受験生の皆さん、こんにちは。
武田塾淵野辺校講師の早坂と申します。
今回のブログのテーマは「長期記憶」です。
武田塾が提唱する暗記方法といえば、勉強する範囲を区切り、そこの範囲を完璧にできなければ先には進めない方法を採用しております。そしてペースとしては4日進んで2日戻るという、武田塾を認知している受験生の方であれば既にご存知であろう勉強方法です。
しかし、長期記憶について調べてみると世の中にはたくさんの暗記方法が存在します。
今回は科学的な根拠をもとに、長期記憶について深掘りをするというテーマで執筆していきます！
この記事を読んで、より長期記憶に対する理解を深めていただければ幸いです。
それでは早速いきましょう！
忘却曲線とは
出ました。忘却曲線です。正直、長期記憶を語るのであればこの存在は無視できません。今一度この忘却曲線という概念をおさらいしてみませんか？
忘却曲線とは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した記憶の時間経過とともに忘れる傾向を示す曲線のことです。
この曲線は、情報を学習した後、時間が経過するにつれて記憶が減衰することを示しています。忘却曲線を活用した暗記方法は、この減衰を最小限に抑え、記憶の定着を促す方法です。
具体的な忘却曲線に基づく暗記方法を、以下において英単語を例に紹介します！
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学習: 新しい情報を学びます。例えば、英単語を覚える場合、意味や用法を理解し、覚えるための準備をします。
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アクティブリコール: 学習した情報を主体的に思い出します。たとえば、学習した単語の意味や例文を頭の中で思い浮かべるなどのアクティブな思考を行います。
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忘却曲線に基づいた復習: アクティブリコールの後、忘却曲線に基づいた復習スケジュールを作成します。忘却曲線によれば、情報を学習してから一定時間が経過した後に復習することで、記憶の定着を促すことができます。具体的には1日後→3日後→1週間後→2週間後→１ヶ月後... といった具合です。
忘却曲線に基づく暗記方法は、効率的な学習と記憶の定着をサポートする科学的な手法です。忘れる前に復習することで、記憶の効果的な活性化を図ります。
とにかく、忘れる前に復習をすることが大切なのです。
完全に忘れてしまっては、該当範囲は復習ではなく、初見の範囲となってしまいます。そうなればまた勉強時間を要します。非効率です！
忘却曲線を意識しながら、適切なタイミングでの復習を行い、長期的な記憶の定着を図ることが重要です。
とにかく、忘れる前に思い出す。その具体的なタイミングを、この忘却曲線は示してくれているのです。
スパシング効果
次にスパシング効果という概念を紹介します。今回、私は当ブログを執筆するにあたり事前準備として長期記憶について調べていましたが、そこで初めて知った概念でした。それをブログで受験生の皆さんに紹介すべく、今回取り上げさせていただきます！
スパシング効果（Spacing Effect）は暗記において、複数の学習セッションを時間的に分散させることで、長期記憶の定着を促進する現象です。つまり、一度に大量の情報を詰め込むのではなく、複数の短い学習セッションに分けて学習することが効果的な方法です。
具体的な例を挙げると、英単語の学習においては、以下のようにスパシング効果を活用します：
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学習セッション1: 最初に10個の単語を学習します。例えば、「apple」、「banana」、「car」など。
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学習セッション2: 24時間後、学習セッション1で学んだ10個の単語を復習し、さらに10個の新しい単語を追加して学習します。
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学習セッション3: 再び24時間後、学習セッション1と2で学んだ単語を復習し、さらに新しい単語を追加して学習します。
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以降の学習セッション: 同様に、一定の間隔を空けつつ、復習と新しい情報の学習を繰り返します。例えば、1週間にわたって毎日少しずつ学習する場合、毎日10個の単語を復習しつつ、新しい単語を追加して学習します。
学習セッションの間に一定の時間を置くことで、脳は学習内容を再度処理し、保持強度が高まると考えられています。また、スパシング効果により、学習内容が長期記憶に定着しやすくなるという実証的な研究結果もあります。
こちら、武田塾流の勉強法と通ずるところが大いにあります。
しかしこのスパシングの決定的なポイントとして、既習範囲を全て復習しているところにあるでしょう。
既習範囲は忘れかけるということをも許さないぞという気概が試されますね。
実はこのブログの執筆者も、無意識にスパシングを行なっておりました。一度勉強した範囲が忘れてしまうことがストレスに感じてしまい、1日の勉強時間は基本的には復習の比重が多かった日も珍しくありませんでした。
こちら、日々の学習量が少量であれば合理的でしょう。しかし、大学受験という膨大な範囲かつ約一年という勝負においては、ペースが遅すぎるという事態に陥ってしまう可能性も拭えません。
時間に余裕がある高１、２の学年の方はぜひ取り入れるべきことだと思われます。しかし受験生の年であるならば、多少忘れかけてしまうのは上等で、その都度復習し思い出すことで、最終的には長期記憶に持っていくぞ！というマインドの方が望ましいのかもしれません。
まとめ
今回、長期記憶について
・忘却曲線
・スパシング効果
の2点を紹介いたしました。私自身、とても興味深いトピックではありました。
どういった学習方法を採用するのかは、志望校とご自身の現状の実力、そして残された時間を考慮して判断するのがいいでしょう。
もしも忘却曲線に則った復習ルーティンを組みたい！と望むのであれば、個人的にはAnkiというアプリを推奨したいです。
こちらのアプリは少し高級な価格ではございますが、長期記憶のためのペースメーカーとしては絶大な効力を発揮してくれること間違い無いでしょう。
ぜひこちらのアプリについて調べてみてはいかがでしょうか。
さて、今回のブログは以上で終わります。
最近は本当に本当に暑くてかないませんね。水をしっかり飲んで、体調にも気を配りながら受験勉強に励んでください。応援しております！
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