コラム

アクティブラーニングは効率が良い?メリットやデメリットを解説

2020年11月30日(月)

近年注目されている学習方法の一つに、「アクティブラーニング」というものがあります。

アクティブラーニングとは生徒の自主性を重視した学習方法のことで、これからの時代で大切になる自主性を育める教育方法として積極的に導入されています。

今回は、このアクティブラーニングのメリットやデメリット、効率などについて詳しく解説していきたいと思います。

小学校から大学、企業まで幅広く取り入れられ始めている学習方法ですので、ぜひご覧ください。

アクティブラーニングってどんな学習法?

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アクティブラーニング」とは「能動的学習」とも呼ばれ、「学習者が自分から能動的に学習を行う」ことを言います。

これまで、学校での勉強と言えば先生の話を聞くことが中心で、黒板をノートに写すだけなど”受動的な学習”になってしまうことがほとんどでした。

もちろんそのような学習も大切ですが、それだけでは自分で考える能力が衰えてしまい言われたことだけしかできなくなってしまいます。

そこで、知識を取り入れるだけでなく、得た知識を活かして自分で問題解決を行う能力を養うために取り入れられたのが「アクティブラーニング」というわけです。

アクティブラーニングが取り入れられた背景

現在、アクティブラーニングは文部科学省などを中心に積極的に教育の現場に取り入れられています

この背景には、AI(人工知能)など急速なIT技術の発達と、日本の教育の遅れという2つの要因があります。

まず、近年ではIT技術などが急速に発達したことによりAIやIoT、ロボットといった新しい技術が次々と生み出され、それに伴って社会の仕組みも急速に変化しました。

このように、これからの時代は社会構造が激しく変化してゆくと考えられており、そのような社会で活躍できる柔軟な対応力を持った人材が必要とされているのです。

しかし、これまでの日本の教育は先生が一方的に教えるというスタイルのものがほとんどで、自主性や問題解決能力といったものはあまり重視されてきませんでした

このような背景もあって、急速に変化する社会で日本がこれ以上遅れをとらないよう、アクティブラーニングが活用されるようになったのです。

特に、日本はIT技術に関して他の国々に遅れを取っていると言われていますし、少子高齢化など様々な問題も抱えています。

そんな状況の中でも国際社会で活躍し国内外の問題に対応できる優秀な人材を育成する方法として、アクティブラーニングが期待されているのです。

アクティブラーニングの実施例

アクティブラーニングは「生徒が能動的に行う学習」の総称であるため実施方法も様々なものがありますが、基本的にはグループワークでの意見交換が中心となります。

例えば、”Think-Pair-Share”という方法では自分で考えた意見(Think)を隣の人(Pair)と共有(Share)し、最終的に全体で話し合うという方法があります。

自分で考えることと他人との意見交換を簡単に実践できるので、非常にアクティブラーニングらしい方法と言えますね。

他には”ラウンドロビン”という方法もあり、こちらはグループを作って順番に自分の意見を発表していくという方法です。

また、匿名でアンケートを取ることができる”クリッカー”などのシステムを活用し、アンケート結果をもとに議論を行う”ピアインストラクション”と呼ばれる方法もあります。

このようにアクティブラーニングは決まった実践方法があるわけではなく、現在でも様々な方法が模索されている最中です。

この後ご紹介するようなメリット・デメリットも実践方法によって多少異なるため、どのような方式が合っているのかをよく考えてから選ぶことが大切になります。

アクティブラーニングのメリットは?

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アクティブラーニングの代表的なメリットとしては、やはり「問題解決能力」を育めることが挙げられます。

これまでの学習は一方的に与えられた問題に答えるのみでしたが、アクティブラーニングなら答えのない問題に対しても試行錯誤しながら最善の答えを見つける能力が身につきます

また、今までのように受動的になっていれば良いのではなく自分から学ぶ姿勢が求められるため、学習に対する主体性が身につくことも期待できるでしょう。

更に、その過程でコミュニケーション能力や社会性が身につくのもアクティブラーニングのメリットの1つです。

アクティブラーニングは個人で行うものではなく、集団で問題を解決することを前提としていることがほとんどです。

そのような状況では自分の考えを正確に伝えたり、逆に他人の意見をしっかりと理解することが大切になるため、自然と対話能力が鍛えられます。

これらの能力は受験などですぐに役立つものではありませんが、社会に出た後など主体性が試されるようになったときに活かされるものと言えるでしょう。

アクティブラーニングのデメリット・問題点は?

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これからの社会で役立つ能力を育むことができるアクティブラーニングですが、デメリットや導入時の問題点も少なくありません。

実際に発生した導入時の問題点なども踏まえて、アクティブラーニングのデメリットをご紹介します。

デメリット①生徒の主体性依存になってしまう

アクティブラーニングは生徒同士の意見交換などを中心として行われるため、成功するかどうかは生徒が積極的に参加してくれるかどうかに依存してしまうというデメリットがあります。

全員が積極的に意見交換をしてくれればアクティブラーニングで期待されている効果が得られますが、現実はそうではありません。

自分の意見を言うのが苦手な人やそもそもやる気が無い人もいるため、場合よってはアクティブラーニングを行ってもあまり効果が得られない場合もあります。

アクティブラーニングは主体性を育むものではありますが、期待される効果を得るためには最初からある程度主体性を持って参加してもらう必要があることに注意しなければなりません。

デメリット②授業の準備・実施が大変

普段の授業と違いグループワークをしなければならないため、時間の確保や実施が問題となります。

まず、現在組まれている時間割に加えてアクティブラーニングを実施することになった場合、普通の授業の時間を減らしたり追加の時間を設けて実施しなければなりません

グループワークを中心に行うのである程度長い時間がかかることを想定する必要もあります。

更に、教える教員側がアクティブラーニングの方法や目的などを正しく理解する必要もあるため、そういった諸々の準備に時間や労力がかかります。

アクティブラーニングを実施している最中も大変で、生徒にやり方を正しく説明したり、グループワークが適切に行われているか確認する必要もあります。

加えてアクティブラーニングを行った評価をするのも問題点が多く、どのような基準でどのように生徒を評価するのかを簡単には決められないというデメリットもあります。

デメリット③受験などに対しては効果が無い

アクティブラーニングのメリットでもご紹介したように、アクティブラーニングはあくまでも大学や社会などある程度自主性が重要になってから効果を発揮する学習方法です。

小中高で実施すること自体は非常に重要なことですが、そこで身に付けた能力が受験において活かせることが少ないというデメリットもあります。

受験では主に与えられた問題に対して正しく答える能力を問われるため、アクティブラーニングの目的である”自主性”が問われることはあまりありません。

また、アクティブラーニングばかり実施しすぎると、本来受験で使う知識を勉強する時間が減ってしまうため、アクティブラーニングだけをやっていれば良いというわけでも無いということに注意してください。

アクティブラーニングは効率が良い学習方法?

ここまでご紹介してきたように、アクティブラーニングはあくまでも自主性や社会性を身に着けることを目的とした学習方法です。

そのため、受験で役立つような能力を得ることができるわけではなく、効率的に知識を取り入れるための方法でもありません

そもそも、難しい課題に対しては普通の授業でしっかりと基礎知識を身に付けておかないと対応できないこともあるため、アクティブラーニングはあくまでも基礎的な内容の学習を終えた後の発展的な学習であるということを理解しておきましょう。

アクティブラーニングまとめ

アクティブラーニングとは、「生徒が自主的に学習する」ことを重視した学習方法です。

基本的にはグループワークなどを通して、自分で考え他人とその考えを共有し合うことで、自主性や社会性、コミュニケーション能力などを育むことを目的としています。

近年では小学校から高校、大学まで、積極的に導入されている注目の学習方法です。

特に大学ではアクティブラーニングを導入しているところも多いので、受験生の皆さんはアクティブラーニングを受けられるかどうかを志望校選びの1つの基準にしてみてはいかがでしょうか。

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