私は英語のリスニングほど才能に依存している科目はないと思っています。
正確に言えば、学校や塾での指導がイマイチなせいで、才能でしか勝負できない状態の高校生がほとんどだと思っています。
私自身、高校生の時に学校で使っていた『速読英単語』附属CDを1カ月毎日聞いていましたが、全く上達を感じず。勉強法がよく分からんままセンター試験本番、中途半端な35/50点を取りました。
そのときは、点数を見て「微妙だけど、勉強法分かんないし妥協できる点数だな~」と思いました。
私がリスニングと再び対峙するのは大学3年生。大学からの指令で強制的にTOEICを受けさせられて惨敗。このときは高校生時分よりは主体的な思考力や、頼れる友人もいたので、リスニングの勉強について研究しました。
そして、3カ月間、研究した勉強法でリスニングの勉強をしたところ、リスニングの点数が150点UPしたのです。
本当に雑魚いですが、リーディングとリスニングの合計点数が460点→690点に変化しました。(旧帝大の学生は余裕で1年生で700点超えるのは秘密)
ということで、リスニングについて一家言ある筆者が、オススメリスニング勉強法を紹介します。
だんだん聞けるようにはならない理由
リスニングを毎日続けていたら聞き取れるようになる。
そんな簡単な話だと楽ですが、そうはいきません。
英語の発音と日本語の発音は異なります。
[kæt] と [kʌt]
どちらも日本語ではカットと発音しますが、英語では違います。
これは cat と cut を発音記号で書いたものです。
このような英語特有の発音を聞いて、すぐに違いを把握し意味を特定する。この作業ができれば聞き取れるわけですが無理です。
なぜなら、英語の発音を習っていないからです。
その証拠に、上の発音記号の違いを説明できる人は少ないはずです。
英語の正しい発音を理解し、覚える。これがリスニングを向上させるためには必須です。
ちなみに、リスニングができる人はこれをセンスでやっています。耳がいいのか、発声の才能があるのか、スクリプトを見ながら何回も聴いているうちにだんだん発音の違いが分かってくるのでしょう。
発音を覚えるには?
発音の暗記には他の暗記科目や英単語と違うことがあります。
それは、聞かないと違いが分からないということです。
さらに、自分で発音した方がより違いが分かるようになります。
身近な例ではカラオケがいいでしょうか。
友達とカラオケに行くようになる中学生や高校生になるまで、歌手のビブラートやこぶしを意識して聞いたことはないと思います。
カラオケの採点機能は細かく歌唱を判定してくれます。
それを見て、友達の歌と自分の歌を比較しているうちに、音程やリズム感の違いが意識できるようになります。さらに、ビブラートやこぶしの乗せかたで、同じ音やリズムでも聞こえ方が違うことが分かるのです。
他にも、習ったことがある人が多いピアノを例に出しましょう。
一流のピアニストは、鍵盤の叩き方の強弱や微妙なリズムの揺れで、演奏にメリハリを付けてドラマティックにします。
この凄さは、ある程度ピアノを練習しないと分からないことです。ただ鍵盤を指示通りに叩く自分の演奏と比較することで一流の演奏との違いが分かるのです。
英語の発音も、自分で発音してみないと似たような発音の違いは本当の意味では分からないのです。
おすすめ教材
『関正生の世界一わかりやすい英語の発音の授業』や『英語耳』がオススメです。
前者はわかりやすい解説に特化した内容で、後者は解説よりも実践に特化した内容です。
どちらから始めてもいいと思いますが、解説で正しい発音を学んだら、付属のCDを聞きながら自分で発音してみるのが大事です。
発音の練習を1カ月くらい続けたら、聞き取る音声の解像度が大幅に変化するはずです。
英単語と発音を結び付ける
発音の仕方を理解したら、次はリスニングで文章を聞いていきます。
多くのリスニング教材は問題に回答する形になっていますが、聞く作業と解く作業を分けましょう。
ここでは聞く作業のテクニックを教えます。
①1回通しで聞く
②聞き取れなかったところをスクリプトを見て確認する
③スクリプトを見て自分で発音を繰り返し、だんだんCDの速さに近づける
④スクリプトと一緒に発音して、自分の発音を修正
⑤スクリプト無しで聞く
この作業をしましょう。
聞けない部分の発音を聞き取れるように、自分で発音しながら聞き取れるようになるまで繰り返しましょう。
さらに、一度聞いた内容を1週間に1度復習します。
聞き取れない原因は2つあり、聞き取りづらい発音であること、実際の発音と自分が記憶している単語の発音が一致していないことです。
聞く作業の上達は発音の暗記なので、繰り返し聞くほど身に着きます。
また、発音と単語の記憶違いは、これこそ暗記なので復習必須です。
おすすめ教材
『関正生のリスニングプラチナルール』
音声がゆっくりで聞き取りやすいです。
また、通常速度と遅い速度の2パターンが収録されいているので、遅い速度で発音しっかり把握してから通常速度へ行くことで徐々に聞き取れるようになります。
『きめる!共通テスト英語リーディング』
どうせ、共通テストがリスニングの主な用途なので、早いうちから共通テスト用の問題集で慣れていきましょう。
この問題集は解説がかなり詳しいので、解く練習にもなります。
『速読英熟語』『速読英単語』『英語長文ハイパートレーニングシリーズ』
結局数熟したものがちなので、練習用に。
全部そこそこ早いので、上の本で慣れてからやるのがオススメです。
武田塾ではリスニング目的というよりは、速読目的でシャドーイングやってもらってます。シャドーイングは、上記2冊が終わるまではスクリプト見ながら訳す練習。
上記2冊が終わったら、スクリプトなしで聞き取る練習もするといいでしょう。
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