受験生の皆さん、お疲れ様です。武田塾淵野辺校講師の川上です!
これから本格的に寒くなってくる時期ですが、受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
この時期は寒さからついダレてしまう時期でもありますが、部屋を暖かくしたり休憩時間に温かい飲み物を取るなどして、受験生の皆さんには工夫して勉強を頑張ってほしいと思います。
さて、今回は国語における漢字と語彙の暗記の重要性について、それをするメリットを交えながら解説していきたいと思います。
漢字と語句は基本的には暗記物で、どの時期にやっても非常に効果的なものなので、受験直前期の浪人生、高3生、受験まで時間的に余裕がある高2、高1生問わず、国語を使う受験生の皆さんには是非最後まで読んでいただきたいと思います。
〔その①〕そもそも、漢字と語彙の勉強とは?
まず初めに、漢字と語彙の勉強とは具体的に何を指すのでしょうか。
この二つの内でほとんどの受験生にとって想像が付きやすいのは漢字だと思うので、
まずは漢字の勉強について解説します。
漢字の勉強とは
漢字の勉強とは何か、この問いの答えはもちろん、なんと言っても漢字を覚えることです。
基本的には「漢字マスター1800+」などの漢字の参考書で勉強を進めます。
しかし、ただ漢字を覚えれば良いというものでもありません。
漢字には覚えるべきことが大きく分けて「書き」「読み」「漢字の語句の意味」の3種類あり、複数あり、それぞれをバランス良く覚えなければ効果的な学習にはなりません。
入試問題においては基本的にひらがなで書かれた「読み」を「書き」の形に直すという
書き取り問題の形式で漢字が出題されるため、最重要なのは「書き」と「読み」になります。
そのため、「漢字の語句の意味」は軽視されがちですが、語句の意味を理解していないと
漢字は異なるが同じひらがなを持つ「同音異義語」の書き取り(例えば「正確」と「性格」など)ができなくなったり、語彙力が身につかないといったデメリットがあるため、漢字の語句の意味も覚えることが重要です。
語彙の勉強とは
次に語彙の勉強の内容ですが、これは受験の現代文においては「漢字における語句の意味」+「現代文キーワード(単語)」と考えることができると思います。
基本的には、上記の2つを理解・暗記して語彙力を身につけるのが語彙の勉強になります。
こちらは主に「ことばはちからダ!現代文キーワード」「現代文キーワード読解」などの現代文キーワードの参考書と漢字の参考書を使用して学習します。
語彙の勉強で覚えるべきことは大まかに分けると①「キーワード」②「キーワードの意味」③「キーワードが持つ文化的背景」になります。
入試において直接問題として問われがちなのはキーワードの意味を選ぶ選択問題なので、受験生は①、②を覚えるのに集中して③は軽視されがちですが、③は現代文の文章の理解度を上げるために必須の知識であり、
とても重要なものです。(これに関しては後述します)
〔その②〕漢字、語彙の勉強をするメリット
続いては、漢字、語彙の勉強をするメリットを紹介していきたいと思います。
この2つを勉強すると受験だけでなく日常生活の中でも様々なメリットがありますが、
今回はその中でも受験において特に効果があるものに絞って解説していこうと思います!
直接問われる問題があり、安定した得点源にできる
まず最初は、直接得点に結びつく問題が出るという点です。
共通テストにおいても毎年配点10点で漢字問題が出されていますし、
国公立の2次試験においてもほとんどの大学で漢字の書き取りを課しています。
私大などでは語彙の意味を聞く問題が出題される大学もあります。
配点は文章の内容を問う設問と比べると少ないですが、漢字・語彙の問題はしっかり覚えてさえいれば試験本番のコンディションに関わらず必ず得点できるため、安定した得点源にすることができます。
また、入試では合格最低点スレスレのところにいる層が1番多いと言われているため、
漢字・語彙の問題の数点が取れるか取れないかで合格・不合格が決まることも十分に考えられます。
読解力が身につく
次に、漢字や語彙の勉強をすることは読解力の向上にも繋がります。
現代文で難しい評論文の読解ができなくで悩んでいる受験生は多いですが、
その原因の一つとして考えられるのが「キーワードの理解の不足」です。
そもそも、評論分の文章には現代文の代表的なキーワードが多く使われています。(例えば「抽象」「具体」、「自然」「本質」など)
したがって、キーワードの理解が不十分だと、そのキーワードが含まれている部分を理解することも難しいです。逆に言うとキーワードの意味をしっかり理解していると、文章の中で理解できる部分が徐々に増えていきます。
また、先ほど語彙の勉強の解説で触れた「キーワードの持つ文化的背景」まで知っているとそのキーワードが持つ代表的な論点・テーマをあらかじめ理解することができるため、似た内容の文章の理解度を一気に上げることができます。
たとえば、現代文には「科学」、「神」というキーワードがあります。
これらはほとんどの語彙の参考書に載っていますが、その文化的背景に注目すると、
『中世まで世界で絶対視されていた「神」の立場が、近代の「科学」の出現によって脅かされ、その対立が深まった』というテーマがあることが分かります。
これは現代文における代表的なテーマなので、これを知っていると科学の是非を論ずる文章、宗教と人類の関わりに関する文章、科学と宗教の違いに関する文章など、「神」と「科学」に関する様々な文章の理解度を底上げすることができます。
このように、漢字・語彙の勉強は現代文の読解力を効率よく上げるのに役立ちます。
まとめ
漢字や語彙の勉強は現代文の学習の中では比較的地味であり、軽視する受験生も少なくないですが、
コツコツ覚えていくことで現代文の力をバランスよく上げていくことができます。
漢字の書き取りや語句問題の正答率が上がるだけでなく、読解の頻出テーマを知ることも出来るので、個人的には漢字と語彙は現代文における縁の下の力持ちのようなものだと考えています。
入試本番までの時間に余裕がある方もない方も、少しでも多く漢字・語彙を勉強して、効率良く現代文の力を培ってほしいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました!