても構いません。
しかし国公立志望の場合、スケジュールの問題があります。
私立の本格的な入試が始まるのは2月1日。
2月の中盤から早稲田の入試であったり後半の入試が始まっていきます。
いっぽう、国公立の二次試験は2月25日。
この日をターゲットにするならば、国公立の対策をしっかり行いたいところです。
1月のスケジュールを見ると、第3週の土日に共通テストがあります。
ここまでは全力で共通テストの対策をしているので、二次試験の対策は共通テストが終わってからすることになります。
すると、なまっているわけです。
共通テスト対策期間の間に、秋に取り組んでいた二次試験対策の内容が少なからず抜けています。
なので、急いで勉強をしなくてはいけない。
その間に10校も私立を受けてしまうと、その対策も増えてしまいます。
結果的に対処しきれず、対策が不十分なまま2月25日を迎えることになるでしょう。
私立の対策と国公立の対策はトレードオフです。
滑り止めを受けるのはリスクを下げるためですが、滑り止めを減らすことによって国公立対策に集中でき、第一志望への合格という最も高いリターンを得られる可能性は高まります。
リスクとリターンのバランスを見ながら受ける数を調整していきましょう。
国公立志望の人には、MARCHや関関同立など早い日程のものがスケジュール的には受けやすいと言えるでしょう。
早稲田は遅いので、国公立を受ける人は気をつけましょう。
傾向が被るところを受ける
では、滑り止めで受ける大学はどのように選べばよいのでしょうか。
基本的には対策が被るところを受けることです。
先述したように、国公立志望の人が私立を受けるチャンスは2〜3回。
それなのに、傾向が3つともバラバラのところを受けるのは非効率的です。
なので、同じ系統の大学で統一するか、レベルを落としても変わった傾向の問題が出ない大学を選ぶことです。
たとえば、国公立でも他の私立でも自由英作文を使わないのに、滑り止めで受ける1校のためだけに勉強するのは効率が悪いですよね。
他に受ける大学と傾向が被るところを選んだほうが、勉強量は少なくて済みます。
しっかり過去問を確認して選ぶようにしましょう。
ここで気をつけなければならないのが私立文系を受ける人の社会。
共通テストの日本史・世界史が得意だからと言って私立で社会を選択すると、難易度がまったく違うので失敗する可能性が高いです。
国公立の文系を受ける場合は英・国・数の3科目で受けるのが無難でしょう。
国公立の理系を受ける場合は、物理・化学で得意なほうを受けましょう。
併願校は偏差値だけを見て決めるのではなく、しっかり過去問を解いて傾向を理解したうえで選ぶのが大事です。
対策をしすぎない
滑り止めの対策はどれくらいすればいいのか、も気になるところだと思います。
国公立を本命でしっかり考える人であれば、合格点が取れればそれでいいでしょう。
私立専願の人のように、何十年ぶんも過去問を解いている余裕はないので、1年分解いて合格点が取れれば十分です。
逆に言えば、しっかりと対策をしなければ合格できないような大学は選ばないほうがよいということ。
なお、チャレンジ的に国公立を受ける人、つまり現状ではまだ厳しいが、とりあえず国公立を受けてみる、現実的には私立を落としどころにする、というような人の場合、私立の合格を確定させてから国公立対策を行うという戦略を立てることもあります。
ただ、国公立が本命の人であれば、私立の対策はしすぎず、最低限の合格点を取れるレベルを目標にしましょう。
滑り止めの組みかた
ここまで主に書いてきたのは、志望校が偏差値60前後以上の国立で、MARCHや関関同立、あるいはもう少し下のレベルで併願校を組んでいく場合でした。
これが、偏差値50台の地方国公立を志望するとなると、併願校を組むのが至難の業になります。
ギリギリの勝負をしている人も多いと思うので、その場合はさらに気を付けて組んでほしいと思います。
国公立の人が思っている以上にMARCHや関関同立は難しく、注意が必要です。
日東駒専や北海道の北海学園大学、九州の福岡大学や西南学院大学は共通テストと難易度がほぼ等しく、問題もシンプルで、ストレートに勉強したことが活きやすいため、地方国公立を目指している方には確実に押さえてほしいところです。
なんにせよ重要なのは、早めに戦略を考えるということ。
11~12月になると共通テストに頭が行ってしまい、滑り止めの過去問を見ている余裕がありません。
なので、リミットは11月。
10月の今から見ていくようにしてほしいと思います。
まとめ
ここまで、滑り止めの組み方、戦略について解説してきました。
最後に、今回のまとめです。
・共通テスト利用は必ず使ってほしいがそれだけでは万全ではない!
・自分の適性を見極めて入試制度を選択!
・私立を受けるほど国公立の対策がおろそかになるので、受け過ぎに注意!
ぜひ参考にしていただければと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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