こんにちは!2023年3月開校!武田塾藤井寺校です!
みなさん、古文は好きですか?
古文は苦手・読みにくいと抵抗がある人も多いですが、本当は読み物としてもとても面白い学問です!
今回は少しでも古文への抵抗がなくなるように、試験問題にも出てくる面白い物語を紹介したいと思います。
みなさんが一度は見たことがあるであろう「源氏物語」「落窪物語」「伊勢物語」について詳しく説明していきます!
源氏物語
多くの方が教科書や参考書で出会う話だと思います!
作者は紫式部です。
ポラリスや多読トレーニングなど多くの参考書に掲載されています。
話の内容
話の内容は、簡単に言うとイケメンで恋多き主人公の光源氏があちこちで女性を口説きまくる話です。笑
昼ドラのようなドロドロした恋愛もありますし、相手の年齢も幼子から熟女まで様々です。
光源氏はただただ気が多いだけではなく、人のいいところを見つけるのがとても上手な人物です。
なので、光源氏が恋をする女性はみんなとても魅力的に書かれています。
光源氏の女性へのアピールの仕方も多種多様で読んでいて飽きません。
また、光源氏が好き勝手するだけではなく、不倫をした時には奥さんも光源氏を裏切ったりと、因果応報なシーンも多く出てきます。
後半になるにつれて、あの時の報いが…!となる場面が多くあってとても楽しめる内容になっています。
美しい文章
源氏物語が今でもここまで評価されている理由は内容の面白さだけではありません。そのひとつに文章の美しさがあります。
風景が思い浮かび、一気に引き込まれるような情景描写が特に素晴らしいと思います。
昔の人の四季を存分に楽しむ感性を綺麗な日本語で綴った文学なので、ぜひ原文にも触れてほしい作品です。
わかりやすい時代背景
話の内容は現代に置き換えて考えると何それ!?となることもありますが、実は源氏物語はこの時代の文化や生活様式もよくわかる物語になっています。
紫式部は宮仕えをしていました。宮仕えとは、宮廷で貴人の身の回りの世話をすることです。
ちなみに源氏物語は宮廷中で大人気でした。
そんな紫式部だからこそ、平安京での貴族の暮らしや文化をわかりやすく記すことができたのだと言われています。
また、源氏物語の中に出てくる手紙からも当時の文化が読み取れます。
手紙は内容はもちろん、選ぶ紙や香り、筆跡などから送り手のことがわかる日本らしく奥ゆかしい文化です。
現代でも世界に誇れる作品として知れ渡っているのも納得ですね。
落窪物語
落窪物語は、作り物語と言われるジャンルです。
日本版シンデレラだと思ってもらうと内容がすごくわかりやすいと思います。
作者は不明です。
こちらはポラリスなどに載っています。
話の内容
日本版シンデレラというだけあって、元々身分が高く美しい主人公「落窪の君」が、プライドの高く意地の悪い継母にいじめられます。
主人公は、畳の窪んだみすぼらしい部屋に住まわされていたことから落窪の君と呼ばれていました。
シンデレラの灰被り姫のような嬉しくない異名です。
落窪の君が受けるいじめの表現は過激なものも多いです。
個人的には継母への復讐がこの物語のミソだと思います。
いじめられていた落窪の君は貴公子に見初められハッピーエンド…
ではなく、なんと貴公子がいろいろな手を使って継母に復讐をするのです。
ちなみに最後はきちんと和解します。
このようなダークな王子様もなかなか見られないと思うので、ぜひ読んでほしい物語です!
ただこの貴公子はダークなだけでなく、一夫多妻制が当たり前だった時代にも関わらず、落窪の君一筋という王子様らしい一面もあります!
落窪の君もただ守られるだけでなく自分から行動を起こしたりと、魅力的なキャラクター像もこの話の特徴です。
後世に与えた影響
継子いじめという陰湿な内容が面白おかしく描かれている点や貴族生活を写実的に描いている点で、後世の物語に与えた影響は大きいです。
現実的・客観的叙述により構成の整った小説として、文学価値も高いです。
前述した源氏物語にも影響を与えたと言われています。
伊勢物語
伊勢物語も多くの方が授業で習ったのではないでしょうか?
こちらは「歌物語」というジャンルで、和歌が詠まれたエピソードが書かれています。
話のひとつひとつに主題歌のような和歌があり、短編集のような構成になっています。
昔の人はすぐ和歌を詠みますが、古文の中では、ラブレターのように和歌が出てくることが多いです。
作者は分かっていません。
古文読解多読トレーニングなどに載っています。
話の内容
主人公は「男」としか書かれていませんが、「在原業平」という実在した貴族の歌人をモデルにしたと言われています。
この主人公も源氏物語の光源氏と似たような恋多き男性です。
ちなみに源氏物語の方が後に書かれており、紫式部は伊勢物語の影響を受けて源氏物語を書いたという説もあります。
主人公の数々の恋愛や、旅の内容がオムニバス形式で綴られています。
試験では「東下り」や「芥川」などがよく出ている印象です。
その2点に絞って紹介していきます。
芥川
この話は、京に住んでいる主人公が身分の高い女性と恋に落ち、駆け落ちする話です。
ロミオとジュリエットみたいですね。
一緒に逃げているうちに雨が降ってきて、川のほとりで雨宿りをしようと蔵に女性を入らせるのですが、
蔵の中にいた「鬼」に女性が食べられてしまうという話です。
主人公は蔵の外にいて、雷雨もひどかったのでその騒ぎに気付きませんでした。
朝になって蔵を開けた時には女性はおらず、途方にくれて歌を詠みました。
全然ロマンチックじゃないですね…。
この「鬼」というのは女性の親族で、女性が見つかって連れ戻されてしまったといわれています。
この駆け落ち事件のせいで主人公は京で肩身が狭くなってしまいます。
この話に出てくる和歌はとても美しく儚い表現がされています。
露が消えるように私も死んでしまいたい、という主人公の悲哀が感じ取れる歌になっています。
東下り
前述した芥川で京での主人公の立場が危うくなったので、都から出て東国へ旅をする話です。
気の置けない友人1,2人とともに出発するのですが、
ことあるごとに京の都に残してきてしまった妻や彼女のことを思って涙します。(一夫多妻制の時代です。)
かきつばたや雪、鳥などを見て、残してきた女性のことを思い歌を詠んでは泣く…という話です。
昔の人は感性が豊かで自然を重んじるので、美しい風景を見ると感慨深げに歌を詠みます。
「旅の途中で綺麗な花を見て思い出したけど、おいてきてしまった奥さん元気かな…」みたいな内容です。
また、この時代は男性でも結構すぐに泣きます。笑
泣いているのも主人公だけでなく、友人もただ歌を聞いていただけの人ですら泣いてしまいます。
周りの人は何で泣いているんだろう…と思う方もいるのではないでしょうか。
現代の感覚ではつかみづらいかもしれませんが、感動!いい歌だね!くらいの感情だと捉えるとわかりやすいと思います。
伊勢物語を通してこの時代の人たちの感性が読み取れるのも、この話が評価されている理由の一つと言えます。
まとめ
今回は古文が苦手な人にも、そうじゃない人にも古文という学問を少しでも楽しく勉強してほしいと思い、物語を3つ紹介しました!
古文はあまり馴染みのない文体ですし、今とは違う文化でなかなか頭に入ってこないと思うかもしれませんが、
日本語の美しさ、四季の美しさが存分に感じられます。
最初は現代語訳を読むだけでもいいので、ぜひいろいろな話に触れてみてほしいと思います!
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