スポーツ推薦入試とは、高校時代に部活動などで輝かしい実績を収めた生徒さんに対して、「スポーツ」を武器に出願できる入試制度です。
スポーツ推薦は大学からオファーが来ることもあるため、なんとなく「出願すれば合格できる」と思っている方も少なくないはずです。
しかし、スポーツ推薦はスポーツの実績だけで合格できるほど簡単な試験ではありません。
場合によっては落ちることも十分考えられます。
当記事では、スポーツ推薦の基準や倍率、面接で聞かれる内容についてご紹介しています。
記事の後半ではスポーツ推薦に落ちる原因や落ちた後の対応についても解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
スポーツ推薦の基準は?どれくらいの成績が必要?
スポーツ推薦は、通常の一般受験に比べて試験科目が大幅に軽減されるなど大きなメリットがあるため、高校の部活動に真剣に打ち込んでいる生徒さんは誰しも1回はスポーツ推薦での大学入学を目指したことがあるのではないでしょうか。
しかし、大学のスポーツ推薦はかなり狭き門であると言われています。
ここでは、スポーツ推薦の基準や目安となる成績についてご紹介します。
全国レベルの実績が必要
基本的に、スポーツ推薦の出願基準は「全国大会出場以上」の実績が求められることが多いです。
大学によっては、全国大会ベスト16以上などさらに高いレベルを出すところもあるため、全国大会に出場したからといって安心はできません。
ただし、団体競技などで突出したスキルや実力があるにも関わらず、結果に恵まれずに全国大会等に出場できなかった場合は、高校の部活動の顧問の先生の推薦により出願できるケースもあります。
個人、団体競技を問わず、全国大会に出場すると出願できる大学の幅も広がるため、スポーツ推薦入試を目指す方は「全国大会出場」「全国大会ベスト16」などを目標にしましょう。
「大学のスポーツ推薦は落ちない」は本当?
結論、大学のスポーツ推薦で落ちることはあります。
スポーツ推薦は、一般的な学校推薦入試と比べると倍率は低い傾向にはありますが、1.0を切ることは少ないです。
合格率で言えば80%〜90%%のところが多いですが、毎年数名〜数十名の生徒さんは不合格になっているのです。
スポーツ推薦に出願している生徒さんはそれぞれスポーツの実績など大学側が求める条件を満たしているため、試験当日の面接や小論文試験といったスポーツの実績とは大きく関係がない部分で戦う必要があります。
また、当日の成績が似たような場合は高校の平均評定なども加味されるため、高校3年間は成績も意識して学校生活を送る必要があるのです。
スポーツ推薦の倍率はどれくらい?
大学のスポーツ推薦の倍率は公表しているところとしていないところがあり、大学によっては倍率が3倍を超えるところもあるため、非常に狭き門であることがわかります。
以下の表はスポーツ推薦入試を実施している全国の有名私立大学の2022年度の倍率になります。
大学 | 志願者 | 合格者 | 倍率 | 参考 |
---|---|---|---|---|
青山学院大学 | 134名 | 88名 | 1.5 | 2022年度 入学者選抜結果 |
立命館大学 | 218名 | 196名 | 1.1 | 2022年度 特別選抜入学試験 試験結果 |
早稲田大学 | 256名 | 76名 | 3.4 | 2022年度入試結果 |
中央大学 | 256名 | 225名 | 1.1 | 特別入試 過年度入試データ |
日本大学 | 130名 | 69名 | 1.9 | 入学試験状況(総合型選抜等) |
関西大学 | 125名 | 117名 | 1.06 | 2022年度 SF入試 志願者・合格者数 |
1倍から1.5倍程度の倍率のところが多いですが、早稲田大学に関しては3.4倍と非常に高い倍率になっています。
どの大学も数名以上の不合格者を出していることから、スポーツの実績や平均評定などを満たしているだけで合格を確信してはいけないことがわかります。
それぞれの大学によって試験内容は異なりますが、当日の試験でも納得のいく結果が出せるように準備する必要があるでしょう。
スポーツ推薦の面接で聞かれること
スポーツ推薦の面接では高校の部活動に関する質問を軸に、高校生活やその他プライベートのことまで幅広く質問される傾向があります。
・受験する大学について
・高校の部活動で印象に残っていること
・部活動を通して成長できたことや得たこと
・高校生活全体で印象に残っていること
・大学でやりたいこと
・自分の長所や短所
・大学後の進路や夢
・最近気になったニュース
特に多くの大学で聞かれる「志望動機」では、その大学でしかできないことを交えながら受け答えすると他の受験生と差別化ができます。
受験する大学の公式サイトやオープンキャンパス、進学した先輩からのアドバイスなどを元に自分だけの志望動機を作りましょう。
また、面接では大学後の進路まで聞かれるケースもあるため、自分は将来何をしたいのか、またそれを達成するための課題や大学生活でやるべきことなどを書き出し、現状と達成するまでの過程までをイメージできるように準備することが大切です。
他にも、面接では受け答えの内容だけではなく面接時の所作やコミュニケーションなどから「高校生らしさ」と「大学に合う人材かどうか」を見られます。
面接本番までにそれぞれの大学が求めるアドミッションポリシーを把握しておきましょう。
大学のスポーツ推薦で落ちる原因
上記で有名大学のスポーツ推薦入試の倍率をご紹介しましたが、どの大学も一定数は試験に落ちている人がいます。
では、スポーツ推薦に落ちてしまう原因はどのようなことが考えられるのでしょうか。
原因|①スポーツの実績以外も求められる
スポーツ推薦は、スポーツの実績だけでは合格することができません。
大学の顧問から直接オファーが来ることもありますが、多くの場合は大学が設けている「スポーツ推薦入試」に出願し、面接試験や小論文試験を行った上で合否が決まります。
また、大学では高校3年間の平均評定が3.5以上など、スポーツの実績以外も出願条件として求めているところが多いです。
つまり、高校生活でスポーツだけ打ち込むのではなく、日々の授業や定期テストなどでも結果を出して大学が求める成績を上回っている必要があるのです。
英検やTOEICのような資格を持っていることもプラスに働くため、余裕がある方は資格取得にもチャレンジしてみましょう。
▶︎大学受験に役立つ資格は?一般と推薦に分けて有利になる資格を紹介
原因|②試験の準備不足
大学のスポーツ推薦で不合格になってしまう方は、試験の準備不足が原因であることが多いです。
スポーツ推薦では、「面接試験」と「小論文試験」を設けている大学が多く、たとえスポーツの実績が輝かしいものであっても、当日の試験の出来が悪ければ不合格になってしまいます。
上記でご紹介した面接で聞かれる内容をしっかりと準備しながら、受験する大学のカリキュラムや教授などを調べて、面接でアピールできる武器を作りましょう。
また、小論文試験ではスポーツに関連する内容から時事問題まで幅広く出題される傾向があります。時事問題についてインプットしながら、運動や健康などスポーツに関するテーマについても触れておくことをおすすめします。
スポーツ推薦に落ちてしまった場合は?
スポーツ推薦は9月に出願が始まり、最終的な合格発表は11月〜12月というスケジュールで進んでいきます。
もし落ちてしまった場合は「一般受験に切り替える」のが一般的ですが、合格発表を待ってから一般受験に切り替えてしまうと、勉強が間に合わなくなる可能性が高いです。
そのため、スポーツ推薦を受験する場合は試験終了後、落ちたことを想定してすぐに一般受験の勉強を始めましょう。
しかし、高校2年生や3年生の春から一般受験の勉強を始めているライバルと戦うことになるため、かなりのスピード感で受験勉強を行わなくてはいけません。
効率良く受験勉強をしたい場合は、塾の利用も検討してみてください。
武田塾では、高校3年生の10月や11月からの入塾も大歓迎です。志望校から逆算して、現状から今何をやるべきなのかを明確にし、最短ルートでの逆転合格をサポートします。
これまで、偏差値29の状態から高3の8月に入塾して志望校に逆転合格した生徒さんや、推薦入試と並行で一般試験の対策を行い、慶應義塾大学に合格した方など、多くの合格者を輩出しています。
無料受験相談も随時受付中ですので、受験でお困りの方やスポーツ推薦での不安がある方は、お気軽に近くの武田塾へご相談ください。
大学のスポーツ推薦は落ちやすい?面接内容や倍率、落ちる原因|まとめ
今回は、大学のスポーツ推薦の基準や倍率、面接時に聞かれる内容についてご紹介しました。
重要なポイントをもう1度おらさいします。
・倍率は1.0倍~1.5倍のところが多い
・面接では部活動から学校生活まで幅広く聞かれる
・出願にはスポーツの実績と高校の平均評定が必要
スポーツ推薦は、なんとなく「受かりやすい試験」というイメージがありますが、対策を怠ってしまうと簡単に不合格になってしまいます。
面接や小論文の対策をしっかりと行い、試験終了後は落ちた時のために一般受験の勉強を進めましょう。
武田塾では、1人ひとりの現在の学力と志望校に合わせたスケジュールを組み、最短ルートで志望校へ逆転合格を目指すカリキュラムが整っています。
スポーツ推薦終了後や12月からの入塾も大歓迎ですので、まずは無料受験相談で受験でお困りのことや勉強の質問などをお気軽にご相談ください。