部活動は友達と一緒に汗を流して絆を深め合い、お互いに競い合い、高め合うことができる学生生活でしかできない貴重な経験の一つです。大学進学を考えている受験生の皆さんにとって、部活動に入り、放課後の練習や週末の練習試合、大会などに本来勉強すべき時間を費やさなければいけないことを考えるとなかなか受験勉強との両立は難しいものです。受験のために部活を諦めるか、それとも勉強と部活を両立するか、その判断は誰もが容易にできるわけではありません。塾や予備校に通いながら部活を続けるのは可能なのでしょうか。そもそも塾に通い受験勉強に力を入れることと部活動を続けることに相互関係はあるのでしょうか。武田塾チャンネルに寄せられたそれらの質問をもとに、一緒に塾と部活の両立について考えていきましょう。
部活を辞めれば勉強が上手くいく?
部活と大学受験の相互関係
まず、部活動に入っていることによって受験勉強に何らかの影響があるのか考えていきましょう。「部活もろくに続けられない人が、受験でうまくいくわけがない」、このような意見をもっている学校の先生方も実際にいるのが現実です。つまり途中で部活を辞めるような中途半端な気持ちを持った人間が受験で成功するはずがない、という考えは正しいのでしょうか。
ずばり、部活動と大学受験の相互関係はほとんど皆無です。というのも部活動を真面目に続けたからといって合格できるわけではないからです。
しかし、部活をやめたからといって本当に志望校合格のために必死に勉強するようになるのでしょうか。武田塾教務の中森先生曰はく、人間は誰しも何かから解放された瞬間にだらけてしまう傾向があるので、必ずしも全員が空いた時間を受験勉強に費やすわけではありません。結論として部活に入っているか否かにかかわらず、最終的に勉強をきちんとやることができる人が受験に成功するのです。
それでも部活をやめるか、それとも続けるか悩んでいる方は、現状で最大限時間を有効活用でき、なおかつ退部することでさらに勉強時間を確保できると確信しているのであれば、部活をやめて受験勉強に専念するというのも一つの選択肢です。
受験優先の為に部活はやめるべき?
迷っているなら部活を優先!?
「文武両道、部活と勉強を両立する!」という目標を掲げて精進することは素晴らしいことですが、実践するとなるとなかなか難しいですよね。特に運動部や強豪チームのメンバーなどは、仮に両立しようと頑張る意思はあっても毎日のハードな練習や大会などがあり、体力面で身体が簡単についてこないこともあるでしょう。そのため、部活動に所属している間はそれだけに専念し、引退した後にしっかり頭を受験モードの切り替える、もしくは何としてでも部活を続けながらなんとか両立しようと努力する人もいる事でしょう。
人それぞれ進路や学習状況も異なるため、どの方法が正しいと判断することはできません。しかし、現に部活動に所属している学生で悩んでいる方がいるのであれば、ずばり部活を優先させるべきです。というのも、部活と受験勉強の両立に関して悩んでいる時点で、自然と部活を優先させているからです。ここで重要なことは、「部活と受験どちらを取るか」ということではなく、「部活しながら受験勉強はできるのか」ということが問題の本質になります。
つまり考えなければならないことは、部活をしながら受験勉強の時間をどれだけ確保できるか、ということになります。確かに部活動を続けながら受験勉強をするのは大変です。しかし、例えば通学の電車の中や、授業の合間、合間、もしくは内職などをしていかにスキマ時間を有効活用できるかが重要となってきます。長時間勉強をする時間が取れないのであれば、短時間で済ませることができる勉強を集中してしっかりやりましょう。
学校のテストのクオリティを維持できるレベルになろう
スキマ時間を見つけながら勉強時間を確保し、部活と受験を両立しようと考えてもなかなか簡単にできるものではありません。しかしそのような受験生にオススメな勉強方としては、学校の定期テストを受ける際に受験本番を見据えながら勉強することです。そのレベルを本番まで維持できれば、効率よく学習を進めることができます。
結局は何を優先させるか、それは人それぞれなのでしっかりとした意志を持って何事にも取り組むことが大切です。
引退してからでも間に合う?
合格するかは自分次第!!
多くの部活、特に運動部の場合、一般的に受験生と呼ばれる高校三年生になった春、夏ごろに最後の大きな大会が終わり引退を迎えるのが普通です。その後に入塾して本格的に受験モードに切り替える人も少なくないですが、高校一年生から学習塾や予備校に通っている人に比べると大きなハンデがあるように思われます。しかしそのタイミングで受験勉強を始めて本当に間に合うのでしょうか。
ずばりその答えは本人次第です。武田塾の過去の生徒さんの中にも、実際に部活動を引退した後に全力で勉強した結果、見事難関大学に合格できた人もいる一方、塾に三年間みっちり通っていたのにも関わらず合格できなかった、という生徒さんもいます。
たとえ部活を引退してから受験勉強を始めたとしても、残された時間を最大限に有効活用できれば大学受験に間に合うのです。
結論
以上で、受験勉強と部活動の関係について紹介してきましたが、結論から言うと、塾と部活の両立は可能です。受験のために部活動を辞めるべきか、という議論に対しては、部活を辞めなくても受験に成功している学生がいる一方で、部活を辞めて勉強の時間を作っても失敗している例もあるため、部活と受験に直接的な関係はないといえます。しかし部活に所属しているか否かにかかわらず、最後に受験に成功するカギは自分の強い意志です。たとえどんなにハードな部活に所属していても、ちょっとした空き時間に効率よく勉強する時間を確保し、志望校に合格する人もいれば、時間が有り余っているのにもかかわらず、だらだらとした生活を送っていたために落ちてしまう生徒もいます。結果、塾と受験勉強の両立という議論ではなく、自分の意志が志望校合格のための最大のカギとなるでしょう。