「大学受験を決めたけれど、国公立大学と私立大学ではどのような違いがあるの?」
「自分が本当に向いているのはどちらのタイプ?」
進路選択において大学受験を考え始めたときに、このような疑問を持った経験はありませんか?
この記事では、一般的に知られる費用面でのメリット・デメリットだけでなく、試験形態の違いや受験科目についても解説しています。
大学受験で志望校選びを迷っている人は、この記事を読んで、それぞれの違いを把握するところから始めてみましょう!
国公立大学と私立大学の特徴
大学受験を決めた場合、「国公立大学」と「私立大学」のそれぞれの違いがわかるでしょうか?
まずは、国公立大学と私立大学の違いをお伝えします!
国公立大学とは
国公立大学とは、国立大学と公立大学を合わせた総称です。
大学名だけでは、判断できないこともありますが、大学名の前に「国立大学法人」という名称がついている大学は、すべて国公立大学だと考えていいでしょう。
誰もが思い浮かぶ国公立大学としては、「東京大学」や「京都大学」「一橋大学」などが、戦前からの国公立として有名です。
また、公立大学は、地方公共団体や公立大学法人などによって運営されている大学を指します。大学の運営主体が行政機関である点は国立大学と共通していますが、より地域に密着にした大学であると言えるでしょう。
首都圏であれば、「東京都立大学」、関西圏であれば、「大阪市立大学」が地域に根差した公立大学として有名です。
国公立大学の数
令和4年の調査によれば、国立大学の数は86校、公立大学の数は99校です。
国立大学の設置数は、ここ最近変化はありませんが、公立大学は令和になってから少しずつ増えてきています。
私立大学とは
一方、私立大学は学校法人や株式会社を運営主体とした大学です。
「早稲田大学」や「慶応義塾大学」、「青山学院大学」などが幅広く知られており、「学校法人」の名称がついていれば、まず間違いなく私立大学です。
また、株式会社が運営主体となっている大学としては、ソフトバンク系列のサイバーユニバーシティ株式会社が運営する「サイバー大学」が代表的だと思います。
私立大学の数
私立大学の数は、令和4年の調査によれば、620校です。
平成2年の時点では、「372校」でしたが、平成16年の大学制度の見直し以降は、緩やかな増加に転じています。それでも国公立大学の185校と比較すると、私立大学の数はかなり多いといえるでしょう。
国公立大学と私立大学のメリット
学費
大学受験において、まず大きな違いがあるのは「学費」でしょう。
国立大学の学費は、省令により下記の金額に定められています。
授業料の年額:535,800円
入学費:282,000円
また、公立大学は学校ごとに学費が異なりますが、おおむね国立大学費用に準じて、535,800円に設定されています。
一方で、私立大学の平均の学費は、下記の通りです。
授業料の年額:904,146円
入学料:249,985円
このように国立大学と私立大学では、年間学費だけに注目しても大きな違いがあります。
また、私立大学では「施設利用費」なども求められることが多いので、大学に進学したいけれど費用の面が気になる場合は、学費だけでなくその他諸費用まで含めてしっかり確認しましょう。
受験科目
受験科目数も、国公立大学と私立大学では大きく異なります。
国公立大学
国公立大学では、「共通テスト」を実質的な一次試験として利用できます。
志望校の国立大学によっては若干科目数に上下幅がありますが、理系・文系を問わず5教科7科目の受験が義務付けられているのが一般的です。科目の選び方は「国」「数」「英」といった主要3科目に加えて、二次試験の受験科目とのバランスなどを考慮しながら「理科」「社会」の受験科目を決めることが多いでしょう。
私立大学
私立大学は、「国」「数」「英」といった組み合わせもありますが、「文系」「理系」という概念に合わせた受験科目が設定されているのが基本です。
早稲田大学法学部を例にすると、一般入試科目は、「国語」「外国語」が必須、「地歴」「公民」「数学」のいずれかを選択する形式です。また、同大学の基幹理工学部では、「数学ⅠA~数学Ⅲ」「理科」「外国語」という具合に、必ずしも5教科に網羅している必要はありません。
共通テスト利用の入試制度を導入している私立大学も増えていますが、その場合も全部の科目を受験しなくても良い場面があります。一般的に、国公立大よりも私立大学の方が受験科目が少ないと言えるでしょう。
試験形態
国立大学と私立大学では、試験形態も大きく異なります。
国公立大学
一般入試を念頭に置いた場合、全員が1月中に実施される共通テストを受験します。その後、国公立大学の二次試験は志望大学や学部に合わせて「前期日程」「中期日程」「後期日程」のみの受験しかありません。
これらの日程は全国ほぼ一律であり、最大でも3回しか受験のチャンスがないので、実力発揮のピーキングなどにも注意が必要です。
さらに、国公立大学の医学部や難関大学においては「予備選抜」を導入してるしている学校がほとんどです。
共通テストで一定の成績を収めていない場合は、二次試験に進む前に不合格となってしまう場合もあります。
受験科目数の多さやチャンスの少なさ、予備選抜などを考慮すると、国立大学入試を受験するには入念な準備が必要となってきます。
私立大学
一方私立大学は、同じ大学・学部であっても「共通テストの利用」や「複数の試験日程」を導入しているなど、試験制度が豊富というメリットがあります。
共通テストを利用した入試制度は近年多くの私立大学で導入されるようになりましたが、他にも大学教育レベルの英語の実力を証明する「TEAP入試制度」などを取り入れている学校もあります。
資格を評価対象とみなす制度は一部の国公立大学でも導入されていますが、やはり私立大学の方が利用数は圧倒的です。私立大学の方が、実業系高校の出身者などでも受験チャンスが得られやすいと言えるでしょう。
難易度
共通テストの後の二次試験においても、国公立大学と私立大学ではそれぞれ特色があります。
国公立大学は記述問題を中心に出題されるのに対して、私立大学では記号問題だけで出題する傾向にあります。記述問題はカンで答えることはできないので、このことだけを取り上げても国公立大学の方が難易度が高いと言えるでしょう。
さらに国公立大学を受験するには共通テストが実質的な一次試験であることは既に触れましたが、予備選考を導入していなくても、共通テストで6割~8割は得点できていないと受験に失敗するケースがほとんどです。
国公立大学と私立大学どっちを目指すべき?
どちらが向いているか人によって異なる
どちらを目指したら良いのかは、「受験生本人がどのような目的で大学を目指したいのか」「家庭の経済事情に適合したものなのか」などを考慮して、決めるべきでしょう。
例えば、医学部受験を考えていたとしても、私立の医学部に進学した場合は6年間分の学費だけでもかなりの額になってしまいます。この場合は、できるだけ安い学費で勉強できる国公立大学の医学部を目指すことになると思われます。
一方で、「さまざまなサークルに入りたい」「就活のサポートが欲しい」など人間関係を重視したキャンパスライフを望んでいるのであれば、私立大学が適していると言えます。
志望大学の決め方
ある程度学びたい方向性が決まっているのならば、志望大学を決める際には「学部」「学科」「コース」の順で決めましょう。
時々、大学の名前のブランド力に惹かれて受験する大学を決めてしまう人もいますが、選んだ学部が自分が勉強したい内容とかけ離れていたら学習意欲が下がってしまうのは目に見えてわかります。
また、複数の大学が志望校の候補になった場合、学部や学科の名称が同じであってもどのような授業を行っているのか、名称だけでは具体的なイメージをつかみにくい場合もあります。
その場合はオープンキャンパスなどで直接大学に訪問することで志望校選択の手助けになります。
文系か理系か
漠然と「大学に行きたい」というレベルであれば、まずは「文系」「理系」のいずれかを選択しましょう。
国公立大学や私立大学を問わず、どちらを選択するかで受験のときに必要な科目数や種類は大幅に変わります。早目にコースを決めておけば、たとえ苦手科目があったとしてもコツを抑えてある程度得点を伸ばすゆとりが生まれるでしょう。
「数学が苦手だから文系にしよう」というようなノリで選択してしまうのも考えものです。文系・理系を選択することによって、その延長上にある職業の選択肢も自ずと変わってくるということも念頭に置いてください。
例えば、文系の学科に進んだにも関わらず、就職先に研究所などを考えていたのならば、理系の基礎知識がないことで不利になります。
このように、自分の将来や興味のある学問分野が、文系向きなのか理系向きなのかを考慮してから、コース選択をしましょう。
まとめ
国公立大学と私立大学の特徴
国公立大学とは、国立大学と公立大学を合わせた総称です。
また、公立大学は、地方公共団体や公立大学法人などによって運営されている大学を指します。大学の運営主体が行政機関である点は国立大学と共通していますが、より地域に密着にした大学であると言えるでしょう。
首都圏であれば、「東京都立大学」、関西圏であれば、「大阪市立大学」が地域に根差した公立大学として有名です。
令和4年の調査によれば、国立大学の数は86校、公立大学の数は99校です。
国立大学の設置数は、ここ最近変化はありませんが、公立大学は令和になってから少しずつ増えてきています。
一方、私立大学は学校法人や株式会社を運営主体とした大学です。
「早稲田大学」や「慶応義塾大学」、「青山学院大学」などが幅広く知られており、「学校法人」の名称がついていれば、まず間違いなく私立大学です。
私立大学の数は、令和4年の調査によれば、620校です。
平成2年の時点では、「372校」でしたが、平成16年の大学制度の見直し以降は、緩やかな増加に転じています。それでも国公立大学の185校と比較すると、私立大学の数はかなり多いといえるでしょう。
国公立大学・私立大学のメリット
大学受験において、まず大きな違いがあるのは「学費」でしょう。
国立大学の学費は、省令により下記の金額に定められています。
授業料の年額:535,800円
入学費:282,000円
また、公立大学は学校ごとに学費が異なりますが、おおむね国立大学費用に準じて、535,800円に設定されています。
一方で、私立大学の平均の学費は、下記の通りです。
授業料の年額:904,146円
入学料:249,985円
このように国立大学と私立大学では、年間学費だけに注目しても大きな違いがあります。
また、国公立大学では、「共通テスト」を実質的な一次試験として利用できます。
私立大学は、「国」「数」「英」といった組み合わせもありますが、「文系」「理系」という概念に合わせた受験科目が設定されているのが基本です。
どちらを目指すべき?
どちらを目指したら良いのかは、「受験生本人がどのような目的で大学を目指したいのか」「家庭の経済事情に適合したものなのか」などを考慮して、決めるべきでしょう。
ある程度学びたい方向性が決まっているのならば、志望大学を決める際には「学部」「学科」「コース」の順で決めましょう。
大学の名前のブランド力に惹かれて受験する大学を決めてしまう人もいますが、選んだ学部が自分が勉強したい内容とかけ離れていたら学習意欲が下がってしまうのは目に見えてわかります。
自分の将来や興味のある学問分野が、文系向きなのか理系向きなのかを考慮してから、コース選択をしましょう。