「大人になってからしっかりと学問を学びたい」
「大卒の資格が欲しい」
「やはり医者の夢を諦められない」
日本の大学は入学資格が満18歳以上と定められているところが多く、条件を満たしていればたとえ社会人だとしても大学に入学することが可能です。
しかし社会人から大学へ入学する人はあまり多くないため、後ろめたさや不安な気持ちになってしまう方も多いと思います。
当記事では、社会人受験生の大学受験スケジュールやおすすめの勉強方法、社会人入試制度を実施している大学についてご紹介していきます。
記事の最後では社会人受験生から寄せられる質問についても回答しているため、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも社会人は大学受験に合格できるの?
結論、社会人だとしても大学受験に合格することは十分可能です。
「社会人を経験してからもう1度大学で研究し直したい」と感じることや「専門的な知識を身に付けてスキルアップを図りたい」など、社会人が大学に通う動機は数多くあります。
また、社会人は一般的な高校3年生の受験生と並んで受験を行う一般入試の他に、総合型選抜入試や社会人しか受けることができない「社会人入試」という受験方式を選択することができます。
・総合型選抜
・社会人入試
「社会人だから入試できる手段が限られているのでは...」と心配になる方もいらっしゃいますが、各大学では社会人からでも大学に入学できるように様々な受験方式が用意されているのです。
簡単に入学できるわけではありませんが、社会人だとしてもしっかりと努力をすれば希望の大学に入学できるチャンスはあります。
⇒総合型選抜の仕組みと内容・受かる人の特徴は?総合型選抜を徹底解説
大学に行く理由を明確にしよう
社会人からでも大学に入学することは可能ですが、大学に行く理由は明確にしておく必要があります。
社会人は、社会に出て自分1人で生活をしている方やご家族がいる方など、高校生の時とは異なりスムーズに大学へ進学できるとは限りません。
人によっては、会社で重要なプロジェクトを任されている方もいらっしゃると思います。
そのような立場にいてもなお、大学へ進学したいという想いを自分の中でまとめることが大切です。
「医学部に進学して医者になる夢を叶えたい」や「憧れの〇〇大学で経済学を学びたい」といったような自分が大学へ行きたい動機をしっかりと整理することで、途中で後悔せずに大学生活を楽しむことができるでしょう。
大学に通いながら社会人を続けることもできますが、場合によっては勤めている会社をやめなくてはならないこともあるため、今の仕事と両立ができるのかという観点でも考えてみることをおすすめします。
社会人受験生のスケジュールは?
社会人は、一般入試や総合型選抜など様々な選択肢から受験方式を選ぶことができますが、社会人入試制度を利用される方が多いです。
社会人入試は一般的に9月~11月の期間で試験が行われるため、1月~2月に行う一般受験と比べると早いスケジュールで進みます。
6月~8月:出願の準備・受験対策
9月~11月:出願・受験
1月:合格発表
ここでは、現在社会人として働いている方が社会人入試を受ける場合の1年間のスケジュールについて詳しくご紹介していきます。
一般受験で大学入学を目指している方は、以下の記事をぜひご覧ください。
⇒受験勉強年間スケジュール【国公立・私立/文系・理系別】をご紹介
【2月~5月】大学選び・受験情報集め
2月~5月の期間は、大学選びや社会人入試についての情報集めを行います。
大学によって入試方式や学費などが変わってくるため、気になる大学があれば詳細なところまで調べることをおすすめします。
・受験費用
・4年間~6年間の学費
・仕事を続けながら通えるのかどうか
・卒業までの単位数
例えば仕事を続けながら大学に通う場合、昼間に講義がある大学は選択肢から外れ、夜間や通信制の大学に絞って探すことになります。
また、仕事をやめて大学に通う場合は、大学の学費に加えて生活費やいつまでに仕事を辞めるのかなども考慮する必要があるでしょう。
現在の立場と並行して大学に通うのか思い切って社会人をやめるのかで進学する大学やお金が異なるため、時間をかけて慎重に調べることをおすすめします。
【6月~8月】出願の準備・受験対策
志望校が決定したら、出願に必要な書類の用意や入試対策など、本格的な受験の準備を進めていきしょう。
出願に必要な書類は各大学それぞれで異なり、大学によっては外国語試験のスコアなどを提示しなくてはいけない場合もあります。
ここでは1例として、日本大学法学部二部の社会人選抜試験での出願書類をご紹介します。
①出願確認票
②志望理由書
③出身学校調査書(調査書が提出できない場合は卒業証明書及び
成績証明書),また高等学校卒業程度認定試験合格者(大学入学
資格検定試験合格者を含む)は合格成績証明書
④在職を証明するもの(社会人(有職者)選抜出願者のみ)
あくまでも1例ではありますが、出願確認票や志望理由書などはどの大学でも必要な書類であるため、この段階から「なぜこの大学に進学したいのか」という志望動機をしっかり準備しておきましょう。
【9月~11月】出願・受験
出願や受験の時期は大学によって異なりますが、9月~11月の期間に行われることが多いです。
つまり、仕事などと並行しながら9月までには社会人入試の準備を済ませておく必要があるのです。
社会人入試では多くの場合、「書類選考」「小論文」「面接」の3つの試験が行われますが、社会人入試は受験者数が少ない試験のため、過去のデータなどがネット上にあまり出回っていません。
しっかりと志望校の試験対策を行う際は、武田塾などの社会人の入塾を受け入れている塾や予備校に通うことをおすすめします。
【1月】合格発表・入学の手続き
1月ごろになると、多くの大学で社会人入試の合格発表が行われます。
試験から合格発表まで時間があるため、不合格になった時の対策として社会人入試が終わってから一般受験に切り替えて受験勉強を始めることも1つの方法です。
また、合格の場合は速やかに入学手続きを行うとともに、仕事をやめる場合は退職の手続きも進めましょう。
社会人が大学受験を成功させるには?おすすめの勉強方法
社会人は学生の時と比べて、受験の準備や勉強に充てる時間が多くありません。しかし、「時間がない」という言い訳が通用しないのが受験でもあります。
ここでは、社会人の方が大学受験を成功させるためにおすすめの勉強方法を2つご紹介します。
社会人におすすめの勉強法|①隙間時間を有効活用する
社会人で大学受験をする場合は、隙間時間を有効活用しましょう。
仮に9時~18時まで会社で仕事をしているとします。9時~18時の間は受験対策はできませんが、いつもより朝早く起きて1時間勉強に充てることや通勤時間を使って勉強するなど、社会人でもやり方次第で時間を作ることはできます。
また、社会人入試では書類選考や面接など、自分が「この大学に入学したい理由」を大学側にしっかり伝えることも大切になってきます。
そのため、大学や学問について熱心に調べることやこれまでの自分を振り返る自己分析の時間なども隙間時間で行うことで、受験当日に準備してきた成果を発揮できるでしょう。
社会人におすすめの勉強法|②塾や予備校を活用する
なかなか時間が取れない方や効率よく志望校へ合格したい方は、社会人入試に対応している塾や予備校へ通いましょう。
塾や予備校では、あまり出回っていない社会人入試の情報を受け取れるだけではなく、志望校に合わせてしっかりと対策を立てて準備を行うことができます。
これまでの面接で聞かれた内容や志望理由書の添削など、あまり自分1人ではできないような内容も対応してくれることがあります。
武田塾では社会人の方の入塾も歓迎しております。社会人入試はもちろん一般受験の対策も対応しているため、大学受験を検討中の方は1度無料受験相談へお越しください。
社会人入試制度がある大学は?
社会人入試のスケジュールや勉強方法などはわかりましたが、実際にどのような大学が社会人入試制度を取り入れているのか気になる方も多いと思います。
ここでは有名大学に絞り、社会人入試制度を取り入れている大学、そして取り入れていない大学をそれぞれご紹介していきます。
志望大学がある程度決まっている方は、大学の公式HPでも社会人入試制度の有無が確認できるため、そちらも参考にしてみてください。
社会人入試制度がある有名大学
社会人入試は、国公立大学や私立大学など区分を問わず全国の大学で実施されています。社会人入試制度がある有名大学は以下の通りです。
大学名 | 区分 | 公式サイト |
---|---|---|
小樽商科大学 | 国立 | 小樽商科大学入試情報 |
弘前大学 | 国立 | 弘前大学入試情報 |
埼玉大学 | 国立 | 埼玉大学入試情報 |
千葉大学 | 国立 | 千葉大学入試情報 |
新潟大学 | 国立 | 新潟大学入試情報 |
横浜国立大学 | 国立 | 横浜国立大学入試情報 |
金沢大学 | 国立 | 金沢大学入試情報 |
岐阜大学 | 国立 | 岐阜大学入試情報 |
静岡大学 | 国立 | 静岡大学入試情報 |
神戸大学 | 国立 | 神戸大学入試情報 |
広島大学 | 国立 | 広島大学入試情報 |
熊本大学 | 国立 | 熊本大学入試情報 |
高崎経済大学 | 公立 | 高崎経済大学入試情報 |
横浜市立大学 | 公立 | 横浜市立大学入試情報 |
東北学院大学 | 私立 | 東北学院大学入試情報 |
獨協大学 | 私立 | 獨協大学入試情報 |
早稲田大学 | 私立 | 早稲田大学入試情報 |
國學院大學 | 私立 | 國學院大學入試情報 |
津田塾大学 | 私立 | 津田塾大学入試情報 |
日本大学 | 私立 | 日本大学入試情報 |
法政大学 | 私立 | 法政大学入試情報 |
青山学院大学 | 私立 | 青山学院大学入試情報 |
学習院大学 | 私立 | 学習院大学入試情報 |
北里大学 | 私立 | 北里大学入試情報 |
国際基督教大学 | 私立 | 国際基督教大学入試情報 |
駒澤大学 | 私立 | 駒澤大学入試情報 |
順天堂大学 | 私立 | 順天堂大学入試情報 |
上智大学 | 私立 | 上智大学入試情報 |
成蹊大学 | 私立 | 成蹊大学入試情報 |
中央大学 | 私立 | 中央大学入試情報 |
東京理科大学 | 私立 | 東京理科大学入試情報 |
東洋大学 | 私立 | 東洋大学入試情報 |
明治大学 | 私立 | 明治大学入試情報 |
明治学院大学 | 私立 | 明治学院大学入試情報 |
立教大学 | 私立 | 立教大学入試情報 |
専修大学 | 私立 | 専修大学入試情報 |
上記の大学以外にも、社会人入試を実施している大学は多数あります。
MARCHや早稲田大学といった有名私立大学でも社会人入試が行われているところはうれしいですね。
早稲田大学と並ぶ難関私立大学の慶應義塾大学ですが、こちらは社会人入試を実施していません。しかし慶應義塾大学には通信教育課程があり、入学してから最長で12年間在籍できるなど、社会人と両立しやすいコースが用意されています。
入試日程や募集学部については各大学ごとに異なるため、気になる大学があれば公式サイトで社会人入試の詳細を確認することをおすすめします。
社会人入試制度がない有名大学
社会人入試を実施している大学の方が多いですが、中には社会人入試を取り入れていないところもあります。
・京都大学
・一橋大学
・名古屋大学
・大阪大学など
これらの大学は4年制の大学、つまり学士課程では社会人入試を実施していないものの、大学院に関しては社会人入試を実施しているところもあります。
そのため、1度大学を卒業したけどまた大学で勉強したいという方は、大学院の社会人入試を利用することで志望校の選択肢が広がるでしょう。
社会人の大学受験に関するQ&A
最後に、社会人入試に関するご質問に回答していきます。
社会人で大学受験を検討されている方はこちらも合わせてご覧ください。
Q.30歳でも大学受験できる?
A.可能です。
日本の法律では大学受験は入学時に18歳以上であるという受験資格を除いて、年齢による制限はあまりありません。
つまり、30歳での受験はもちろん、40歳や70歳の方でも試験に合格さえすれば入学することが可能です。
さらに、社会人入試では受験資格に「28歳以上」など年齢制限が上がることがあるため、30歳で大学受験に挑戦される方は多いです。
Q.仕事はやめた方がいい?
A.進学する学部にもよりますが、やめずに続けることをおすすめします。
医学部や昼間の受け入れしかしていない学部など、大学に通うためにどうしても仕事が続けられないことはありますが、無理してやめる必要はありません。
仕事と両立している方もいらっしゃいますし、夜間に講義がある大学もあるため、大学に通いながら仕事を続けることは可能です。
Q.卒業後は新卒扱い?中途扱い?
A.年齢によりますが、新卒扱いになることもあります。
大学卒業後の就職で新卒扱いにあるかどうかは卒業時の年齢に左右されます。大学卒業時に24歳~26歳の場合は中途ではなく新卒として扱われることが多いです。
また、中途扱いだとしても大学で学んだ分野や4年間で培ったスキルを武器に、以前よりも年収を上げている方もいらっしゃいます。
社会人でも大学受験合格!成功する勉強方法やスケジュール|まとめ
今回は、社会人が大学を受験する場合のスケジュールやおすすめの勉強法、社会人入試を実施している大学についてご紹介しました。
重要なポイントをもう1度おさらいします。
・社会人入試は9月~11月に試験が行われる
・塾や予備校を利用して効率よく試験対策を行う
社会人入試を実施している大学は非常に多いため、社会人を1度経験してから大学に入学することは十分可能です。
通勤時間や休日、塾などを有効活用して少ない時間の中で受験の準備を進めることをおすすめします。
武田塾では、社会人の方に向けて社会人入試対策や一般受験対策を承っております。無料受験相談も実施中のため、大学受験を検討中の方はぜひ1度お近くの武田塾にお問い合わせください。