「毎日勉強をして全力で挑んだものの、第一志望の大学には惜しくも届かず不合格になってしまった」
「でも、どうしても第一志望の大学が諦めきれない!」
この記事をご覧のみなさんの中には上記のように思っている方がいるのではないでしょうか?
そこで今回は、浪人すべきなのか編入すべきなのかを徹底的に解説します。
それぞれの違いやメリット・デメリット、難易度などについて詳しく紹介しておりますので、ぜひ今後の進路選択の参考にしてみてください。
浪人と編入はそれぞれなにが違うの?7つの項目ごとに比較!
浪人と編入どっちの方がいいのかを解説するために、まずはそれぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
今回は科目・難易度・時期・年次・実施している大学・費用・倍率の7つの項目に分けて解説していきます。
浪人と編入の違い|科目
浪人して大学を受けなおす場合と、編入試験の場合で科目にどのような違いがあるのでしょうか。
浪人生の場合は現役高校生と同じで、編入試験については英語や専門科目や小論文・面接が中心となると考えてよいでしょう。
それぞれの違いについて見てみましょう。
▶科目|浪人して大学を受験しなおす場合
受験科目は、国公立大学であれば5教科7科目である国語・数学・英語・社会(地歴公民)理科(物理・化学・生物・地学)です。
これらの学科試験とは別に二次試験などで小論文や面接を課す大学もあります。
過去に小論文を受験した経験がない人は、どのように書けばよいか迷ってしまうかもしれません。
現役時代であれば高校の先生に添削してもらえますが、浪人生の場合は塾や予備校に通って添削指導を受けるのが最も確実です。
面接時に提出する志望動機書についても同様ですので、小論文・面接がある場合は塾や予備校でサポートを受けるのが望ましいといえるでしょう。
私立大学の場合は文系なら国語・英語・社会、理系なら英語・数学・理科が一般的ですが、受験科目は各大学で異なるため事前に調べておきましょう。
▶科目|編入試験を受ける場合
編入試験の科目は英語・専門科目・小論文・面接などですが、<専門科目の試験内容は各大学・学部によってかなり異なります。
たとえば、国文学の編入学試験であれば現代文や古文が出題されますし、物理学科であれば物理の問題が出題されます。
ただし、出題形式は一般受験とは違って論述形式が中心になると考えなければなりません。
現役時代の模擬試験とは全く異なるものであるため、過去の編入試験について自分で調査する必要があります。
編入試験の問題は、各大学の公式サイトで公開されているケースが多いため、それらの問題を入手してから対策を考えましょう。
また、面接試験については「なぜ、この大学を編入で受けたのか」を考え抜いた志望理由書を仕上げる必要があります。
志望大学に入りたいという熱意や、志望大学でしかできないことを学びたいといった動機にどれだけ説得力を持たせられるかがカギとなるでしょう。
浪人と編入の違い|難易度
浪人と編入では試験の形式が全く異なるため試験内容の単純な難易度比較は困難です。
しかし、受験科目数や準備までの期間などを総合して考えると、編入試験の方が浪人して受けなおす試験に比べると難易度が低いかもしれません。
編入試験の難易度は試験を実施する大学によってかなり異なりますが、最も顕著に表れるのは英語の試験です。
編入学試験の英語の難易度は、受験する大学の偏差値とある程度比例しますので、ハイレベル大学の編入を受ける場合はかなり難しいことが考えられます。
そのため、TOEICでは700〜800点以上は欲しいところです。専門試験もほぼ、大学の偏差値に比例するとみてよいでしょう。
よって、大学を辞めて浪人するのに比べると編入試験の方が対策しやすいといえます。
浪人と編入の違い|時期
入学試験の時期ですが、浪人は通常の大学入試が行われる1~3月で、編入は6月頃~2月頃と幅広いです。
編入試験は大学によって実施する時期がバラバラなので、事前に必ずチェックしておきましょう。
ちなみに、旧帝大や主な国公立は10~12月に集中しています。
浪人と編入の違い|年次
浪人の場合、高校卒業後に大学入学をせずに1年間勉強して試験に臨むため、合格すれば新1年生として入学します。
対して編入は、大学入学後に他の大学への入学を目指している、という点に違いがあります。
1年次の編入試験に合格すれば2年次からの編入となり、2年次の試験に合格すれば3年次からの編入となるため、年次という点で大きな違いがあるといえるでしょう。
浪人と編入の違い|実施している大学
浪人生が受験するのは通常の大学入学試験なので、基本的にはすべての大学が実施していますが編入の場合は、試験を実施していない大学もいくつかあります。
例えば東京大学・京都大学・慶應義塾大学などが該当しますので、志望する大学の情報を事前に確認しておきましょう。
浪人と編入の違い|費用
それぞれにかかる費用にも差があり、浪人は1年間勉強漬けの日々となるため、予備校費や生活費などが多く必要になります。
編入は大学生活を送りながら編入試験の合格を目指すため、費用よりも時間的な負担が厳しいです。
浪人と編入の違い|倍率
浪人生は現役生と同じ試験を受けるため、国公立大学の平均倍率は「3~4倍程度」です。
一方、編入試験においては短期大学の数が減少していることもあり、他の4年制大学から編入するケースが多くなっています。
編入学試験の全体倍率は2~3倍程度ですが、国公立大学であれば3~4倍、私立大学であれば1.5~2倍程度と推測されます。
大学入試の倍率平均が3~4倍程度であることを考えると、編入試験の倍率は決して高いわけではありません。
しかし、先ほど述べたように難易度が低いわけではないため、編入試験でもかなり勉強する必要があるでしょう。
【浪人VS編入】それぞれのメリット・デメリット
浪人と編入では、入学試験の科目や時期以外にも異なる点が多々あることが分かりました。
ではここから、浪人と編入それぞれのメリット・デメリットを紹介しながら、それぞれどんな人に適しているのかを探っていきましょう。
浪人の場合
まずは浪人を選択した際のメリット、デメリットから説明していきます。
生徒さんによってはメリットがデメリットになったり、デメリットがメリットになる場合もあるので一つひとつよく確認してみてください。
▶メリット①新1年生として入学できる
浪人して入学試験に合格した場合、当然ですがその大学の新1年生として入学することになります。
現役合格した人よりも年齢は上になりますが、同じ新1年生として新たな生活をスタートする仲間なので絆は深まりやすいです。
また、他にも浪人して合格した人はいるはずなので人間関係の構築はしやすいでしょう。
そして、4年間たっぷりと自分の希望する分野について学びを深めていくことができます。
▶メリット②どの大学でも受験できる
浪人生が受験するのは現役生と同じ入学試験なので、基本的には全国どこでも自分の好きな大学を目指すことができます。
さまざまな選択肢の中から志望する大学・学部を自由に選択できるため、明確な目標があれば浪人して目指す方がいい場合があります。
▶デメリット①費用負担が大きい
上記のようなメリットがある一方で、浪人するのにはかなりの費用が必要です。
予備校費だけでなく、一人暮らしであれば家賃や寮費・日々の生活費などもかかります。
また、第一志望の大学に合格するために、1年だけではなく2年3年と浪人することになるケースもありますので、その分多くの費用が必要になります。
▶デメリット②メンタル的につらい
浪人する上で最も大変なのは、勉強するモチベーションを維持しつづけることではないでしょうか。
受験は自分との闘いになるため、浪人生は1年にわたってその闘いを続けることになります。
周りの友達が大学生としての新生活を謳歌する中で、自分はひたすら勉強を続けるというのはそう簡単にできることではないでしょう。
予備校に通えば同じく必死に頑張っている他の浪人生もいるはずなので、受験対策のためだけでなく、モチベーションキープのためにも予備校という場は効果的です。
編入の場合
浪人を選択した際のメリット・デメリットを紹介したところで、次は編集という道を選択した際のメリット・デメリットになります。
メリットとデメリットは捉え方次第でいい方向に向かう場合もありますので、ご自身の性格や環境と照らし合わせて判断するようにしてください。
▶メリット①試験科目が少ない
一般入試ではさまざまな教科・科目を幅広く勉強する必要がありますが、編入試験においては英語+専門科目のみなので集中的に勉強することができます。
また、編入試験で実施される面接は就職活動の予行演習にもなるため役立ちます。
試験の日程も大学によってバラバラなので、試験日が被ってさえいなければ複数の大学をいくらでも併願受験可能です。
▶メリット②心理的な負担が少ない
受験において精神的・心理的な負担をなるべく無くすことが、成功するカギになるといっても過言ではありません。
編入であれば、仮に編入試験に落ちたとしても今の大学があるため、気持ちはいくらか楽になるはずです。
自分のメンタルをいかにコントロールするのかが重要となります。
▶デメリット①制限が多い
一般入試と違って複数の併願受験が可能なのが魅力ですが、実は制限が多いという面もあります。
そもそも編入ができない大学(東京大学・慶應義塾大学など)や学部があったり、例年編入生を受け入れている大学であっても募集中止や募集人数を大幅に減らすということも少なくありません。
希望する大学に編入できるのかどうか、最新情報を常に確認しておきましょう。
▶デメリット②時間との闘い
編入試験対策は、常に時間との勝負です。
今の大学の課題や試験をこなしながら、編入に向けた勉強を同時並行でしていくことになります。
もちろんバイトや友達と遊ぶ時間もほとんど取れなくなってしまうため、人間関係の構築は難しいものになるでしょう。
【浪人VS編入】難易度が高いのはどっち?
ここまで、浪人と編入の違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。
先ほど試験内容の難易度を比較するのは困難と紹介しましたが、実際対策するにあたって、それぞれどういう人にとって難易度の違いが出てくるのでしょうか?
もちろん、大学によって違いがありますので一概には言えませんが、武田塾としましては以下のように結論づけました。
- 時間にゆとりを持たせながら、幅広い科目をまんべんなく学ぶのが得意な人にとっては、浪人の方が難易度が低い。
- 精神的に余裕がある状態で、科目を絞って深く学んでいくのが得意な人にとっては、編入の方が難易度が低い。
単純に勉強だけの部分であれば、たっぷり時間が取れる浪人の方が難易度は低いといえますが、費用はその分高額になるため、それぞれの家庭状況や目標に合わせて選択してください。
浪人するにしても編入を目指すにしても、合格を手にすることは決して容易ではありません。
武田塾では生徒さん1人ひとりに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを作成しているので、浪人・編入どちらにも対応することが可能です。
受験に向けて不安や悩みがあるならば、まずは無料受験相談にお申し込みください。
浪人や編入以外に「仮面浪人」という選択肢もある
仮面浪人とは、第一志望の大学に落ちてしまった人が第二志望や滑り止めで受かった大学に通いながら、翌年の入学試験合格を目指す方法です。
編入と混同されることが多いので例を使って解説します。
編入と仮面浪人の違い
第一志望のA大学に落ちて第二志望のB大学に合格した場合】
編入:B大学の1年生として学びながら、次年度にA大学の2年生としての編入学を目指す
仮面浪人:B大学の1年生として学びながら、次年度にA大学の新1年生としての入学を目指す
別の大学に編入できた場合、卒業までにかかる年数は現役生と同じ4年です。
しかし、仮面浪人は1年間B大学の生徒として生活しながらも、浪人生と同じように再度A大学の一般入試合格を目指すため、現役生よりも1年多く時間を費やすことになります。
仮面浪人はおすすめしません!
仮面浪人は通常の浪人生と違って大学生という立場が得られるため、もし再度落ちてしまった場合でも大学生でいられるというメリットがあります。
また、編入できない大学・学部を狙うこともできるため、仮面浪人して第一志望大学を目指すという生徒さんも中にはいますが、やはり大変なことが多いため仮面浪人はおすすめとは言えません。
▶時間が取れなくて大変
大学の授業や課題・試験などをこなしながら受験勉強を並行して行うことになるので、時間が圧倒的に足りません。
仮面浪人生が闘う相手は、現役生だけでなく、1年間受験勉強だけに時間を費やしてきた浪人生も含まれます。
例えば、大学の勉強をしながらなんとか時間を作って1日4時間受験勉強をしたとしても、その間に浪人生は1日に10時間以上も勉強しています。
そんな相手と闘うことになることを理解した上で、少しでも多く受験勉強のための時間を捻出しましょう。
▶気持ち的な部分でも大変
過酷な受験勉強が終わり晴れて大学に入学した暁には、大学生としての華々しい新生活が始まり、遊んだりサークル活動に勤しんだり、思う存分大学生活を満喫する人がほとんどです。
ですが仮面浪人生は、周りの大学生が遊んでいる中でもひたすら勉強しなければなりません。
仮面浪人生として挑むのであれば、自分は大学生であるという認識を捨てて、浪人生として勉強に臨む必要があります。
周りの大学生と比較して満足するのではなく、1日10時間以上も勉強している浪人生と比べるようにしましょう。
仮面浪人をする上での注意点
本当に大変なことばかりの仮面浪人ですが、それでも仮面浪人をしたい!という強い意志を持った生徒さんもいるかと思います。
大変な仮面浪人ですが、それでももし仮面浪人をするのであれば以下の注意点は頭に入れておきましょう。
▶①バイト・サークルはせず、授業を取りすぎない
バイトやサークルをする時間はありません。
普通の大学生がバイトやサークルをしていたり遊んでいる時間を、勉強のために使わなければ合格切符は手に入らないでしょう。
留年しないぎりぎりのラインまで授業数を絞って、受験勉強の時間を作る必要があります。
▶②友達を作りすぎない
今の大学で友達を作り過ぎてしまうと、目指す大学への気持ちがぶれてしまうかもしれません。
仮面浪人をすると決めたなら、上述したように勉強に集中しなければならないため、大学で友達を作りすぎるのも考え物です。
また、友達からの誘惑が増えてしまうため、本気で第一志望を目指すのならば、友達はあまり作り過ぎない方がいいといえるでしょう。
▶③途中であきらめて妥協しない
「仮面浪人して頑張ろうと思ったけど、結局諦めて志望校を下げてしまった…」ということにならないようにしましょう。
それではお金も時間も何もかも費やしてまで仮面浪人する意味がありません。
妥協してしまわないように、精神的に苦しいことがあってもも何とか頑張ってください!
▶④前期と後期のバランスが大事
大学の後期試験と共通テストのタイミングはほとんど同じです。
後期試験のための勉強と共通テストのための勉強を同時期にすることはほぼ不可能といっても過言ではありません。
なので、前期に授業を集中させて後期は授業をほとんど取らないくらいのつもりで計画しておきましょう。
▶⑤書類の事務手続きを把握する
仮面浪人生は今の大学から別の大学に新たに入り直すことになるため、色々な手続きを把握しておかなければなりません。
各書類の提出日・留年しない授業のコマ数・授業のテスト方式・レポートの有無など、ありとあらゆる情報が必要です。
なので、学務課・教務課に行って手続きについて事前に確認しておいたり、授業に関する情報を得られるネットワークを構築したりしておきましょう。
浪人・編入どちらも慎重に検討しよう
日本には今や800以上もの大学が存在しており、膨大な数の大学の中でも実際に通える大学はたった1校です。
もし、第一志望の大学以外考えられないのであれば、無理に大学生としての肩書にこだわらず、浪人して翌年の第一志望合格を目指しましょう。
第二志望に通いながら第一志望への編入を目指す手もありますが、編入試験では大学入試と違い必ず合格者が出るわけではありません。募集はしていても、大学側の基準に到達していなければ編入合格者が0になってしまうこともあります。
また、大学に問い合わせてみれば、これまでの募集状況や受け入れ状況などを教えてくれることもあるので、行きたい大学の情報は必ず調査しておきましょう。
【浪人VS編入】どっちの方がいい?|まとめ
今回は浪人と編入について、違いや難易度などについて詳しく解説してきました。
浪人は、
・1年間受験勉強に集中できるため編入よりも難易度は低い
・費用負担はかなり大きい
というメリット・デメリットがあります。
一方で編入は、
・受験科目数は少ない
・時間が少ない中で専門的な深い知識まで勉強する必要があるため大変
というメリットとデメリットが挙げられます。
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独学での勉強には限界がありますので、ぜひ予備校へ通いながら第一志望合格を目指しましょう。
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