こんにちは！
武田塾阪神甲子園校です！
志望校に出願するとき、「主体性」「多様性」「協働性」についての作文を書かなくてはいけません。しかし、いざ書く段階で書き方が分からない、何を書いたらいいか分からないと混乱してしまう人がいます。
出願校によっては、選考評価の対象になったり試験として点数が割り振られることがある主体性作文。正しく評価されるものが書けないのはもったいないですね。
そこで、主体性、多様性、協働性について作文にどう表現すればいいのか、失敗例も挙げながら解説していきます。
主体性作文で低評価になるパターン3つ
主体性作文が評価されない要因は3つあります。具体的な情報がない、良かったことで締めくくろうとする、省察の無い文章になっているの3パターンです。
なぜ、そのような作文が低評価に繋がるのか、詳しく見てみましょう。
ありきたりな表現では状況が伝わらない
頑張りました、努力しました、工夫しました、という表現はできるだけ使わないようにしましょう。実際に提出される作文によく見られるものです。
しかし、この記述では何を頑張り、どう工夫したのかの背景が一切見えてきません。出願者が置かれた状況や、心境が記されていないからです。
ありきたりな言葉で綴られた作文は、読む人の印象に残りません。よって評価も低くなってしまいます。
一つ目の注意点は、自分が具体的に何を実践したかを詳しく書くことです。具体的な情報があることで、オリジナルな作文にすることができます。
ハッピーエンドにこだわるとインパクトが薄くなる
成功体験にこだわってハッピーエンドを描こうとしないことも重要なポイントです。もちろん、現実に大団円を迎えたならそれでいいのです。
しかし、何もかも上手くいく経験というのは往々にして得がたいもので、評価する側もそれがよく分かっています。
上手くいったことを強調しようとすると、文章が不自然になり読後の印象が薄くなる危険性があります。読み手は、書き手の成功体験を求めている訳ではありません。
バッドエンドだったとしても、出願者がどんな風に行動したのかを伝えようとすること。これが主体性作文の二つ目の注意点です。
まとめ部分に考察がないと文章の価値が低くなる
良かった、満足できた、といった単純な感想で締めくくらないようにしましょう。作文に描かれたストーリーに省察が加わると、内容のリアリティが一気に増すからです。リアリティのある文章は、出願者の行動や思考を読み手に強く訴えることができます。そのためにも、文中の出来事について自分がどう感じたかをオリジナルな言葉で表現できるようになりましょう。そして最後に、テーマとなった一連の出来事を自己分析した上で、結論を書きます。これが三つ目の注意点です。
では、以上を踏まえて、評価される作文を書くための対策方法を見ていきましょう。
学力三要素を作文の中で表現する3ステップ
「学力三要素」とは、世界でリーダーになれる人材を育成するために、平成33年度「大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告文科省」によって、大学入試選抜基準として規定されました。
そのため以降の入試では、主体性、多様性、協働性を備えた学生を、大学が選別するようになったのです。
では、これら三つの要素を作文中でどうアピールしていけばいいのでしょうか。具体的な3ステップを紹介します。
ステップ1 主体性について。責任もって動いた事例をピックアップ
主体性とは、集団のなかで責任ある行為を行える能力のことを言います。自主性に似た言葉ですが、自主性の対象が個人的な行動なのに対し、主体性は集団の中の個人の動きを対象にしています。
例えば生徒会、部活、校内行事などで自分がどんな仕事をしたかに主体性が現れるのです。
そこで、自分の行った仕事内容を具体的に記していきましょう。文化祭の予算内でクオリティの高い作品をつくるために、値段交渉に応じてくれる業者を粘り強く探した、デザインが気に入らないクラスメイトと意見交換を繰り返したなどです。
重要なことは、自分の意思をもとに集団の中の責任をいかに果たしたか読み手伝えることです。頑張っただけでは、具体的なことは何も伝わりません。
ステップ2 多様性について。意見の対立をどう乗り越えたか
多様性とは、個人がそれぞれ固有の趣味嗜好や意見を持っていることで、多様性を身につけているとは、互いの趣味嗜好を認め受け入れ合う能力を持っていることだと言えます。
例えば文化祭の計画会議で意見が対立することは、多様性が顕在化した状態です。多様性理解のアピールのためには意見がぶつかった事、理解できない価値観に触れたことを詳しく書くことが必要です。結局理解できなかったのなら、そのように書きましょう。
綺麗事で割り切る内容は好印象になりません。対立したまま終わった事も、多様性を理解しようとした結果になるのですから。
ステップ3 協働性について。どのよう他者と関わってきたか
協働性とは、同じ課題やイベントに取り組むメンバー同士で上手く関係を築いて行く能力です。主体性を軸に、多様性を乗り越えた結果に見られるものと言い表すことができます。
先の二つのステップを通して、自分が何を感じどう動いたかを書くことが重要です。
では、最後にこの3ステップを意識した作文の基本的な構成について解説します。
作文の基本構成は序論、本論、結論
作文の構成は、序論、本論、結論の形をとることが基本です。序論とはこれから作文の中でなにを語ろうとするのかの紹介、本論は作文の中で一番伝えたいこと、結論は本論の経験を自分なりにどう解釈しているかを表します。
例えば序論に文化祭で行った仕事の紹介、本論に役割を果たす中で起こった出来事、トラブルを記します。そして、結論で省察を書くのです。
特に重要なのが結論の書き方です。「と思いました」「が良かったです」などで終わらせないようにしましょう。
それでは省察になりません。なぜ対立してしまったのか、相手の価値観はどうだったのか、必ず自己分析で締めくくるようにしてください。
まとめ
主体性、多様性、協働性をアピールするための作文の書き方について解説しました。多くの出願者がしてしまう失敗についても見てきましたね。たくさんの受験生がミスを犯しがちだということは、そのミスを無くせば他の受験生に先んじた魅力的な作文が書けるということです。
しかし、いいことばかりを書きつらねた文章は、却って査読する側の心に響きません。ありのままの自分でオリジナリティを出すことを意識しましょう。
また、オリジナルな文章を書くためには自分の経験を表現するための語彙力も必要です。現代文の対策と併せて、文章力トレーニングを進められるといいですね。
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