志望校が学校の推薦枠にあった場合、是非とも狙っていきたいのが指定校推薦入試でしょう。
指定校推薦入試とは、大学の指定内にある高校が日々の学校生活の態度が優れている生徒を推薦する入試制度です。
「指定校推薦入試は99%落ちない」と言われていますが、逆に1%は落ちる可能性があるともいえます。
では、指定校推薦入試に落ちる理由としてはどのようなものがあげられるのでしょうか。
この記事では、安心して指定校推薦入試に臨めるように、大学の指定校推薦の簡単な基礎知識と落ちる理由、そして万が一落ちた場合の対処法についてご紹介していきます。
大学の指定校推薦とは?
指定校推薦とは、学校の成績が一定以上の場合に認められる推薦入試の一種で、一般的な入試と比べると6月〜8月頃の早い時期に募集がスタートします。
大学から「優秀な高校である」と認められた指定校へ推薦状が出され、その学校に通学している生徒だけが出願することができる仕組みです。
指定校推薦の募集枠は1〜3名程度
指定校推薦では、大学側が高校の進学実績に応じて指定する高校を選ぶため、良い成績を修めていても自分が通う高校に指定校推薦が来ていないと願書を出せません。
高校側は今後も指定校にしてもらうために、優秀な生徒を大学に出す必要があるのですが、その募集枠は1〜3名程度と限りがあります。
そこで校内選考などを行い、一定の成績を満たした生徒だけが出願資格を得るという流れになっています。
指定校推薦入試は合格率が高いこともあって楽な道に見えますが、推薦枠に選ばれるためには、まず学校の中での選抜争いを勝ち抜かなければならないのです。
指定校推薦の募集枠に適していると判断される生徒の特徴は?
指定校推薦の募集枠にふさわしいと判断される生徒の特徴としては、「学業成績が優れていること」が最も重要です。
詳しく言うと、内申点が高く、定期試験の成績も安定して良い状態を保っていることが求められます。
さらに、生徒会や部活動での役職経験があることやスポーツや文化活動などに一生懸命打ち込んでいるかどうかも、大学側がその生徒が積極的に大学生活を送ることができると判断するために欠かせないポイントです。
指定校推薦枠を狙っている受験生は、学校生活には日頃から積極的に関わるように心掛けておきましょう。
指定校推薦入試に落ちる確率は何%くらい?
大学の指定校推薦入試に落ちる確率は、冒頭でもお話した通り約1%と落ちる可能性はほぼありません。
慶応義塾大学の「2024年度 指定校による推薦入試結果」を見てみても、どの学部も合格率は100%に近く、よほどのことがない限りは落ちることはないと考えておいて良いでしょう。
しかし、一部の医学部などに関しては、指定校推薦の倍率を高く設定している大学もあるので、出願する前にチェックしておく必要があります。
大学のHPで学校推薦の入試結果は各大学側から公表されているので、落ちる確率が気になって出願を迷っている人は、自分の志望校の直近の推薦入試結果を調べてみてください。
大学の指定校推薦で落ちる理由・原因とは?
校内での選考を通過してしまえば、指定校推薦入試では落ちる確率が非常に低いです。
それでは、一体どんなことがあったときに不合格や合格取り消しになってしまうのでしょうか?
ここからは、大学の指定校推薦で落ちる理由・原因にはどういったものがあるのか、受験生が気になる指定校推薦の選考基準に対する疑問を中心に、詳しく確認していきましょう。
高校生活の中で何らかの問題があったら落ちる確率は上がる
高校生活中に何らかの問題が起きた・起こした場合は指定校推薦に落ちる原因になります。
具体的に以下のようなケースでは、落ちる確率が低い指定校推薦であっても不合格になる場合があります。
・留年した
・犯罪を犯した
・退学・停学処分を受けた
・テストの点数が急激に悪化した
・授業態度が悪くなった
・試験や授業に何度も遅刻するようになった
指定校推薦で高校から推薦される生徒は、言わば高校の代表者です。
このように評価が落ちるようなことをすれば、不合格になるだけでなく翌年以降の推薦枠を大学側から抹消されてしまう可能性もあります。
自分のためだけでなく、学校や後輩たちのためにも校則やルールを守って学校生活を送りましょう。
英検を取得しているかどうかが落ちる確率に関わることもある
大学によっては、英検の取得が推薦の条件となっている場合があります。
例えば、英検2級以上の取得が推薦条件となっている場合、その資格を持っていない生徒は推薦を受けることができません。
出願のタイミングで気づいて、結局受験できずに推薦を諦めなければならないケースもあるので、推薦の条件は早めに確認して必要資格を取得しておきましょう。
また、英検の取得は単に条件を満たすだけでなく、推薦書に記載されることで、大学側に努力や継続的な学習の成果として良い印象を与えることができます。
どうしても推薦入試で合格したいなら、英検が必須条件になっていなくとも、2級以上を早めに取得しておくことをおすすめします。
面接や小論文の準備不足は落ちる確率に影響する?
合格者のデータから見ると、推薦入試に出願した受験生はほぼ全員合格しているので、面接や小論文の評価によって落ちる確率は変わることはないと推測できます。
そもそも、学内でも成績優秀だったからこそ選考を通過しているので、いつも通りの実力で受験出来さえすれば大丈夫です。
面接や小論文の出来栄えについて、そこまで神経質になる必要はありません。
ただ、倍率が高い一部の私立医学部や私立理系の大学においては、選考に面接・小論文がある場合は内申点と同じくらい重視されるものなので、指定校推薦だからと怠らず、しっかりと対策をして臨みましょう。
大学の指定校推薦に落ちたときの対処法
上述の通り、大学の指定校推薦なら落ちることはほとんどないですが絶対ではないため、万が一落ちてしまった時のことも考えておきましょう。
では仮に大学の指定校推薦に落ちてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
ここからは、大学の指定校推薦に落ちたときの対処法についてご紹介します。
受験生として気持ちを切り替える
まず指定校推薦に落ちた場合は、受験生として気持ちを切り替えることが大切です。
落ちないだろうと思っていた入試の結果が不合格だと、落ち込みますし立ち直るのにも時間がかかります。
しかし、指定校推薦で合格できなかったとしても、いつまでも自暴自棄ではいられないので、将来を見つめ直し、できるだけ早く気持ちを切り替えることが大切です。
落ち込む気持ちも分かりますが、友人や家族と話すなど気持ちを切り替える方法を探していきましょう。
どうしても入りたい大学なら諦めずに受験勉強に励む
指定校推薦に落ちた大学に一般試験で受験することに躊躇いを覚える人もいるかもしれません。
しかし、どうしても入りたい大学なのであれば諦めずに勉強に励み、不合格になった原因を探ることが大切です。
私立大学であれば、入試科目が異なる受験方法を多数設定している大学も多く、受験のチャンスは1回きりではありません。
自分の得意科目を活かした受験方法を選択すれば、推薦入試の結果が出てからでも受験対策は十分間に合います。
学校の先生などのアドバイスを受けながら、次に取るべき行動を明確にしてしっかりと受験勉強を進めていくようにしましょう。
総合型選抜(旧AO入試)を検討する
指定校推薦の募集枠を獲得した場合、ほぼ落ちる確率は無いので、合格できるものとして筆記試験の対策などしていない生徒も少なくありません。
このようなケースでは、学科試験以外の面で合否を判断される総合型選抜(旧AO入試)を検討するのもおすすめです。
近年、新たな選考基準を導入している大学も増えているので、一般入試以外にどんな入試方法があるか、情報収集してみてください。
とはいえ、総合型選抜(旧AO入試)でも複数回の面接が行われたり、論文を提出しなければいけなかったりと簡単なものではありません。
どんな入試を選択するとしても、早めに対策を立てて実践していくことが大切です。
推薦入試で落ちる確率はどのくらいなの?|まとめ
今回は、大学の指定校推薦に落ちる確率やその理由・原因についてご紹介しました。
基本的に指定校推薦で落ちる確率は1%以下ですが、それでも100%合格するとは言い切れません。
指定校推薦に合格できなかったケースは、推薦条件の確認不足などの不注意、学校や日常生活での生活態度に起因するものがほとんどです。
自律した学生生活を過ごすよう心がけることで、これらは防ぐことができます。
また、指定校推薦入試においては募集枠の学内選考の方が競争率が高く、高校での成績や活動が優秀な生徒であることが条件となってくるので、指定校推薦を受ける決める前から、中間・期末テスト対策をしておくようにしましょう。
仮に指定校推薦による入試に落ちてしまっても、早めに気持ちを切り替えて、最後まで諦めずに受験勉強に励むことも大切です。
素早いリスタートをきるためにも、推薦入試以外に他にどんな受験方法があるか、予め調べておくと良いでしょう。
武田塾の無料受験相談では、自分の得意科目を活かした受験方法や小論文の勉強方法など推薦入試の対策のアドバイスを受けることができます。
推薦入試への不安を早めに解消しておくために、受験のプロに相談してみましょう!