みなさん、こんにちは!
JR嵯峨野線、円町駅から徒歩2分の場所にある、武田塾円町校です。
今回のブログは、社会の新課程に関する内容です。
対象は、「社会の新課程とは、そもそも何かわからない!」という方や、「以前の課程と何が同じで何が変わったのかがわからない!」という方にピッタリの内容となっています。
このブログでは、社会の新課程に関する情報ーーたとえば、「歴史総合」と「探求科目」ーーはもちろんのこと、共通テストや国公私立大学別の対応の違いなどもあわせてお話していこうと思います。
さらに「歴史総合」と「探求科目」の勉強のコツも把握しておきたいという方は、下にある「関連記事」のうち、『【新課程】歴史総合の勉強法および対策を徹底解説!』もぜひご参照ください。
それでは、本ブログの内容に入っていきましょう~!
↓参考動画↓
1. 旧課程と新課程の違い(社会)
名称の変更
社会における、「旧課程」と2025年度入試から出題が始まる「新課程」の違いとして、科目の名称が変更されたことがあげられます。
地理
旧課程 | 新課程 |
地理A | 地理総合 |
地理B | 地理探求 |
地理は、科目の名称が変更となったのみで、大きな変化はありません。
歴史
旧課程 | 新課程 |
日本史A, 世界史A | 歴史総合 |
日本史B | 日本史探求 |
世界史B | 世界史探求 |
地理とは対照的に、これまで日本史と世界史という風に区別されてきた歴史分野は、科目名称が変わったと同時に、内容も変更になる部分があります。
内容に関する大きな変更点として、「歴史総合」があげられます。
「歴史総合」とは、日本史と世界史の近現代をまとめたものであるといえます。「歴史総合」と「探求」の内容を簡単にまとめると、以下の表のようになります。
歴史総合 | 探求 | ||
日本史探求 | 世界史探求 | ||
内容 | 日本史、世界史の近現代が合体した内容 | 従来の日本史B | 従来の世界史B |
この「歴史総合」に関しては、下記で詳しくお話しするように、共通テストでの出題は確定している状況ですが、国公私立大学の二次・個別試験においては、出題に関する対応が分かれています。
公民
旧課程 | 新課程 |
現代社会 | 公共 |
倫理 | 倫理(変更なし) |
政治・経済 | 政治・経済(変更なし) |
公民に関しては、倫理と政治・経済に関しては、名称および内容ともに大きな変化はありません。
しかし、現代社会は名称が「公共」に変更となります。
社会全体(地歴・公民)にかかわる変更
以上で、社会の科目(地理・歴史・公民)の旧課程と新課程の共通している部分と異なっている部分を確認しました。
それぞれの科目ごとの変更点を確認したうえで、社会全体にかかわる変更点を確認しておくと、
「地理総合」「歴史総合」「公共」の3科目に関しては、新課程下の全高校生は履修が必須になるということです!
2. 変更に伴う入試別の「ややこしさ」
本章、「2. 変更に伴う入試別の『ややこしさ』」では、社会における旧課程と新課程の違いを、共通テストと国公立大二次試験・私立大個別試験の二つを例にあげながらお話していきます!
共通テスト
地理
変更点なしのため省略
歴史
旧課程下の共通テスト | 新課程下の共通テスト |
日本史B | 「歴史総合、日本史探求」 |
世界史B | 「歴史総合、世界史探求」 |
共通テストの歴史に関して、上の表の内容を言語化すると、
これまでの「日本史B」は、「歴史総合、日本史探求」になる
これまでの「世界史B」は、「歴史総合、世界史探求」になる
ということです。
すなわち、日本史を選択した受験生が共通テストを受験する場合、「歴史総合」を含む大問においては、世界史の要素が入ってくるということになります。
また、世界史を選択した受験生が共通テストを受験する場合、「歴史総合」を含む大問においては、日本史の要素が入ってくるということになります。
公民
旧課程下の共通テスト | 新課程下の共通テスト |
現代社会 | ×(※倫理、および政治経済と合体) |
倫理 | 公共・倫理 |
政治経済 | 公共・政治経済 |
倫理・政治経済 | × |
共通テストの公民に関して、上の表の内容を言語化すると、
現代社会は、「公共」になったものの、共通テストでは倫理、あるいは政治経済と「公共」が合体した試験が作成されることになります。
すなわち、従来の現代社会に相当する「公共」単独での出題はないということになります!
イメージとしては、「現代社会+倫理」、「現代社会+政治経済」のようなイメージです。
また、従来の「倫理・政治経済」は、新課程への移行とともになくなります。
よって、これを選択しなければならなかった大学の受験生の負担は減ることになります!
"社会オールスター”の登場!
さいごに、新課程下の共通テストの社会においては「地理総合・歴史総合・公共」という三つを混ぜた科目もあります。いわゆる、"社会オールスター"です。
しかし、重要なことは、この中から2分野を選択して、受験することです。
また、内容は薄いものの、単純にほかの社会の共通テストの試験よりも、学習内容が2倍になり、負担が増えてしまうため、選択しない方が無難です。
国公私立大学の二次試験・個別試験
以上では、共通テストにおける、旧課程と新課程との共通性と差異を見てきました。
次にご紹介するのは、国公私立大学の二次試験・個別試験における対応を見ていきます。
結論から述べると、とくに日本史に関しては、大学ごとに「歴史総合」を含む問題を出題するのか、それとも「探求」のみを出題するのかで分かれています。
国公立大学
私立大学
※ただし、立命館大学は、「2025 年度入試の出題範囲から『歴史総合』を削除し、それぞれ『世界史探究』『日本史探究』のみとする」と、変更している(2024年1月15日発表)。
3. まとめ
このブログでは、新課程の社会が、旧課程の社会と何が変わって、何が変わっていないのかということ、また、共通テストと国公私立大学の入試で具体的にどのような対応が実施されているのかご紹介しました。
内容を簡潔にまとめると以下のようになります。
・旧課程と新課程の社会では、名称の変更があり、また新課程で新たに履修が必修となっているものがある
・共通テスト、および国公私立大学の二次試験・個別試験において、従来のやりかたを踏襲する点と変更点がある
・とくに、歴史においては、大学ごとに「歴史総合」を含む大学と「探求」のみの大学がある。
さらに、新課程の社会に関して、「歴史総合」と「探求」の優先順位や、まず最初に取り組むべきことを知りたい方は、「関連記事」の一番上にあるブログ『【新課程】歴史総合の勉強法および対策を徹底解説!』もぜひご参照ください。