英語の最強の学習方法とも言われている“音読”。
ですが、正しいやり方ができていなければ、音読の効果を十分に発揮することはできません。
そこで今回は英語学習の音読について、その効果やメリット、そして正しいやり方とコツを解説していきます。
また、最後には音読に最適なおすすめ参考書も紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
音読の意味や効果・メリットとは?
音読をする意味と言うと、英語を上手く発音できるようになるつまりスピーキング力を鍛えるというイメージをする人が多いのではないでしょうか。
もちろんそれもありますが、音読で鍛えられるのはスピーキング力だけではありません。
リスニング力やリーディング力、さらにはライティング力まで強化することができるんです。
それでは具体的に、音読にはどのような効果・メリットがあるのか見ていきましょう。
音読の効果・メリット①読み飛ばしを避ける
普段黙読している時、もしわからない単語があったり読み飛ばしてしまったりしても、なんとなく内容を掴めてしまうので雰囲気読みになりがちです。
しかし、音読なら一つ一つの単語を発音しなければならないので、文章の読み飛ばしを無くすことができます。
そのため、身についていない単語や文法を着実に身につけていくことができるのが、音読のメリットの1つです。
普段からなんとなくで文章を読んでしまうという方は特に音読がおすすめです。
音読の効果・メリット②文章を認識するスピードが速くなる
音読をするときのスピードは、だいたいその人が文章を認識できるスピードと同じだと言われています。
そのため音読を繰り返し練習してそのスピードを上げていくことで、長文でも段々と早く読めるようになるのです。
また、音読を繰り返していくと文章の構造やフレーズが自然と身に付いていきますので、ライティングのスピードもアップするでしょう。
難関大学の長文問題が制限時間内に読み終わらず解けないという人は音読をしてみてはいかがでしょうか。
音読の効果・メリット③読む順番を強制できる
日本語と英語の文法がかなり違うのは皆さんもご存知の通りですが、それが原因で英語を読む順番が遅くなってしまうことがあります。
例えば、「I live in Tokyo.」という文を読む時、英語ならそのまま
①I ②live ③in Tokyo.
という順番で読みますが、これを日本語に訳そうとすると
①私は ③東京に ②住みます
という順番になり、英語の文章中で1度前に戻るという動作が発生してしまいます。
これが日本人が英語を読む時遅くなってしまう原因で、受験生の皆さんも心当たりがある方が多いのではないでしょうか。
音読をすると文章を前から順番に読んでいくクセがつくので、自然と英語をそのままの順番で理解できるようになるのが音読をおすすめする理由の1つです。
音読の正しいやり方・コツを伝授
ここまで紹介してきたように音読にはさまざまなメリットがあります。
ネイティブ英語の音声をお手本にして話すことでリスニング力やスピーキング力が上がり、英文の認識スピードがアップすることでリーディング力やライティング力まで向上します。
音読の効果を存分に発揮するために、正しいやり方を理解しておきましょう。
音読の正しいやり方・コツ①30分30回目安
武田塾が生徒さんに推奨する音読の勉強法として、30分30回目安というものがあります。
これは、30分を1つの基準として考え、1分で読める英文であれば30分間で30回、5分で読める英文であれば30分間で6回音読をするというやり方です。
もし時間が取れないのであれば、基準の30分を短縮しても問題ありません。
回数ではなく時間単位で区切って取り組めば、効率的で効果的な音読学習が可能となるでしょう。
音読の正しいやり方・コツ②文章が理解できてから音読する
音読学習をするにあたり、大前提としてその英語長文の意味を正確に理解しておく必要があります。
英語長文を精読できていないまま音読をしたところで、何の意味もありません。
英語長文を解いた後、答え合わせをしてすぐに音読するのではなく、長文演習としての復習が一通り終わった後にやるというのが、音読学習の前提となっています。
音読の正しいやり方・コツ③なるべく毎日やるべき
英語を筆頭にした外国語の学習というのは、基礎から1つずつ積み上げていかなければ語学力が身に付きません。
そのため、なるべく毎日音読学習をすることをおすすめします。
他科目の勉強などでどうしても時間が取れないときは、先ほどお伝えした30分30回目安に当てはめた上で、時間を短縮して取り組んでいきましょう。
例えば、10分間だけでも音読の時間を設けて、1分の長文を10回だったり、5分の長文を2回音読してください。
毎日の積み重ねは、確実に英語力をアップしてくれます。
音読の正しいやり方・コツ④オーバーラッピングとシャドーイング
音読の発展的な学習方法として、オーバーラッピングとシャドーイングというものがあります。
オーバーラッピングとは、文章を見ながら英語の音声に合わせて読む方法です。
まさにオーバーラップ=重なるように、元の音声に重ねて読んでいくものです。
それに対してシャドーイングとは、文章を見ずに英語の音声から少し遅れて読む方法です。
シャドー=影のように遅れてついていくということから、シャドーイングと呼ばれています。
どちらもスピーキング力・リスニング力・ライティング力・リーディング力を総合的に鍛えることができる、効果的な音読学習法ですが、慣れるまではかなり難易度が高く感じることでしょう。
特に文章を見ずに音読するシャドーイングは翻訳学校でも取り入れられているほど難しいので、詳しいやり方や注意点などは以下の記事にて詳しくご確認ください。
▶大学受験英語の速読力を高めるシャドーイングのやり方・注意点とは?
音読のおすすめ参考書
それでは最後に、音読学習に最適なおすすめの参考書を3冊ご紹介します。
CDなどリスニング用の音声がついていることを前提として、その中でもさらに音読向きの参考書をまとめています。
音読もできる英語の参考書を新たに探しているという人は、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめ参考書①大学入試英語長文ハイパートレーニング レベル2
長文の1つ1つにSVOCが振られていて解説が非常に分かりやすく、復習もしやすい内容となっています。
また、音読のやり方についても詳しく解説されていて、付属CD以外にも音読向けのコンテンツが充実しています。
このレベルの英語長文で、全文にSVOCの解説があり、かつCDの音声もついている教材は少ないため、音読に最適な参考書と言えるでしょう。
おすすめ参考書②関正生の英語長文ポラリス(2 応用レベル)
全文にSVOCが振られていて、構文や解釈のポイントが細かく載っています。
英語長文で困るさまざまなことについて、すべて分かりやすく解説されています。
英文朗読音声をダウンロードすることができる貴重な教材なので、今の時代であればCDよりも手軽に音読学習に取り組むことができるでしょう。
おすすめ参考書③速読英熟語
英熟語の暗記だけでなく、英語長文の読解力アップにも最適な一冊です。
CDのスピードに合わせてオーバーラッピング、そしてシャドーイングがしっかりとできるようになれば、入試で対応可能なレベルまで身に付いているという1つの目安になります。
こちらはCDが別売りとなっているため注意してください。
音読の効果・メリットまとめ
音読は一見そこまで効果の無い学習法に思えますが、英語の速読力の向上に繋がるなど様々なメリットを持っている大切な学習法です。
特にオーバーラッピングやシャドーイングは読む速度を上げ、読む順番を矯正し、リスニング力まで鍛えることができるのでかなり効率的に英語力を身につけることができるでしょう。
毎日続けることで確実に皆さんの英語力の向上に繋がりますので、ぜひ正しいやり方で実践してみてください。