みなさんは、ドラゴン桜という漫画をご存じでしょうか?
2005年に社会現象ともなったテレビドラマで、低偏差値高校の再建のため学生と弁護士が東大受験に挑戦する様子を描いたドラマで、当時奮起された受験生も多かったようです。
新型コロナウイルスの影響で延期となってしまいましたが、2020年夏に「ドラゴン桜2」の放送も決定しているほどの人気作品です。
東京大学合格までの道のりが描かれており、桜木メソッドと言われる独特な勉強法が大きな話題を呼びました。
今回はそのドラゴン桜で出てきた「学習の成長曲線」とはどのようなものなのかを解説します。
「学習の成長曲線」とは?
そもそもドラゴン桜を見ていない人にとっては何のことかわからないと思うので、ドラマの中で出てくる「学習の成長曲線」について解説します。
グラフのように成績は直線状に伸びていくのではなく、低空飛行から急に伸びていき曲線状にあがっていくという特性を表したものです。
ほとんどの受験生は、直線的に成績が伸びると思っているので、そこで現実とのギャップが生じてしまい、勉強のやる気を損ねてしまうんですね。
これを分かりやすく表してくれているのが、ドラゴン桜の中で出てくる「学習の成長曲線」なのです。
なぜ学習の成長曲線が重要なのか?
ドラゴン桜をはじめ、多くの受験ドラマでこの「学習の成長曲線」が出てきます。
では、なぜこの「学習の成長曲線」が大切なのでしょうか?
結論から言うと、知っているか知らないかで勉強のモチベーションに大きな差が出るからです。
グラフの中にもあるように、多くの受験生が想像している成績の伸び方と実際の成績の伸び方では大きなギャップが生まれます。
このギャップを知らない受験生は、こんなに勉強してるのに成績が伸びないのなら、もう無理だ、、という心理状態になってしまうのですね。
しかし、「学習の成長曲線」を知っている受験生は、成績は一気に伸びるから大丈夫。という心理的余裕が生まれるのです。
このモチベーションというものは受験にとってかなり重要なものであることから、「学習の成長曲線」が重要視されているのですね。
受験以外でも活用できる?
実はこの成長曲線は、受験以外でも活用されることが多いのです。
習い事や趣味のお勉強はもちろん、スポーツなどでも成長曲線の特性があるといわれています。
たしかに成績という面では、受験もスポーツもコツコツ継続しなければならないという点で共通していますからね。
要するに、何事も成果が目に見えるまでには時間がかかるということです。
「学習の成長曲線」を使った実際の受験生の例
では、実際に受験勉強において「学習の成長曲線」の特性のように学力が伸びたという例をご紹介します。
実際にこの特性があることを知っておくと、受験生の方はもちろん親御さんや周りの方まで安心できると思うので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
受験のスタートで出遅れる人は一定数存在する
高校生といえば勉強だけではなく、部活に趣味にアルバイトなど、多くの経験をしていく時期ですよね。
特に部活は、勉強なんてせずに熱中していたという方も多いのではないでしょうか?
もちろん部活も大切です。しかし熱中しすぎるあまり受験勉強のスタートが遅れてしまう人が多いのも事実です。
もちろん人よりスタートが遅れた分、成績が伸びるのも遅れてしまうのです。
部活終了後の3年夏から受験勉強開始
8月から受験勉強をはじめたAさんは、8月時点で無謀ともいわれるほど偏差値が高い大学が志望校でした。
最初の1か月は今まで勉強していなかった分、基礎的なことを身に着けて伸びていったのですが、2か月目以降全く伸びませんでした。
停滞期は3か月4か月と続き、気づけばもう11月です。
多くの受験は1月2月に行われますよね。
そうです。
あと3か月しか猶予がない状態です。
しかし、Aさんは諦めずにいつも通りの勉強を続けました。すると4か月目の後半から成績が一気に伸び始めたのです!
その後も地道に継続し続けた結果、受験直前の1月にも成績アップし最初は遅れていた周りとの差も追いつくことができ、見事志望校に合格したそうです。
実際に部活勢は最終的に追いつくケースも多い
言われてみれば、高校の先生方も部活勢は急に成績が上がるとおっしゃっていませんか?
塾などでも比較的そのように言われることが多いですし、実際に部活をしていた子たちは急に伸びて難関校に進学していく子が多い傾向があります。
なぜか?それは、「部活に熱中できるということは、比較的コツコツ継続することが得意な子が多い」からです。
継続する子が多いので、ドラゴン桜ででてくる「学習の成長曲線」の特性のように急激に伸びる子が多いというカラクリだったのですね。
もちろん、受験勉強は夏から始めたほうがいいと言っているわけではなく、もっと早くからこつこつ継続できていたらもっと伸びます。
ただ、スタートが出遅れても継続することによって追いつける可能性があるという話ですね。
「学習の成長曲線の特性」からみた受験勉強のコツ
長々と解説してきましたが、結局受験において大切なことは何か?疑問に思いますよね。
「学習の成長曲線」の特性からわかった受験勉強のコツをまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください。
必ず停滞期は来る
「学習の成長曲線」の特性のように、成績は停滞期がきて急に伸びます。
それを繰り返して階段状に成績が伸びていき、気づけば最初にいた位置からかなり高いところまできていたりするものなのです。
なので「停滞期がくるのは当たり前」の精神で継続していくと、精神的に楽に受験勉強を続けられる可能性が高いです。
むしろほとんどが停滞期で基本的には伸びないというくらいに思っておいたほうがいいかもしれませんね。
継続を目標にする
「学習の成長曲線」の特性から、正しい方法で継続していれば必ず伸びます。
ですので、成績アップを目標に勉強するのではなく毎日やるべきことを継続することを最低目標にしてしまうのも1つの策略です。
もちろん、最終目標は成績アップです。
しかし、どうしても成績アップを目標にしてしまうと、模試や学校の成績などの数字に踊らされてしまいます。
テストには多少の運も含まれているので、数字は参考にする程度にして、まずは継続して勉強することが最重要ですね。
目標の細分化
受験の目標を「〇〇大学合格!」などにしていませんか?
もちろん最終目標はそれでいいのですが、これだけだとあまりにも漠然としすぎているのです。
まずは目標を細分化して、例えば今月は「参考書一冊網羅・1日1ページ」など、小さな目標をいくつも作るのです。
焦って詰め込みすぎなくて大丈夫です。
結局できなかったら意味がないので、簡単にできる目標にして、これを必ずするようにしましょう。
1日ずつのやりがいは少ないかもしれませんが、「学習の成長曲線」の特性から数か月後にはとても大きな成果に繋がります。
ですので、小さな目標を毎日達成することが受験勉強を継続するコツです。
ドラゴン桜に出てくる「学習の成長曲線」まとめ
「学習の成長曲線」についてご理解して頂けましたでしょうか?
直接勉強にかかわる理論ではなく、精神的な面で非常に有効的な理論でしたね。
やはり、受験勉強においてメンタル面での影響はかなり大きいです。
何事もめげずに継続することが最も大切なのですね。
継続という一見地味なことをコツコツできる人に成績もついてきます。
追い詰められることなく、楽な気持ちで地道に受験勉強を頑張ってください。
この記事が受験生の方や親御さんなど周り方の参考になっていれば幸いです。