大学受験の自己PRは総合型選抜や学校推薦型選抜、また大学受験の二次試験として実施されており、
「志望理由書などの提出書類」「自己PR面接」両方の準備が必要となることが多いです。
大学受験の自己PRを成功させるには、事前準備と面接対策が重要なのはもちろん「経験や結果に基づいた根拠」を明確化したうえで論理的に順序立てて自己PRすることが求められます。
この記事では、大学受験の自己PRを成功させるコツとやってはいけないことも合わせて確認しておきましょう。
大学受験の自己PRとは
「自己PR」と言えば就活が思い浮かびますよね。
では、大学受験の「自己PR」とは一体何を話せばいいのでしょうか?
この部分では大学受験の自己PRとは何なのかをご説明します。
大学受験の自己PRって?
大学受験の自己PRとは、志望校における「受験生としての適正」をアピールする場です。
あくまでも自分の人柄や人間性が大学の求める学生像と一致しているかどうか大学側に知ってもらうアピールの場であるため、自己紹介に終始してしまわないよう気を付ける必要があります。
また大学受験の自己PRでは「経験や結果に基づく根拠」を明確化することで、面接で深く掘り下げて質問をされても対応しやすくなるため、とりわけ入念に対策をしておきましょう。
どんな大学受験で自己PRが必要?
大学受験は一般入試以外にも総合型選抜や学校推薦型選抜などの受験形式があります。
そして、総合型選抜や学校推薦型選抜の入試においては面接やエントリーシートにて自己PRが求められることが多いです。
そのため、総合型選抜や学校推薦型選抜の入試において受験しようと考えている人は早めに準備しておくことが重要です。
大学受験の自己PRにおけるアピールポイント
自己PRのアピールポイントとは
自己PRのアピ―ルポイントとは、自分の長所を端的に表した言葉・エピソードのことです。
大学受験での自己PRのアピールポイントとしては「他の受験生との差別化を図ることができる」自己PRの内容が適しています。
志望校における「受験生としての適正」や「アドミッションポリシーに合致した経験や将来像」など、大学側が求めていることを読み取ったうえで自己PRを作成することが全体的に求められるでしょう。
また、具体的なエピソードを交えると自己PRに説得力を持たせやすく、さらに「大学入学後の成長や卒業後の社会貢献」など未来を想起させる自己PRをすると向上心をアピールすることができます。
自己PRのアピ―ルポイントの例
自己PRのアピールポイントを想像しやすいように例を示しました。
下記の「自己PRアピールポイント例」と「自己PRする際に気を付けること」を参考に大学受験の面接に向けた自己PRを練習するようにしてください。
アピールポイント例 | 気を付けること |
---|---|
長所 | 他の受験生と似通った内容にならないよう、独自性を自己PR |
具体的な経験(高校生活を通して成長したことなど) | 経験と成長エピソードをセットで自己PR |
学習意欲や将来の夢 | 志望校に関連する学部や分野について自己PR |
志望校が求める学生としてのふさわしさ | 経験とアドミッションポリシーをセットで自己PR |
短所 | 経験を元にした短所の改善法とセットで自己PR |
大学受験の自己PRで評価されるポイントをおさえる
大学受験の自己PRを成功させるには、大学受験の自己PRで評価されるポイントや面接のコツを把握しておく必要があります。
自分だけの魅力を面接官に最大限に伝えるためにも、自己PRのテクニック面で減点されないようしっかり対策しておきましょう。
大学受験の自己PRで評価されるポイントには以下のようなものがあります。
・大学入学後の姿や将来像まで描けている
・志望校が求める人物像に一致している
・具体的なエピソードによって説得力がある
面接中は緊張から発言内容に矛盾が生じやすく、話したいエピソードを忘れてしまうことも考えられるため、事前のリハーサルで何度も声に出して記憶に定着させておくことが不可欠です。
質問に対する受け答えの内容が一貫している
自己PRの内容が他の質問事項と一致しており、一貫性があることも評価を高める項目の1つです。
特に志望理由などとの一貫性は重要視して矛盾していないかチェックすると良いでしょう。
また、自己PRを盛りすぎると、質問されながら自然と矛盾点が出てくる可能性があるので気を付けましょう。
大学入学後の姿や将来像まで描けている
大学受験の自己PRでは大学入学後の姿や将来像まで描けていると評価が高まります。
卒業後の進路が1つと決まっておらず、多様な学校であれば特定の職業まで決まっていなくても問題ありません。
学校で学びたいこと、それを活かしてどのように社会に貢献していくかを内容に入れられているととても良いです。
志望校が求める人物像に一致している
大学受験の面接では必ず求める学生像が存在します。
その求める学生像とは全く異なるアピールをしてしまうと、評価が下がってしまうでしょう。
そのため、志望校のパンフレットやホームページなどを見て求める学生像と一致する自己PRを作る必要があります。
具体的なエピソードによって説得力がある
自己PRをすると言っても、ただ自分の強みだけを言えば良い訳ではありません。
自分の長所を裏づけるエピソードなどを共に言えると説得力が増し評価が高まります。
抽象的な内容にならないように具体的なエピソードも考えておくことをおすすめします。
大学受験の自己PRを成功させるコツをおさえる
大学受験の自己PRでは、主に2つのコツをおさえて発表することが成功の近道に繋がります。
この記事で紹介する「冗長になりがちな自己PRを簡潔にまとめるコツ」「自己PRの内容以外での減点を減らすコツ」を取り入れて、何度も面接練習を行いましょう。
▶成功させるコツ|簡潔な自己PRを心がける
大学受験の面接で自己PRを成功させるコツの1つ目は、自己PRが長くなりすぎないように【PREP法(結論→理由→具体例→結論)】を使用し、提示された時間内で簡潔にまとめて自己PRすることです。
PREP法を使うと自己PRの始めと終わりに結論を持ってくることができ、自己PRでアピールしているポイントの説得力が増します。
自己PRの面接で質問をされた際、多少の沈黙があってもそれほど気にする必要はありませんが、間が空きすぎると不自然な印象を与えてしまいます。もし沈黙が長くなりそうであれば「少し考える時間をいただけますか?」など何か一言添えましょう。
▶成功させるコツ|自己PRの内容以外での減点を極力減らす
大学受験の面接で自己PRを成功させるコツの2つ目は、見た目や話し方で判断される部分の減点は0を目指すことです。
具体的に自己PRの内容以外で気を付けるべき点は以下の通りです。
・姿勢と態度
・表情と視線
・声の大きさと言葉遣い
・質問を最後まで聞いてから回答する
・自信を持って自己PRする
・自分の言葉で自己PRする
・話の最後を「以上です」などと締めくくる
また面接の最後に「何か質問はありますか?」と逆質問をされることがあるため、自己PRに加えて「大学や志望分野に関連する質問」も事前準備しておく必要があります。
ただし、大学案内など見ればすぐに分かるような内容を質問することは控えましょう。
大学受験の自己PRを書く前に準備すること
大学受験の自己PRを書くとなっても、いきなり書こうとするのは難しいでしょう。
そのため、自己PRを書く前に準備することが必要です。
この部分では、大学受験の自己PRを書く前に準備することを紹介します。
大学が求める学生像を調べて考える
大学受験の自己PRを書く前に、まず大学が求める学生像を調べて、自分でも想像して考えてみましょう。
大学のホームぺージや入学資料に「アドミッションポリシー」が書いてあることが多いので、それを参考にすると良いです。
他にも、パンフレットを見たり、先輩から話を聞いたりすることで大学が求める学生像を考えてみましょう。
自己分析して自分の長所や強みを考える
大学の求める学生像が思いついたら、次は自己分析を行いましょう。
長所が思い浮かばない人でも、これまでの人生を振り返ると必ず自分なりの長所が見つかります。
もし行き詰った場合は、友達や家族、先生などに自分の長所を聞いてみるのもいいかもしれません。
大学の求める学生像と自分の長所を照らし合わせる
自己分析を済ませたら、大学の求める学生像と自分の長所を照らし合わせましょう。
効果的な自己PRにするためには、大学の求める学生像と自分のアピールポイントが合致していることが不可欠です。
学生像とマッチする長所を探して効果的な自己PRを作りましょう。
長所を裏づける具体的なエピソードを考える
最後に、大学が求める学生像と合致する長所を裏づけるエピソードを考えましょう。
ただ長所を言っただけでは具体性に欠け、伝わりづらくなってしまいます。
説得力を持たせるためにも、部活やボランティアなどでのエピソードを書き出してみることをおすすめします。
大学受験の自己PRでのNG行為
ここまでは大学受験の自己PRを成功させるためのコツをお伝えしてきましたが、大学受験の自己PRにはやってはいけないことも存在します。
具体的に自己PRでやってはいけないことは以下の通りです。
・アドミッションポリシーとずれた学生像の自己PR
・経験や成長エピソードの伴わない抽象的な自己PR
・アピール内容に一貫性がない自己PR
・ネットや参考書の例文をそのまま使用した自己PR
大学受験の自己PRは志望校にもよりますが、大体1分~3分であることが多く、面接時間内に自己PRを終えるためには時間を計っての練習が不可欠なため、決められた時間内で整合性のある自己PRができるよう面接直前までブラッシュアップを続けましょう。
長所にのみフォーカスした自慢話に近い自己PR
やってはいけない自己PRの1つ目は長所にのみフォーカスした自慢話に近い自己PRです。
自己PRは自分の性格や人柄を知ってもらうためのものであり、自慢話の披露の場ではありません。
自慢話にならないためにも、何を伝えたいのかを明確にしてから自己PRを考えると良いでしょう。
アドミッションポリシーとずれた学生像の自己PR
やってはいけない自己PR2つ目はアドミッションポリシーとずれた学生像の自己PRです。
というのも、学生像や学びたい内容がアドミッションポリシーとかけ離れていると、その大学に合っていないとみなされるためです。
事前に行きたい大学のアドミッションポリシーを調べて、それに沿った内容にすることをおすすめします。
経験や成長エピソードの伴わない抽象的な自己PR
やってはいけない自己PRの3つ目は経験や成長エピソードの伴わない抽象的な自己PRです。
経験や成長エピソードの伴っていない抽象的な自己PRだと説得力がなく、本当にそこが長所なのか疑わしくなってしまいます。
大学受験の自己PRはあくまで人柄や人間性を知ってもらう場であることを忘れずに「具体的なエピソード」を交えて自己PRするようにしましょう。
アピール内容に一貫性がない自己PR
やってはいけない自己PRの4つ目はアピール内容に一貫性が無い自己PRです。
例えば、最初に長所は「柔軟さ」と答えていたのに後半になって「勤勉さ」についてアピールしたとなると、どこをアピールしたいのかがはっきりしません。
そのため、自己PRを考える時は一貫性を意識すると良いです。
ネットや参考書の例文をそのまま使用した自己PR
やってはいけない自己PRの5つ目はネットや参考書の例文をそのまま使用した自己PRです。
というのも、ネットや参考書の例文をそのまま使用すると、面接中に矛盾が生じてしまう可能性があるためです。
矛盾が生じると面接官はそこを見抜いて減点されてしまうかもしれないので、例文をそのまま丸写しするのは絶対にやめましょう。
大学受験の自己PRの例文
この部分では、大学受験の自己PRの例文を良い例と悪い例の両方を紹介します。
例文を参考にして、自分なりの自己PRを考えていきましょう。
自己PR|良い例文
自己PRの良い例文は以下の通りです。
私の強みは、目標に向かって諦めずに努力できることです。
バスケットボール部の活動で県大会出場を目標に定めてから、絶対に県大会に出たいと考えるようになりました。
毎日練習で細かく目標を設定し、目的を持って練習に取り組みました。
テスト期間が近づくと十分な練習時間を取ることができずに焦りましたが、昼休みを自主練習に充てるなど、隙間時間を活用して毎日の練習を継続した結果、県大会出場をすることができました。
この経験は貴学科のアドミッションポリシーにある「○○○○○○」という人物像に一致すると考えます。
良い自己PRは、構成が結論、具体例、今後どう活かすかというようになっているものです。
自分のエピソードを構成に当てはめて自己PRを作っていきましょう。
自己PR|悪い例文
自己PRの悪い例文は以下の通りです。
私は所属しているバスケットボール部の活動を3年間重点的に取り組み、高校3年生の春に県大会出場を果たしました。
県大会出場という目標を掲げ、絶対に達成するという強い意思を持ってコツコツと続けた成果が出たと考えています。
継続するのが苦手な人が増える現代において、継続する力というものは社会で役立つスキルです。
長く在籍すればするほどキャリアアップすることができると思うので、社会で活躍するという目標を達成する資質があると考えています。
貴学では部活動などで努力を継続しながら、高校生活で培った強い気持ちや行動力を活かし、目標の達成に向けて尽力します。
上記の文章のように結論から述べていないものや内容が抽象的で具体性がないものは悪い自己PRとなってしまいます。
それに加えて、受験生の人柄が伝わらないものや志望校が求める学生像と一致していることのアピールができていないものも悪い自己PRと言えるでしょう。
大学受験の自己PRを成功させるには?やってはいけないこともご紹介|まとめ
大学受験の面接で自己PRをする際は、矛盾点や齟齬が生じないように自分の言葉や経験で話すことが大切です。
「自己PRの練習回数」「第三者からのフィードバックを受けた改善」が自信と完成度に繋がるため、大学側のニーズを押さえたうえで反復練習を行い、第三者にチェックしてもらいましょう。
聞き取りやすさや自己PR内容の分かりやすさについてご自身で振り返りを行いたい場合は、スマホなどで動画を撮ると自己PRの様子をセルフチェックできます。
様々な質問に対応できるよう、自己PRしたいアピールポイントを元にした言い換え表現やアレンジも準備しておくと安心です。
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