皆さんこんにちは!武田塾千歳烏山校の林です。
現在東京大学の理科三類一年生です。
コロナ禍でなかなか思うような大学生活が送れていませんが、それでも東大に入ってよかったなと思うことは多いです。(休みが日本一長いとか長くないとか・・・)
あと足りないのは友達との交流くらいですが、日常が戻ってくるのを楽しみに毎日を過ごしています。
林先生が語る今日のテーマは・・・?
さて、今回のテーマは数学です。
いろんなレベルの大学で多くの受験生が頭を抱えるのが「どうしても数学ができない・・・」という悩みだと思います。
共通テストレベルでも苦手な方は少なからずいらっしゃいますし、
最高峰たる東大理系でもその例外ではありません。
客観的な実力はどうあれ、自分の数学力に自信を持てない方をたくさん目にしてきましたし、
私自身最初から数学で無双できるほどの実力を誇っていたわけではありませんでした。
先ほども申し上げましたが、「苦手」にはグラデーションがあり、
「基礎事項が頭に入っていない」人と「共通テストはできるけど難関国公立になると歯が立たない」人を同じように論じることはできません。
ここでは主に後者にスポットライトを当て、自学自習によってどのように数学を克服していくか考えていきたいと思います。
林先生と数学
私の数学学習の遷移をまずは見てみましょう。
中学時代、勉強に明け暮れた私は「中学数学なら無双!」と呼べる仕上がりで高校に入学しました。
ところが入った高校は超進学校。
真面目に勉強して定期テストでは点を取るも、難しい模試ではなぜか同学年の天才に及ぶべくもありませんでした。
どうにかしなければと焦った私は、
「一つの問題に、色々な眺め方でじっくり取り組みなさい」
という先生のアドバイスを受け、分からない問題に会ったらその問題と何時間もにらめっこするようになりました。
(この方法にはもちろんメリットがありますが、致命的な間違いがあります。先生のアドバイス自体は正しいです。後で説明します)
成績は上がらず、試験形式への不慣れもあって夏の東大模試では12/120という点数を取ってしまいます。
(一般的には、理1・2なら50点、理3なら80点は必要と言われています。問題にもよりますが)
その後悪戦苦闘し続けた結果、とうとう現役時代の直前期に自分の勉強法の問題点に気づき、数学の成績が上がり始めます。
自分なりの完成した勉強法を浪人の一学期の間続けた結果、
夏の東大模試では80~90点、
秋の東大模試は102点
までとれるようになり、
自信をもって数学を得意科目の一つと言うことができるようになりました。
林先生の完成させた勉強法!
最終的に完成した勉強法とは、簡単に言ってしまえば「難しい問題を簡単な類題にまで分解する」というものでした。
数学に限らず差がつく問題というのは、できる人とできない人がいる問題です。
数学がなぜか元からできる人というのは、この作業を無意識にできてしまえるから問題が解けるのだと思います。
逆に、一通り数学は勉強したはずなのに難しい初見の問題を前にすると何も思いつかない・・・という人はまだ出来ていない人です。
じゃあどんな参考書をすればいいのかと疑問に思う方がいるかもしれません。
ですがその疑問は実は本質的ではありません。
ある学校のある学年全員が同じ参考書を使っても成績に差が出ることからもそれはわかりますよね。
参考書には役割があり、それを理解すれば特にこだわる必要がないのは理解できると思います。
必要な参考書は二種類です。
「網羅系参考書」と「演習用問題集」。
見分け方は、半ページに例題とその解説、そして演習問題の問題文があるのが「網羅系参考書」。
チャート式やフォーカスゴールド、一対一対応の演習、基礎問題精講などがこれにあたります。
学校で使っているものをそのまま使うのがいいと思います。
それに対し、分野別で問題がたくさん載っていて、答えとは別になっているのが「演習用問題集」。
こちらは代表的なものがなく、無限にあります。
学校で配られたものや自分の気に入ったものでいいと思います。
まず、学校や自学自習により網羅系参考書は一通り学習していることを前提とします。
まだ終わっていない人は全力で最後まで終わらせてください。(終わってからがスタートなので・・・)
そこから演習用の問題集に入っていきます。
頭から順番に問題を解いていくことになるんですが、ここでしてほしい作業があります。
解けない問題はもちろん、解ける問題であっても、
その問題に少しでも似ている問題、解き方が使えそうな類題を網羅系参考書で探してみてほしい。
網羅系参考書も同じように分野別に分かれていますから、同じ単元を探せば見つかりやすいはずです。
そして、その類題との共通点、使える解法を意識しながら、問題集の問題の答案を作ってみてください。
これこそが「問題の本質を掴んで解く」ということです。
「本質」という言葉を使いましたが、この本質をなるべくたくさん自分のものにしていくことが数学の勉強です。
数学が得意な人は、テスト中に類題を思い出すのが上手な人です。
実際の林先生は?
高校時代の僕のミスとは、問題同士の繋がりを考えず、問題をまるで回転ずしのように流れていく作業ゲーととらえてしまったことでした。
自分の中に無いパターンに出会ったとき、網羅系参考書を開いて見直そうともせず、
何時間もうんうんうなって捻りだそうとしていましたが、
効率が良くなかったし時間の無駄だったと思います。
浪人時代に私が使ったのは一対一対応の演習と新数学演習でした。
新数学演習は受験数学トップの問題集の一つで、
一つの問題に対して一対一対応の演習から3~4個の例題を要求されることも少なくなかったですが、
それによって自分の中の解法の引き出しが圧倒的に増えたと思います。
皆さんが新たに問題集を買う必要はありませんが、
少し背伸びして難しい問題集を買って、
今持っている網羅系参考書を片手に難問に挑むというのも皆さんを成長させると思います。
一日3~4問ペースで進められるのがベストです。
「テスト中は参考書を開くことはできず、時間も限られている。普段から実戦を想定すべきではないか」
という方もいるかもしれませんが、
テスト形式の練習はテスト直前でいいと思っています。
時間の使い方は人間比較的楽に操作できますが、
頭の中に無いものはいくら時間をかけても何も生まれません。
勉強において焦りは禁物です。
ゆっくり解いて解けないのに急いで解いて解けるわけがないと思いませんか?
次回予告?
ここまで数学の勉強法についてお話ししました。
少しでも参考になればうれしいですが、ここで続きが気になる終わり方をしたいと思います。
実は私は、東大の試験本番、数学で大失敗し、半分ぐらいしか取れませんでした(笑)
次回は数学という試験科目の恐ろしさと、
それでも合格するための秘訣についてお話しできればと思います。