武田塾では「4日進んで2日戻る」という「4日2日ペース」の復習サイクルを推奨しています。
これは受験勉強で最も大切な「復習」を忘れずにしっかりと行うための勉強法で、ひと通り勉強したタイミングで復習を挟むことで、確実に内容を定着させる狙いがあります。
今回は、なぜ復習が大切なのか、「4日2日ペース」とはいったいどんな勉強法なのか、どのように進めれば良いのかについて詳しく解説していきたいと思います。
「復習をする最適なタイミングがわからない」という受験生はぜひ最後まで読んでみてください。
受験勉強で一番大切なのは「復習」!
受験勉強において、最も大切なのは日々の復習を着実に行うことです。
というのも、復習することで学んだ内容を定着させ、問題が解けるようになるからです。
受験勉強とは本番である入試で合格するための勉強であることを考えると、最もよいのは問題を解ける状態をキープしておくことではないでしょうか。
しかし、現実には何もしないで学んだことを100%記憶し続けることは困難なため、定期的な復習がとても重要だといえます。
エビングハウスの忘却曲線とは
復習に関する有名な考え方として「エビングハウスの忘却曲線」があります。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは人の記憶が時間とともに薄れてしまうことについての実験を行いました。
エビングハウスは無意味な3つのアルファベットの羅列を大量に暗記させ、どのくらいの時間で忘れてしまうかを調べました。
時間の経過 | 忘れた割合 |
---|---|
20分後 | 42% |
60分後 | 56% |
1日後 | 74% |
1週間後 | 77% |
1ヶ月後 | 79% |
これをみると、時間が経過するごとに覚えた知識が忘れられていることがわかります。
単純暗記で覚えた記憶は1ヶ月で8割方忘れてしまうため、一夜漬けで短期的に覚えても長期的に覚えておくことはできません。
復習のタイミングはいつがいい?
上述のエビングハウスの忘却曲線からもわかるように、人は覚えた知識をどんどん忘れてしまいます。
しかし、適切なタイミングで復習すれば忘れた知識を思い出すことができます。
ここからは、復習を行うべき3つのタイミングについて確認しましょう。
▶確認テストを受けた後
学校や塾で確認テストを受けた後の復習も効果的です。
確認テストは習ってから一定期間が経過した後で受けるため、定着していない部分を洗い出すのに適しています。
そのため、確認テストで得点できない部分は「知識の穴」といってもよい部分ですので、早急に補強しなければなりません。
確認テストで間違えた部分を復習することで、時間が経過して忘れてしまった知識を再び思い出すことができるでしょう。
▶定期テストの返却直後
定期テストも復習するのによいタイミングです。
多くの学生は定期テストが終わるとテスト終了モードに移行してしまい、テストのことを忘れてしまいますが、とてももったいないことです。
定期テスト問題のうち、不正解だった部分や正解してもあいまいだった部分を解きなおすことで学力の底上げができるでしょう。
▶模擬試験の受けた後
定期テストと同様に、模擬試験も解きなおしをせずに放置するケースが見られます。
模擬試験は範囲が広いため事前に対策するのは困難ですが、その分、自分の知識の穴を探すのにとても向いています。
模擬試験で失点した箇所は入試本番でも得点できない可能性が高いため、可能な限り早くフォローしなければなりません。
模擬試験の場合は終了直後に模範解答を配布することが多いため、あまり日を置かずに間違えた部分を復習しましょう。
勉強は復習サイクルが重要!武田塾の「4日2日ペース」で勉強しよう
このように復習は受験勉強で非常に大切なことなのですが、ついつい軽視してしまい、きちんと復習が行えていない受験生は意外と多いです。
そこで武田塾では、復習することを前提に考えた「4日2日ペース」での勉強法を推奨しています。
この4日2日ペースとは、1週間のうち4日は普通に勉強を行い、その後の2日間のタイミングで復習をし、最後の1日で確認テストを行うというものです。
4日2日ペースの復習サイクル|3つのメリット
4日2日ペースの勉強法には大きなメリットが3つあります。
・1週間で勉強した範囲を確実に身につけられる
・何をどのくらい勉強すべきかの「先を見通す力」がつけられる
・自信がつく
「4日2日ペース」では2日かけて勉強したことを確認し直すことができるため、1週間で勉強した範囲を確実に身に着けていくことができます。
さらに、この勉強サイクルに慣れてくれば、いつまでにどれくらいの範囲を終わらせることができるかをなんとなく予想できるようになってきます。
自分の勉強ペースの予想が立てられるので、合格までの年間計画を無理なく組むことが可能です。
また、4日2日ペースの勉強法は自信に繋がるというメリットもあります。
毎日勉強した範囲を完璧に仕上げるのは大変ですが、勉強サイクルを崩さずに進められれば最後に確認テストでも100点を取れるようになり、今までに無い達成感を感じられることでしょう。
今までの勉強サイクルと比較しても、確実に実力が付いていることを実感できるはずなので、「やればできるんだ!」という自信に繋がります。
4日2日ペース①最初の4日間は普通に勉強を進めよう
1週間の勉強のうち最初の4日間は普通に勉強を進め、まだ解いたことが無い範囲の問題にチャレンジしましょう。
例えば参考書や問題集を10問ずつ解くことを目標としているなら、1日目は10問目まで、2日目は20問目という風に解いて4日で40問を解くことができますね。
このとき、問題を解く時のコツとして「問題をできるものとできないものに分けておく」というものがあります。
現時点でできているものはもう既に身についている可能性が高いので、それ以上やる必要はありません。
逆にできなかったものはどうすれば解けるのかを確認した上で、受験本番までに解けるように対策しておく必要があります。
「答え合わせをしただけ」にならないよう注意!
また、この最初の4日で注意しておきたいのが「ただ問題を解いて答え合わせをしただけ」にならないようにするということです。
例えば1日10問ペースで解いているなら、「その日の夜に確認テストをされても10問全て正解できる」という状態にしておかなければなりません。
ただ解いて答え合わせをしただけだと解けない問題が解けないままになってしまっているので、そうならないよう解き方までしっかり確認しておきましょう。
これを4日間やりきることが、4日2日ペースの勉強法の第一歩です。
4日2日ペース②2日間で復習をしよう
4日間勉強したら、このタイミングで2日間の復習を挟みます。
1日10問ペースで進めているならこの時点で40問が終わっているはずですので、5日目はその40問の復習から始めます。
40問を見直してみると忘れている内容も出てくるため、その内容を重点的に復習するのが5日目にやるべきこととなります。
例えば、40問中25問しか正解できなかったら、残りの15問を正解できるように解き直しましょう。解けなかった問題が完璧にできるようになったら5日目が終了です。
6日目もやること自体は5日目と同じです。
ただ6日目の方が解けるようになっている問題は多いかと思いますので、正解したけど不安な問題や理解が完璧じゃないと感じるところを重点的に進めるようにしましょう。
もし6日目の夜に40問のテストを出されても、全ての問題に正解できるような状態にしておくのが理想です。
最初から正解している問題は見直さなくても良い?
最初の4日の段階で既に間違えずに解けるようになっている問題もあるかもしれませんが、その問題もできれば見直すようにしましょう。
確かに4日間にやった全ての問題、今回の例であれば40問の全てを見直すのは大変な作業かもしれません。
しかし、正解していた問題もたまたま解答できていたものがあったり、解けると思っていてた問題が解けなくなっていたということも起こってくるでしょう。
ほんの少しの時間でも良いので、全ての問題を一度見直してみることをおすすめします。
解いてみて一瞬でも解き方に迷ったらバツ、というふうに判断すれば見直しも短時間で終わるのでおすすめです。
4日2日ペース③7日目は確認テストで仕上げをしよう
ここまで6日間やりきることができれば、きっとどの問題を出されても完璧に答えられるだけの実力が身についているはずです。
7日目は今までやった問題の中からランダムにテストを行い、本当に解けるようになっているか確認しましょう。
武田塾生の方は週に1度の確認テストを行います。
武田塾ではこの確認テストの合格ラインを8割としていますが、これはあくまでも最低でも8割は取ってほしいというラインです。
ここまでしっかりやっていれば、ケアレスミスなどで何問か落としてしまったとしても8割ほどだと思いますが、この確認テストで100点目指して勉強することが大切です。
計画に間に合わせることを優先するのはNG!
ただ、どうしても4日間で計画していた分の問題が解ききることができないケースもあるでしょう。
そうすると計画に間に合わせることを優先してしまい、復習をするはずだった2日間も新しい問題に着手することになりがちですが、これは絶対にやってはいけません。
その時の計画は見た目では上手くいっていたり、週1の確認テストはなんとか凌げるかもしれませんが、長期的に見ると実力はほとんど付いていません。
無理に計画に合わせるくらいなら、できたところまでを完璧に仕上げることを優先したほうが、結果的に受験本番でも点数が取れるようになるでしょう。
勉強が怪しいと思ったらノートを確認
「計画を間に合わせるために復習がしっかりできていないかも?」と思ったらノートを見返してみることをおすすめします。
間違えた問題をきちんと復習していれば、その問題はノートに何回も登場するはずです。
逆に、間違えた問題の登場回数が少なければ「復習ができていない」ということなので、登場回数が少なかったら注意したほうが良いかもしれません。
受験勉強は自分に合った勉強サイクルが重要!|まとめ
受験勉強で最も大切なのは定期的な復習です。
4日2日ペースの勉強法では、4日普通に勉強し2日間復習を行い最後の1日で確認テストを行うことで、復習を前提とした勉強ができるようになります。
この勉強法ならやった範囲を確実に解くことができますし、自分の勉強ペースも把握でき計画も立てやすくなるのでおすすめです。
復習を確実に行うためにも、武田塾推奨の4日2日ペースの勉強法を試してみてはいかがでしょうか。
武田塾では、通塾している生徒の学習管理に力を入れております。
武田塾の全ての校舎で「無料受験相談」を受け付けておりますので、勉強方法や復習サイクルについて悩んでいる方は、ぜひ一度武田塾に相談にいらしてください。