こんにちは、武田塾岐阜校です。今回は、最近人気なデータサイエンス学部のお話です。
新設される所も増えてきているデータサイエンス系の学部ですが、
その中の1つで、2023年度から新設の
一橋大学
ソーシャル・データサイエンス学部
こちら、現在HPで総合問題のサンプルが公開されています!
https://juken.hit-u.ac.jp/sds/admission.html#i1-1
また、この問題の解説が2022年11月5日(土)にあるそうなので、一橋のデータサイエンス志望者は必見です!
https://juken.hit-u.ac.jp/admission/opencampus/
以下、自分も実際に各問題について考えてみました!参考まで!
追記:問題解説動画を確認する前に作成したものなので、解答違いの所は赤字で追記してあります。
2022/11/12追記:
オープンキャンパスにて問題の解説が行われました!動画が公開されていますので、要チェック!
大問1 ポアンカレのパンの逸話
ポアンカレ予想でご存知の方もいるかも。フランスの数学者で、ミレニアム問題で有名です。
「データ(ヒストグラフ)から読み取れることは?」という、データサイエンスらしい問題になっています。
(1)
④
(軽いパンが多いグラフは④だから)
解答例:③1000g以上のパンの数が少ないため
よく見たらヒストグラフの太さがそれぞれ違う・・・!
(2)
パンが1kgになるように作っている場合は、②のような正規分布(真ん中が盛り上がっている山のようなグラフ)になるはずだが、1kg未満に頻度が偏っている④のグラフになっているため
(3)
1kg以上のパンの頻度が高く、1kg未満の頻度が0に近いようなグラフ
(理由:重そうなのを毎回渡していた場合、小さいパンの頻度が②の正規分布より低くなると思われるため)
大問2 2台のスロットマシンの期待値
どのスロットマシンが良いか考える、というお話。(実は確率は、もともとギャンブルから生まれた分野です。)
問題は「期待値の検証の仕方と課題」がテーマ。データ検証の「方法」を考えさせる問題ですね。大問1よりも、こちらの方が難しい。
(1)
価値が期待値に近づかない。
(α=1だと、ポイントがそのままマシンの価値となってしまう。問題文の試行を例にすると、1回目で赤20、2回目で赤0になる。そのため、試行を重ねても、価値は期待値に近づかずに、価値=最後の試行で出たポイント となる。)
(2)
1回目の試行は赤で20ポイント
赤の価値は 10+0.3×(20-10)=13 (青は10のまま)
2回目の試行も赤で0ポイント
赤の価値は 13+0.3×(0-13)=9.1 (青は10のまま)
3回目の試行は青となる
(3)
片方のマシンばかり試行する可能性が発生する。
(例えば、最初に試行した赤の期待値が高い場合、1回目の施行後に赤の価値が高くなるが、その後も赤の価値が高止まりになると、青(価値10)の試行が行われる機会がなくなる。特に片方のマシンが、問題文で触れられている「期待値付近のポイントがよく出る」タイプだと、この不具合が発生しやすい。)
(4)
利点、少ない試行回数で期待値が高い方を予測できる
欠点、予測の精度が低いことがある
(理由:予測精度が初期設定に依存している所が大きい。価値だけでなく、αの設定やマシンのタイプによっても、片方のマシンに試行が偏る事がある。)
一応、利点欠点両方考えましたが、何か他にもありそうです。
解答例:
利点→序盤で結果が偏るような、本文手続きだとうまく対応できないパターンでも対応可能
欠点→途中での期待値の変化に対応不可能
どう答えても(3)の解答とちょっと被るなぁ・・・と思ってましたが、それでOKなようです。
欠点の方は、なるほど、と思いました!実践的!
大問3 囚人のジレンマ
有名なお話。囚人のジレンマとは「双方が最大限の利益を追求して合理的に判断すると、お互いに利益を得られない不幸な結果を生む」という面白い話です。
問題は「理論を理解し、社会現象についても考えてみる」感じになっています。ちょっと小論文っぽさもある問題です。
(1)
72点、74点、78点
(3回裏切る側が20回目で裏切ると点数差がつくが、それ以外は74点で同点となる)
(2)
裏切るプラグラム同士の対戦では、裏切り-裏切りが多く発生し、総獲得点が低くなるから
(しっぺ返しプログラムは裏切り系プログラムと比べると、裏切り-裏切りの発生が少なく、協力-協力の回数が多くなる。そのため、1回の対戦では相手には勝てないが、リーグ総当たりの総得点は裏切り系よりも高くなる。)
(3)
難しい。社会生活の中で「裏切ると当人だけ得する」「協力すればみんなが得するが、裏切るとお互い微妙に損する」「裏切りかどうかハッキリしない」ことか・・・。
えーと・・・神輿担いでる時に、自分だけちゃんと持たずに手添えてる人とか?
あ、コロナの発生時のマスク買い占める人とか!?
・・・なんか大喜利みたいな回答しか思い浮かばないです・・・。
いずれにせよ、ここから発生する社会問題としては、
・集団でのルールが機能しなくなる
・その集団全体の利益が小さくなる
などかなと思います。
10/16追記:
「(企業が)適正価格から一時的に値下げをして、売り上げを上げる」とかも「はっきりしない裏切り」に当てはまるかもしれません。
解答例:税金の無申告など
少し疑問に思ったのは、税金の無申告は「分かりやすい裏切り」という点。これは「裏切りかどうかハッキリしない」に当てはまらない事例では?と思いましたが、「裏切りかどうかハッキリしない=裏切りが気付かれにくい」という言い換えで考えればOKだったかもしれません。
とりあえず「みんながちゃんとルール守れば全体として得(利益)」という観点は、あった方が良さそうです。
一橋大学ソーシャル・データサイエンス学部の対策
各問題を見ていきましたが、
「データの読み取り」
「検証方法の検討」
「社会問題への考察」
と、幅広いタイプの問題が出ていました。
対策するならこれかな!と思う部分が幾つかあるので、ご紹介しておきます。
①数学B「確率分布と統計的な推測」
大問1、2では、数学Bの「確率と統計」範囲の知識がちょっと出ています。
(実は、自分も期待値や正規分布あたりだけ知ってます。)
一応、数学Iの「データの分析」だけでも解けるようにはなっていますが、数B確率と統計の知識もあった方が解きやすい!
なので、「初めから始める数学B」などで、確率と統計の基礎知識だけは入れておくのがオススメです!
②数学で色々試す癖を付けておこう
大問2,大問3のような問題は「見たことないよ!」と思うかもしれませんが、
これは知識を問う問題ではなく、「実際にやってみて、その場で考える」 問題です。
(大問2,大問3で値を求める小問がありますが、これは計算力を試す問題ではなく、「実際にやって試してみよう」という誘導が目的の問題です)
この「実際にやってみて、その場で考える」力を付けるためには、
普段の数学で、色々と試す癖を付けておく
のがオススメです!
「試す」というのがピンとこないかもしれませんが、
要は問題を解く時に「文字の所に数字を入れてから、検討してみる」ということです。
例えば、確率の問題で
サイコロをn回試行したときに、3以下の目がk回出る確率をPn(k)とする~
みたいな問題を見たことありませんか?nやらkやらが出てくる問題です。
こういう時に「とりあえずk=1で試してみるか」と、文字になってるところを数字にして、実際にk=1の時だとどうなるか書いてみましょう。そうすると、どういう解き方をすればよいか、わかる事があります。
こんな感じで、数学で色々試す癖を付けておくと、一橋の総合問題でも、「その場でやってみて、考える」ことが出来ると思います。
(今回のサンプル問題を解く時も、紙に色々なパターンを書いて、実際にどうなるかをかなり色々と考えています。
例えば、大問2のスロットなら、α=1で2~4回目の試行をやったり、期待値50でやってみたり、α=0.1でやったらどうなるかを紙に書いてます。)
なので、分かりやすく言えば「一橋大学の数学の問題が解ける数学力」があれば、この総合問題も解けるようになっているはず!
③考察問題対策
大問3ラストの対策は難しい・・・。題材の「囚人のジレンマ」は、大学の「ゲーム理論」という分野の話なので、ゲーム理論の簡単な入門書を読んでおくと、もしかしたらタメになるかもしれません。ただ、正直これだけはどう対策すればよいか、ハッキリと言えない。
なので、11/5のオープンキャンパスで大学の先生の解説を聞きましょう!
https://juken.hit-u.ac.jp/admission/opencampus/
OC詳細の公開は2022年10月中旬なので、みなさんお忘れなく!
追記:第3問ラストは、知識を問うというよりは「関心のある社会問題について」の問題だそうです。ちょっと安心!大学で扱う内容の把握が必要かと思いましたが、そうではありませんでした。詳しくは、オープンキャンパスの動画が公開されていますので、そちらでご確認下さい。https://youtu.be/fiiwm7BH_Ms
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