日本史は覚えなくてはいけない知識が非常に多く、暗記の量も膨大なため、専攻している人の中でも苦手という方は少なくないと思います。
しかし、日本史は「流れを覚える」を最初に行うことで、その後の理解度が一気に高まります。
当記事では、
・日本史の流れの覚え方
・流れを把握する時に使える参考書
・オリジナル年表の作り方
・共通テストで問われやすい範囲
について、詳しくご紹介していきます。
「日本史の覚え方がわからない」「短期間で効率よく覚える方法が知りたい」という方はぜひ最後までご覧ください。
日本史は流れの把握を意識しよう!
日本史を覚える上で最も大切になってくるのが「歴史の流れを意識する」ことです。
日本史は単語を暗記しただけでは共通テストや私立大学の一般試験の問題を解くことはできません。
ここでは、流れを把握する勉強法について詳しくご紹介していきます。
まずは日本史の幹を作ろう
これから日本史の勉強を始める場合、まずは「大きな流れを覚える」ことを意識しましょう。
日本史は覚える単語や事件が膨大です。まずは大まかな流れを覚え、それから細かい知識をインプットしていくことで効率よく知識を蓄えることができます。
つまり、最初から難しい知識などを全て覚える必要はないのです。
大きな流れを暗記する際は、以下のポイントを意識しましょう。
・その人物がいた時代に起こった事件
まずはそれぞれの時代で起きた大きな出来事から覚え、日本史という一連の歴史を流れで理解することから始めることをおすすめします。
その後細かい用語を覚える
流れを理解した後は、それぞれの時代の細かい知識をインプットしていく勉強に移ります。
1つの時代を思い浮かべた時に、中心人物、行った政治、戦争などをすべて説明できるレベルを目指しましょう。
特に以下の知識は共通テストなどで問われやすい分野のため、試験当日までにある程度説明できるようにしておくことが大切です。
・藤原氏
・執権
・将軍
・総理大臣
難関大学を志望している方は、総理大臣を初代から最新まで問題なく答えられるようにしておくと、並べかえ問題などが出た時も安心です。
日本史が苦手な人は「年表」を使った勉強もおすすめ
歴史の流れを勉強する時、「いつ、だれが、何をした」がぐちゃぐちゃになってしまうこともあると思います。その時に効果的なのが「年表」を使った勉強です。
年表は、「いつ、だれが、何をした」を完結にまとめることができ、日本史全体の流れを復習する時にとても使いやすい勉強材料になります。
教科書や参考書は各時代の出来事を細かく説明しているため、日本史全体の出来事をサラッと復習しづらいです。その点、これなら自然と歴史の流れに沿って勉強の復習ができますし、人物と出来事、年号を関連づけて覚えることもできます。
オリジナル年表を使った勉強方法については、下記で詳しくご紹介しています。
【シーン別】流れを覚えるおすすめの講義系参考書3選
歴史の流れを覚えるためには、講義系参考書を活用した勉強が効果的です。
しかし、日本史の講義系の参考書は様々な種類があり、志望する大学や日本史の進捗度によっても適した1冊が変わってきます。
ここでは、シーン別におすすめの講義系参考書を3冊厳選してご紹介します。
金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本
名前 | 金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本 |
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出版社 | ナガセ |
ページ数 | 272ページ |
難易度 | 日本史の基礎固めができ、難易度は低め |
おすすめシーン | ・これから日本史の勉強を始める人 ・日本史の勉強時間があまり取れない人 |
これから日本史の勉強を始めたい方におすすめなのが、金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本です。
教科書や資料集などに比べて、日本史の重要なポイントを噛み砕いて説明しているため、初学者の方でも理解しやすいのが特徴です。時代の流れと因果関係を教えてくれるため、出来事を整理しながらインプットできます。
しかし、日本史の情報としては必要最低限に集約されているため、難関大学志望の方はこの本だけでは厳しいでしょう。
最初の1冊や短期間で日本史の大まかな流れを掴みたい時に活用できる1冊です。
詳説 日本史B
名前 | 詳説 日本史B |
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出版社 | 山川出版社 |
ページ数 | 454ページ |
難易度 | 固い言い回しで表記されているため難易度は高め |
おすすめシーン | ・難関大学志望者 ・すでに日本史の流れをある程度押さえている人 |
詳説 日本史Bは、高校の日本史の教科書として導入しているところも多いため、すでに持っている方もいらっしゃるかと思います。
大学入試、特に共通テストに関しては教科書から出題されるパターンが多いため、参考書だけではなく教科書を使って勉強することも大切になってきます。
この本は細かな知識まで記載されているため、1冊しっかりとインプットすることで、共通テストはもちろん、難関大学の問題にも対応できるようになります。また、試験で使える言葉を凝縮して扱っているため、覚えた分だけ記述に使えるところも良い点です。
しかし、読解に知識が必要なので、少し読むのに苦労するのがデメリットです。
石川 日本史B講義の実況中継シリーズ
名前 | 石川 日本史B講義の実況中継シリーズ |
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出版社 | 語学春秋社 |
ページ数 | ①362ページ ②387ページ ③437ページ ④364ぺージ |
難易度 | MARCH~早慶レベルに対応しているため、難易度は高め |
おすすめシーン | ・早慶志望 ・日本史の勉強時間をある程度取れる人 |
石川 日本史B講義の実況中継シリーズは、①原始~古代、②中世~近世、③近世~近代、④近現代の4冊に分かれており、共通テストから早慶まで大抵の問題に対応できるのが魅力です。
通常の参考書ではあまり触れることのない文化史や資料など、大学受験で問われる知識が充実しているため、シリーズをしっかりとやり込むことで「初めて見る問題」を限りなく減らすことができます。
しかし、1冊あたりの内容量が多く、雑談形式で学ぶ箇所もあるため、短期間で日本史をインプットする場合は向いていないでしょう。
オリジナル年表で勉強する方法とは?
年表を使った勉強方法の中でも武田塾が特におすすめしたいのが”オリジナル年表”を使った勉強方法です。
この方法は自分の知識を年表として整理することで苦手な範囲が一目でわかるおすすめの覚え方です。
オリジナル年表を使った勉強法とは一体どのようなものなのか、詳しくご紹介していきます。
やり方①ノートの左側には為政者の名前を書こう
歴史を勉強する上で最も重要になる人物と言えばその時代の為政者、つまり政権を握っている人ですよね。
オリジナル年表を作る際は、まずノートの左側にその時代の為政者の名前を順番に書いていきましょう。
例えば、平安時代までなら主に天皇の名前が書けますし、鎌倉時代なら執権、室町・江戸時代なら将軍の名前を書くことができると思います。
明治時代以降は総理大臣の名前となります。
為政者の名前を順番に書いていくことでその時代の流れを把握できるのはもちろん、総理大臣の並べかえ問題などにも対応できるようになります。
やり方②ノートの右側にはその時代の出来事を書こう
ノートの右側には、その時代に起こった出来事などを書きます。
例えば、左側に書いてある為政者がやったことや、その為政者に関連する出来事などを書くと良いでしょう。
他には為政者の他に力を持っていた人物や、その人が行ったことなども書き出すと良いかもしれません。
事細かに書き出す必要はありませんが、重要なポイントを思い出せるかどうか、思いつく限り箇条書きで書き出してみましょう。
やり方③あやふやなポイントを復習しよう
やり方①とやり方②を縄文・弥生時代から現代に至るまで一通りやってみると、自分の記憶があやふやな部分が出てきたはずです。
例えば「〇〇の次の天皇って誰だっけ?」「この将軍は何をしたんだっけ?」など、ノートが空白になってしまっている部分がそれに該当します。
要するにそこが自分が苦手としているポイントとなるので、そこを重点的に復習することで日本史の苦手を潰していける、というわけです。
このように年表の形式で出来事や人物を書き出してみることで、出来事の順番を整理しながら自分の苦手な部分を洗い出すことができます。
ご紹介したように歴史は一問一答で答えられれば良いわけではなく流れや順番、因果関係などを含めて暗記することが大切です。
この方法は日本史だけではなく世界史でも使えるので、ぜひオリジナル年表を使って歴史の総復習をしてみてはいかがでしょうか。
苦手な部分を細かく年表にしてみるのもおすすめ
全体の振り返りだけでなく、苦手な部分を勉強した後にちょっと細かいオリジナル年表を作って振り返りをしてみるのもおすすめです。
特に早慶などの応用レベルになると政権の順番だけではなく、どの政党とどの政党がいつ合流し、いつ分裂したのかなど細かいところまで出題されるようになります。
そこまで覚えようとすると流れもかなり複雑になるため、1度オリジナル年表としてまとめ直してみるのがおすすめです。
オリジナル年表を作ることは覚えたことを再度記憶に定着させるという効果もあるので、全体の復習だけでなく様々な場面で活用してみてください。
おすすめの年表の覚え方・勉強のコツ
日本史が苦手な人の中には、年表自体に苦手意識を持っている方も多いかもしれません。
特に年号がなかなか覚えられずに苦労している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで少しでも年表暗記の助けになるよう、年表の覚え方や年表勉強のコツをご紹介します。
覚え方・コツ①まずは基本の語呂合わせから
重要な年号に関しては、まずは一般的な語呂合わせで覚えてみてはいかがでしょうか。
使い古された方法ではありますが、その分インターネットや書籍などで語呂合わせで覚える勉強法はたくさん開発されています。
なにより単純で頭に残りやすいので、どうしても覚えられない年号があったら語呂合わせが無いかどうか調べてみることをおすすめします。
覚え方・コツ②年号よりも順番が大切
年号の暗記も大切ではありますが、実は年号だけを答えさせる問題自体はあまり出題されません。
それよりも出来事を年代順に並び替える問題の方が出題されたりすることが多く、年号は問題を解くためのヒントや補足情報として使われることが多いです。
そのため必ずしも全部の出来事の年号を完全に暗記する必要は全く無いので、基本的には重要だと思われる部分に絞って年号の暗記をするようにしてみてください。
また、年号よりも出来事の因果関係や順番の方が問われやすので、どちらの出来事の方が先だったかなど、順番だけは確実に覚えるようにしましょう。
覚え方・コツ③時代で区切らず勉強しよう
よく歴史の勉強と言えば、「鎌倉時代」や「江戸時代」など、1つの時代で区切って勉強する方法を思い浮かべるかもしれません。
しかし、時代が変わるときは歴史の転換点で重要な出来事が起こっていることが多いので、そこも重点的に勉強すべきポイントとなります。
特に年表では流れにそって出来事がまとめられているので、時代ごとに区切ってしまうと重要なポイントが分断されてしまい非常にもったいないことになります。
その時代を集中して勉強したいというとき以外は、ぜひ時代ごとに区切られていない年表で勉強することをおすすめします。
共通テストの日本史対策!押さえておきたい範囲
共通テストの対策も、上記でご説明した通り日本史の流れを押さえてから、細かい知識をインプットしていく勉強法が重要になってきます。
それに加えて、共通テストで出題されやすい範囲も重点的に押さえておくことで、さらにミスを減らすことができ、満点を狙うことも可能になってきます。
ここでは、共通テストの日本史で押さえていきたい範囲を4つご紹介していきます。
①文化史
1つ目は、文化史です。
共通テストは「写真問題」がよく出題される傾向にあるため、写真を見た時に何を指しているのか、そしていつの時代のものなのかをしっかりと答えられるように準備しておく必要があります。
図説や図録をしっかりと読み込み、勉強中に文化史の問題が出てきたら図説を使ってビジュアルの確認を行う癖をつけましょう。
そして、写真を見ただけで何文化なのかをしっかりと言えるようにしておきましょう。
②資料(史料)問題
2つ目は、資料(史料)問題です。
資料(史料)問題は、受験生の中でも苦手とする人が多い分野です。問題では知らない情報が出題されるため、焦って適当に答えを選んでしまい、間違えるというケースが非常に多いです。
しかし、資料(史料)問題は知らない知識だからこそ問題に資料(史料)を載せて出題しています。つまり、資料に答えが書いてあるのです。
現代文や古文に近いものだと思って取り組みましょう。
また、資料(史料)問題が出た場合は、文章や文献の「キーワード」に着目しましょう。元号などのキーワードに着目し、「●●時代のことを言っている」と特定できれば、全文現代語訳しなくても解ける問題があります。
③庶民の生活に関する問題
3つ目は、庶民の生活に関する問題です。
日本史は戦争や●●の戦いなどが注目されますが、共通テストではあまり参考書で大々的に触れられない「庶民の生活」に関しても出題されます。
室町時代の商業は□□
江戸時代の農業は△△
庶民がどのような生活をしていたのか、商業や農業はどのようなものが盛んだったのかを各時代ごとに理解しましょう。
④テーマ史
4つ目は、テーマ史です。
テーマ史は様々なものがありますが、共通テストで問われやすいものは以下のようなジャンルとなっています。
・社会主義の歴史
・女性の人権の流れ
・思想など
テーマ史は登場人物がマイナーなことが多く、名前や顔が思い出しずらい範囲です。
そのため、教科書や参考書を読んだときに「ここ出題されたら嫌だな...」と感じる範囲があれば、時間をかけてしっかりと理解し、弱点をなくしておくことが大切になってきます。
他にも、過去問で自分の苦手分野をあぶりだし、単発的な復習ではなく流れを通して復習することもテーマ史の対策になります。
日本史の流れを覚える方法とおすすめ参考書!共通テストの対策|まとめ
今回は、日本史の流れを覚える方法とおすすめの講義系参考書についてご紹介しました。
重要なポイントをもう1度おさらいします。
・講義系参考書を使って一連の流れを把握する
・年表を使った覚え方も効果的
・共通テストで問われやすい範囲も合わせて押さえる
日本史は、「大まかな流れを覚える」⇒「細かい知識をインプットする」の勉強法が最も効果的です。
講義系参考書やオリジナル年表を活用して、まずは日本史の大まかな流れを把握することから始めましょう。
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