受験で上手くいかず志望校に落ちてしまったとき、大半の方が浪人しようかどうか迷うことになるでしょう。
もちろん浪人すればもう一度受験のチャンスを得られるので、志望校に合格することができるかもしれません。
しかし浪人はつらく鬱になりやすいとも言われているため、「どうしても志望校に行きたい」という強い気持ちを持って早期から勉強を始めることが大切です。
今回は、浪人がつらく感じてしまう原因や、心が疲れてしまった時の対処法などについて解説します。
受験直後は強いショック状態にある
2月から3月にかけて、受験の結果が次々に判明していくと嫌でも4月から浪人という現実を突きつけられます。
共通テストや二次試験、一般受験の結果で不合格の覚悟をしていたとしても、いざ現実を前にすると精神的にかなり大きなダメージを負ってしまうでしょう。
自分自身もショックですが、期待していた親など周囲の反応を見てさらに落ち込むかもしれません。
不合格という大きな痛手から回復するには、一定の時間が必要です。
浪人で鬱になってしまうこともある?つらく感じる原因は?
まずは、浪人は非常につらく、場合によっては鬱になってしまう人もいるということを受験生の皆さんに知っておいてもらう必要があります。
浪人に対して悪いイメージを持ってもらいたいわけではありませんが、実際浪人は現役時代と違って1人で勉強する時間も多く、孤独な戦いになりがちです。
また、そもそも浪人すれば志望校に絶対に受かるというわけでもないため、思うように成績が上がらないこともあるでしょう。
まずはなぜ浪人がつらいのか主な原因をご紹介しますので、自分が本当に浪人する必要があるかどうか、浪人しても行きたい志望校なのかを考えてみてください。
つらい原因①孤独になりやすい
浪人がつらい主な原因の1つが孤独になりやすいという点です。
現役時代は高校にも通っているので自然と友達や先生と話す機会がありましたが、浪人生ではそのような会話の機会がかなり少なくなります。
特に、自宅浪人の場合は自宅にこもりっきりになってしまいがちなので、気分も落ち込み鬱になりやすくなってしまいます。
そのため予備校の友達でも先生でも良いので、浪人中はつらいことを素直に相談できる相手を作っておくことが何よりも大切になります。
つらい原因②プレッシャーを感じやすくなる
時間とお金をかけて浪人するわけですから、現役のときと比べてプレッシャーもかなり大きくなることでしょう。
「今度こそ合格しなきゃ」という思いが強くなりすぎて、勉強すること自体が苦痛になってしまうこともあります。
また、親への申し訳なさからのプレッシャーもあり、悩みすぎてしまう浪人生も少なくありません。
つらい原因③成績が伸びない
勉強できる時間が1年延長されるわけですから、きっと成績も今以上に良くなって志望校にも合格できると考えることでしょう。
しかし、実際浪人してみると順調に成績を伸ばせる人は少なく、成績が伸び悩んでしまう人も一定数存在します。
1年あるから余裕だと思っていたらスケジュール通りに進まなくなり、結局合格できるかどうかギリギリになってしまうというのはよくある話です。
特に4月の段階では、まだ時間に余裕があるあまり遊びすぎてしまう人が非常に多く、後々の自分の首を絞めることになってしまっています。
つらい原因④モチベーション管理が大変
浪人生はよく「モチベ管理が1番大変」と言われます。
実際、勉強する時間自体はいくらでもありますが、時間がありすぎるあまり遊びすぎてしまったり、逆に春の段階から頑張りすぎて勉強する気が無くなってしまったりすることもあります。
そのため適度に勉強し、適度に息抜きの時間を作ることが浪人では大切です。
また、浪人していると生活リズムも不規則になりやすいため、不健康な生活から鬱にも繋がりやすいです。
その他にも、学校の様に授業と休み時間がしっかりと分かれていないため、頑張りすぎてしまうケースもあります。
つらい原因⑤塾や予備校などにお金がかかる
浪人生がつらいと感じる理由の1つに、塾や予備校に通うためのお金がかかることが挙げられます。
全日制で大学受験の予備校に通う場合、少なく見積もっても70〜100万円の授業料が必要となり、塾や予備校によっては、上記の金額のほかに講習会費や教材費などが必要となることがあります。
大学進学のために用意していたお金を塾や予備校に使うことで、資金を準備してくれた保護者に申し訳ないという気持ちを持つ生徒もいます。
費用が掛かっていることを自覚すると、「何としても今年で受かりたい!」という気持ちが強くなりすぎて精神的に大きなプレッシャーとなる可能性があり、浪人生活がよりつらく感じるかもしれません。
つらい原因⑥勉強方法が本当に合っているのかわからなくなる
浪人生として勉強していると、時折「今の勉強方法が本当に自分に合っているのか」という強い不安に襲われるかもしれません。
先ほども述べたように、浪人生は現役生に比べると劇的に成績が伸びにくい状況にあります。
現在の学力よりもさらに上を目指すには、うわべだけの暗記ではなく内容をしっかり理解して受験に臨む必要があるのですが、不安が強くなるとどの方法も向いていない気がして迷走してしまいやすいです。
方向性が定まらないことで、エネルギーを無駄に使ってしまい、さらにストレスを増しつらくなるといった悪循環に陥る可能性もあります。
浪人生が鬱になりやすい時期はいつ?
多くの浪人生が鬱になりやすい時期は5月と11月ですが、なぜ、この時期に集中して鬱になるのでしょうか?
原因をあらかじめ把握して、気持ちの落ち込みを防ぎましょう。
5月の鬱の原因
4月に再スタートを誓って勢いよく勉強していたはずなのに、大型連休が過ぎた後に思いのほか無気力になる姿がよくみられます。
大型連休中に現役合格した同級生と会う中で大学生活を謳歌している同級生と浪人中の自分を比較してしまい、メンタルをやられてしまう浪人生が少なからずいて、鬱状態になってしまうのです。
11月の鬱の原因
11月は受験に向けた最後の追い込みの時期であり、10月中に受験した模試の結果が判明する時期です。
毎週のように模擬試験が実施されて精神的に消耗しているときに、10月模試の結果が到着するため、判定が思わしくないと精神的なダメージを負うことがあります。
すると、11月の模試でも思ったような結果が出せずに思わしくない判定になってしまい、さらに気持ちが落ち込んでしまうかもしれません。
悪い状態が続くことで勉強に対するモチベーションが失われ、心が疲れて鬱のような状態になってしまうのです。
最悪の場合、受験が近づいてもモチベーションを回復できず、ずるずると共通テストに突入するケースもあるためしっかりと切り替えることが大切です。
まずは現実を受け入れ、浪人するかしないかを考えよう
さて、つらい点がわかった上で、浪人するかしないかを決めなければなりません。
全落ちしてしまったけれど大学に行きたいのであらば浪人するしかありませんが、志望校には受からなかったけれど滑り止めは受かっているという方もいらっしゃるでしょう。
その場合はまず、本当に志望校に行く必要があるのかどうかを今一度見直すことをおすすめします。
もう一度大学を見直してみれば、もしかしたら志望校でしか出来ないと思っていたことが他の大学でもできるかもしれません。
また、志望校以外の大学の良さも見えてくることでしょう。
それから、1年の浪人で本当に志望校合格のための力をつけられるのか、それだけの勉強をする覚悟があるのかどうかもよく考えなくてはなりません。
滑り止めと言えどこれまで勉強してきた結果合格を掴み取れているわけですから、その合格を無かったことにしてまで行く価値のある大学かどうかをしっかりと考えて見ましょう。
浪人がつらく感じたときに行うべき対処法
浪人はプレッシャーがかかりやすいため、つらく感じる瞬間もあるでしょう。
「つらい」と感じたときに何をすればよいのか、4つの対処法を解説します。
①勉強スケジュールを明確に立てる
対処法の1つ目は勉強スケジュールを明確に立てることです。
つらく感じる要因の1つに、勉強が上手くいっていないことへの焦りがありますが、焦りを感じにくくするには、学習計画を立案して自分の学習の進捗状況を管理・把握する必要があります。
学習計画を立案する際は目標から逆算し、第一志望校合格という目標達成のために、どの科目をどれくらい勉強しなければならないか把握して計画を立てます。
計画の進捗状況が順調であれば、焦りを感じることも少なくなりつらい気持ちを緩和できるでしょう。
下記の記事では、バランスのいい受験勉強のスケジュールの立て方や科目別の勉強計画などについてまとめているため、合わせてチェックすることをおすすめします。
▶学習計画が大学受験を制す!受験勉強のスケジュールの立て方と解説
②SNSの利用を控える
対処法の2つ目はSNSの利用を控えることです。
浪人が決まった段階でSNSを削除する人もいますが、友だちとのつながりを保っておきたいといった理由からSNSを消さずに継続している人もいるでしょう。
自分の精神状態が良いのであれば全く問題ないのですが、つらい気持ちになっているときにSNSをし続けるのはあまりおすすめしません。
なぜなら、SNSの返信で時間を取られたり、相手のことを考えたりすることで自分のペースが乱れる可能性があるためです。
SNSでストレスを感じるようであれば、利用を控えるのも一つの方法でしょう。
③プレッシャーをモチベーションにつなげる
対処法の3つ目はプレッシャーをモチベーションに転換してしまうことです。
浪人生は現役生に比べると「後がない」と思ってしまう分、強いプレッシャーにさらされがちです。
しかし、その重圧をプラスのモチベーションに変えることで精神的に強くなれるかもしれません。
プレッシャーを楽しむのは難しくても、圧力でつぶされることなく前向きな気持ちになるきっかけとして活用することで、つらい気持ちから逃れることができるでしょう。
④塾や予備校の受験のプロに頼る
対処法の4つ目は受験のプロである塾や予備校に頼ることです。
浪人をする前に、自力で勉強できると思っていた人の一部が塾や予備校にサポートを求めるケースは珍しくありません。
自学自習をするには、自分の弱点を把握して適切な学習計画を立案する必要があります。
しかし、自分1人の力で弱点を把握したり学習計画の立案をするのは大変です。
進捗管理や学習計画の立案についてプロのアドバイスを受けることで、自分自身は勉強に専念でき、焦りやつらい気持ちから解放されるかもしれません。
浪人することが決まったら、勉強を早く始めることが大切
浪人することが決まったなら、とにかく勉強を早く始めることが大切です。
浪人してしまうと最初の頃は気が抜けてしまい、なかなか勉強に手をつけられないことも多いでしょう。
そうしているうちに春休みに入って卒業旅行にも行ったりしていると、結局予備校が始まる4月頃から勉強を始める人がほとんどです。
気分転換も必要ですから、卒業旅行に行ったり遊んだりすること自体は全く問題ありません。
しかし、予備校が開いてなくても勉強自体は自分1人ですることもできますから、この1ヵ月を無駄にする手はありません。
メリットは1ヵ月分の余裕を作れる
勉強を早く始める最大のメリットは、約1ヵ月間の余裕を作れるという点です。
1年間も勉強する期間があるしまだ大丈夫と思いがちですが、実際に本当に余裕で合格できる人はそう多くはありません。
きっと今回の受験でも、本当は余裕を持って合格できるはずが段々とスケジュールに無理が出始め、「あと1ヵ月あれば合格出来たのに」なんて考えた人も多いはずです。
そうした悔しい思いをしないためにも、早めに勉強を始めて他の受験生から一歩リードしておくことが大切になるでしょう。
たかが1ヵ月ですがされど1ヵ月です。
1ヵ月あれば単語帳や参考書を1冊終わらせられたりと意外と出来ることは多いはずです。
武田塾でも1~3月までに入塾する人の合格率は高い?
ちゃんと調査した正確なデータではありませんが、武田塾においても1~3月くらいに入塾してくれた方の合格率は比較的高い傾向にあると思われます。
武田塾はいつでも入塾を受け付けているため、入塾時期は人によってかなりバラバラです。
なかでも、早いうちから無料受験相談に来てくれた方は「次は絶対に志望校に合格したい」という強い思いを持っていることが多い様に思います。
「合格のためには早い時期に武田塾への入塾が必要」という話では無く、「それくらい早い時期から勉強を始められる人の合格率は高い」ということだけは理解してもらえると嬉しいです。
武田塾ではいつでも無料受験相談を受け付けていますので、入塾するかどうかに関係なく、受験でお悩みのことがあったら一度お気軽にご相談ください。
浪人は鬱になってつらい?心が疲れたときの対処法も紹介!|まとめ
正直に言えば、浪人生は非常につらいことばかりです。
そのため安易な気持ちで浪人することはおすすめできません。
しかし、浪人してでも志望校に合格したいという強い気持ちがあるなら、気を抜かずに浪人を決めた直後から勉強を再スタートすることが大切です。
早く勉強を始められればその分他の受験生に差をつけることができ、1ヵ月リードした状態で受験をスタートすることができるようになります。
次こそは絶対に志望校に合格したいと思っているなら、ぜひ浪人が決まった段階で勉強をスタートしてみてはいかがでしょうか。