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さて、「大学入試英語成績提供システムの導入見送り」、いわゆる「英語民間試験導入延期」の勢いで「記述式問題の導入」にも待ったがかかりました。
とはいえ2021年度入試より、「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に変わることはほぼ確実なようです。対策の参考書も続々登場しつつあります。現在発表されていることを元に対策を考えていかなければなりません。
では、「大学入学共通テスト」に変わると具体的に今までと何が変わるのか、受験生のみなさんは把握できていますでしょうか。まさか、「英語民間試験」と「記述式」がなくなった今、従来のセンター試験と変わらないじゃないか!なんて思っている人はいませんか?当初からそれだけではなかったはずですよ。今回は、その変更点を1つ1つ確認していきたいと思います。
その前に、まずはざっくりと確認したい人はこちらの動画をご覧ください。
対策を考える第一歩!「共通テスト」の変更点とは??
大学入試センターによると、大学入学共通テストに向けて3つのポイントを挙げています。
(1) 記述式問題の導入
(2) マーク式問題の工夫・改善
(3) 英語の4技能評価
(1)と(3)については、冒頭でも述べたように導入延期ということになりました。詳細はこちらの記事「英語民間試験導入が延期!4技能試験は受験に有利なのか??」をご覧ください。ちなみに、4技能の資格試験そのものの価値がなくなるのではなく、あくまで、「大学入試英語成績提供システムの導入見送り」ですので、大学ごとの入試要項をよく確認して、必要であれば検定資格を取ることも検討しましょう。
高校2年生に「共通テストで何が変わるか知ってる?」と実際聞いてみると、(3)や(1)の「記述式問題の導入」はみんな答えるのですが、(2)の「マーク式問題の工夫・改善」というのを挙げる人は少数です。
さらに、(2)を挙げる受験生でも「思考力が問われるらしい(?)」や、「難しくなるらしい(?)」と、あまりはっきりとは分かっていない様子です。ましてや対策なんて考えようがない状態です。
では、そのあたり、出題方法と出題内容に分けて、もう少し詳しく見ていくことにしましょう。
対策を考えるために!1.「共通テスト」で出題"方法"はどう変わる?
ここでは、大学入試センターの「出題教科・科目の出題方法等」に沿って見ていくことにしましょう。
数学Ⅰと数学ⅠAの試験時間が長くなる
まず、記述式が導入される予定だった数学Ⅰ・ⅠAですが、記述式延期に伴い試験時間が60分に戻るかと思いきや、2020年1月29日発表の「出題方法等」の変更によると、そのまま70分で実施されるようです。なお、国語は100分ではなく従来の大学入試センター試験と同様の80分に戻されました。
理科の選択問題はなくなる
次に、理科②(物理、化学、生物、地学)の選択問題はなくなり全問必答になります。
英語はリスニングの比重が高くなりリーディングと同等に
最後に英語です。
「英語(筆記)」は「英語(リーディング)」という名称になり配点は200点から100点になり、試験時間は80分のままです。
また、「英語(リスニング)」の配点は50点から100点になり、試験時間は60分(うち解答時間30分)のままです。なお、「英語(リスニング)」の問題音声が流れる回数は、今まですべて2回読みでしたたが、1回読みのものと2回読みのもので構成されるようになります。
英語の配点はリーディングとリスニングで均等になりますが、各大学には科目別得点(リーディング、リスニング別の得点)及びその合計点が提供され、各大学のアドミッションポリシーに基づきリーディングとリスニングの比重を変えることも可能だとされています。
大学によって、リーディングとリスニングが均等に扱われるのか、どちらかが重視されるのか、各大学の募集要項をしっかりチェックするようにしましょう。
対策を考えるために!2.「共通テスト」で出題"内容"はどう変わる?
ここでは、大学入試センターの「問題作成方針」に沿って見ていくことにしましょう。
大学入試センターでは、6つの方針を打ち出しているようです。
第1 問題作成の基本的な考え方
第2 出題教科・科目の出題方法等、問題作成のねらい、範囲・内容等
第3 出題教科・科目の問題作成の方針
第4記述式問題及びマーク式問題の新たな出題形式
第5 障害等のある入学志願者に対する問題の作成等
第6 大学への成績提供等
ただ、今回はこの中から重要になりそうな部分のみを抜き出し、科目ごとの細かい話は別の記事で扱いたいと思います。
センター試験の過去問演習も対策として重要
まず、注目に値するのは、「⼤学⼊試センター試験における問題評価・改善の蓄積を⽣かしつつ,共通テストで問いたい⼒を明確にした問題作成」という記述です。
これは、従来のセンター試験の過去問演習が対策として重要という意味にとれます。実際、試行調査で出題された問題の中には、科目にもよりますがセンター試験で見たような問題が結構あったように思います。
試験が変わるからといってセンター試験の過去問はやらなくてもいいやと考えないようにしましょう。もちろん、60分(あるいは80分)で解かなくても、問題をピックアップしながら解けばよいと思います。
当然、新しい出題に合わせた演習も対策として重要
また、これと並んで、「⾼等学校教育の成果として⾝に付けた,⼤学教育の基礎⼒となる知識・技能や思考⼒,判断⼒,表現⼒を問う問題作成」や「『どのように学ぶか』を踏まえた問題の場⾯設定」という記述があります。
これを見ただけではどう変わるかはわかりづらいと思いますので、先ほどのセンター試験の過去問と同時に、試行調査の問題や、各社の模試・予想問題などで対策し、出題傾向を体得するようにしましょう。
とはいえ、いずれの科目も現行の高等学校指導要領に則って出題されます。出題範囲が変わるわけではないので、今回は過年度生への別問題は作られません。
マーク式問題も変わる!
ついつい、記述式問題の導入というところに目がいきがちになっていたのですが、マーク式問題も新たな出題形式が導入されます。
センターによると、
マーク式問題の新たな出題形式として,いわゆる連動型の問題(連続する複数の問いにおいて,前問の答えとその後の問いの答えを組み合せて解答させ,正答となる組合せが複数ある形式)を「第2」に⽰す問題作成のねらい,範囲・内容等を踏まえて,出題する場合がある。
とのことですが、この記述だけではあまりよくわかりませんね。ここのところはまた別の記事で詳細に扱うことにします。
まとめ
今回は「出題方法」と「出題内容」をざっと確認しました。意外に知らないことがたくさんあったでしょうか。あるいは、「それぐらい知ってるよ」ということばかりだったでしょうか。
しかしまだまだ対策を考えるには不十分かもしれませんので、次回は科目ごとに詳細に見ていきたいと思います。以上、武田塾神戸三宮校の副校舎長で芦屋校の教務担当の川口(現 岡本校 校舎長)でした。
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