1.はじめに
今回のテーマは「国公立志望の受験生!今頑張らないと時間はもうない!」です。
この動画で話したことと被る部分もあるのですが、5月から国公立志望の人たちは本気にならないとダメです。
塾講師として毎年受験生を送り出している私たちとして、夏以降のしんどさを毎年経験しています。
そこで高校3年生の受験生に、「国公立志望の人は、夏以降は本当に大変!今やれることに本気で全力で尽くさないとどんどん遅れてしまうぞ!」という話しをしていきたいと思います。
武田塾の合格者カレンダーで国公立に受かっている人を見ると、やはり5〜6月くらいにある程度合格の兆しが見える人が多いです。
全体でまだまだやるべきことはたくさんあります。
とにかくこの5〜6月では後回しにはもうできない!やらないといけないことが後ろに詰まっているのです。
2.夏以降にやることはこれだ!
文系の人は英国数、理系の人は2次試験に備えて英語数学と理科の1科目を頑張っているとします。
その前提でまだまだ夏以降にやることはたくさんあるということを伝えます。
🔳まず夏以降にやらなければならないこと!
①共通テストの主要教科の対策
主要教科と理・社・情報で分けます。
まずは主要5教科の大変さを知ってください。
ここでいう主要5教科というのは
- 英語リーディング
- 数学Ⅰ・A
- 数学Ⅱ・B
- 数学C
- 国語
2次試験の対策をしていたら共通テストもいけると思っている人が、もしかすると多いかもしれませんが、そんなことは全くありません。
- 共通テストのリーディング
- 共通テストの数学
- 共通テストの国語
これらは本当に難しいです。
大は小を兼ねることは全くありません。
受験生は本当に過酷だと思います。
ここで教科ごとに少し詳しく説明をしていきます。
2-1 英語
国公立の2次試験と共通テストのリーディングでは英語の読みかたが変わります。
共通テストのリーディングでは国公立のどの2次試験よりも時間が厳しいです。
大量の文章を時間内に読み終わらないといけないとなったときに、前から順番に読んでいく英語長文の読みかたでは時間が間に合いません。
そこで森哲先生が出している
『1か月で攻略!大学入学共通テスト英語リーディング』という参考書をオススメします。
この参考書は、大問ごとにこういう風に読んでいったら効率的に早く読めて内容をつかむことができる!という解き方の攻略法がでています。
それを駆使することで共通テストならではの問題の読みかたや解き方を身につけていくことができます。
2〜3日でできることではなく、1か月くらいはやる必要があります。
英語の単語と文法を覚えて解釈もやりました!長文もある程度問題集で解けるようになりました!
というところで対策はバッチリとはならないのです。
加えて共通テストで点を取るタスクが残っているのです。
その対策も今後やっていくのだとわかっていてほしいです。
2-2 数学
次は数学についてです。
数学も英語と同じです。
国公立の2次試験がいくらできたとしても共通テストの数学はそこまで甘くないです。
数学Ⅰ・A / Ⅱ・B の範囲の学習が終わった状態で解いたら50点くらい取れる人は結構います。
今の時期は『数学Ⅰ・A基礎問題精講』が終わり、共通テストの模試を受けてみたら30〜40点くらいだったという人も多いと思います。
むしろ国公立2次試験の過去問や記述模試のほうが点数が良い人もいると思います。
共通テストの数学の一番の厳しさは「時間」です。
決まった時間の中で即答し解いていかないと最後の問題までいきません。
しかも典型問題というよりは、日常の生活を絡めた会話形式や、棒の光の影がといった見たことのないタイプの問題が多く出ます。
読解量が多いというのも特長です。
ここが共通テストの数学の難しさです。
整理すると
【共通テストの数学の難しさ】 ・終わらない問題量 ・計算スピードを上げる必要がある ・文章読解量が多い ・見慣れない問題が多い |
この対策をするためにこれからまた新課程バージョンも出てくる中オススメが『短期攻略 共通テスト数学基礎編』シリーズです。
計算速度を上げる必要がある場合は、この参考書をひたすらやり込むことです。
また1問ずつじっくり考えて解くためとても時間がかかる場合は、
『基礎問題精講』『青チャート』を使うのをオススメします。
しかしそれだけで良いのではなく、共通テスト用にもっと数学の力を研いで磨かないといけません。
そのためにもひたすら計算練習をし、共通テストに合わせた対策をしていく時期というのは絶対必要です。
共通テストの数学の点もしっかりと取れるようにするには苦手な人で3か月、得意な人でも1か月は必要です。
学校で数学Ⅰ・A/Ⅱ・Bの範囲が終わったから大丈夫というわけではありません。
そこから共通テストで点を取るというのは、別の教科の勉強をはじめるという温度感と同じです。
やり方として、2次試験対策をまずやってから共通テストの演習をするほうが数学に関しては上手くいきやすいと思います。
まず数学力を徹底的に高めてから共通テストの数学を専門的に進める必要があります。
2-3 国語
国語は英語と数学との中で言うと一番ましだと思っています。
大問の1個1個はまだ戦いようがあると思いがちですが、今年から大問は5つに増えて現代文の配点も増えて大変になってきます。
一番大変なのは制限時間だと思います。
今までは、現代文の文章を学校の授業とか学校の問題集であればゆっくり読めたかもしれません。
しかし試験では制限時間内で文章を読解し処理しないといけません。
しかも共通テストならではの「The現代文の評論」とかではなく、資料などを読まされる大問が増えています。
したがって独特な読みかたの対策もある程度の時期を設けてやらないとなりません。
『きめる共通テスト現代文』の改訂版が出ると言われています。
そこにはおそらく新傾向の問題の解き方や攻略法とかも収録されているので、そのような参考書を使った専門的な対策をする必要があります。
国語の演習というのは時間配分の練習も兼ねて共通テスト対策をし、直前期の11月〜12月にはやっていないと一筋縄ではいきません。
国語も意外と対策に時間がかかるということです。
共通テストの各大問の対策のために一冊ずつは何かしら対策用に準備するといいです。
予想問題集も国語だけで5年分とか長い人は10年分必要があるとうことは想定し取り組んでください。
オススメ問題集としては例えば
オススメ問題集【例】
オススメ予想問題集【例】
|
この辺りを何回も解く練習をして制限時間内に終わらせる対策をしていくことも、この先受験生には待っています。
だからこそのこの動画の趣旨である「今がんばらないといけない!」「今やりきらないと夏以降に押しつぶされる!」というところになるのです。
2-4 理科・社会・情報Ⅰの対策
共通テストの理科。社会・情報Ⅰの対策はシンプルに情報量が多いです。
文系志望の人 ・社会① ・社会② ・理科基礎① ・理科基礎② ・情報Ⅰ |
理系志望の人 ・理科① ・理科② ・社会① ・情報Ⅰ |
おそらく現時点で進捗がゼロの人が多いと思います。
今の段階だと文系志望と理系志望の人で両方とも社会完璧です!という人は少ないと思っています。
文系の人で理科基礎は完璧ですという人も全然いないと思います。
だからまず理社と英国数を分けたのは、ゼロベースで知識を入れないといけない理社を夏休みに時間ができるからとやる人が多いと思います。
しかし日本史や世界史など重めの科目は6月くらいから暗記しないと間に合いません。
共通テスト対策の理科・社会・情報Ⅰについては、いつ・どの時点でやるべきかを把握しておいてほしいです。
1つ1つは夏からでも潰せますが、その内容はかなり多いです。
インプットは頑張れば1か月で終わるかもしれませんが、演習まで入れると2か月くらいはかかります。
しかもそれを全部同時並行でできるのかと言うと、現役生はそこまでの時間はなく、どの時期に何をやるのか夏に考えては遅いということとなります。
長期計画を立てて対策を実行していくことが必要です。
この話を聞くと不安になり「今から対策をしたほうが良いですか?」というコメントがきそうですが、今は今やっている主要教科の文系だったら英国数、理系だったら英数理を頑張って欲しいです。
なぜかというとそれらの配点が大きいので、その主要教科を早めに完成させて欲しいからです。
完成させて2次試験で戦えるだけの実力を早めにつけ、その主要教科が固まってからやっと共通テストの科目に手を出すという状況を作り上げて欲しいのです。
3 やらなければならない2次試験対策!
2次試験対策も大変です。
大学ごとに特にレベルが高い大学はかなり違います。
例えば英語であれば
『関正生先生の英文解釈ポラリス1』や『国公立標準問題集CanPass英語』で記述対策とか説明問題の対策をしていくことも必要です。
理系の人であれば、特に数学Ⅲ・Cの対策がとても大事です。
国語であれば、現代文の記述・論述対策、古文の現代語訳問題それを『国公立標準問題集CanPass現代文/古典』『船口の最強の現代文記述トレーニング』などそういった参考書で対策する必要があります。
一番きついのは理系の人の理科です。
物理や化学はそもそも授業の進度が遅い学校が多いので、物理や化学で受験する人は、まず学校の授業についていき定期テストで点数を取れるようにしましょう。
その上でさらに化学であれば『実戦化学重要問題集』、物理であれば『良問の風 物理』などで2次試験レベルの入試問題を解けるようにし、国公立のレベルに問わず2次試験の対策の力をつけておく必要があります。
なんとなくこの1年を過ごしていて理科は終わらないです。
戦略を考えて先取や復習をバランスよく行なうようにしましょう。
学校の授業の内容をしっかり身につけ、2次試験対策を器用にやっていかないと合格をするのは厳しいです。
国公立で現役時代に上手くいかなかったという人は、理科の片方はなんとかなったけれど、もう片方はなんともなりませんでしたという人が多いです。
理系で間に合わなかった人はほぼそれです。
物理か化学の少なくともどちらかが、前述した英語と数学のような感じで、ある程度は2次試験のレベルに迫っているくらいにいつ持っていけるかが重要です。
まだ今は理科の勉強を始めていないという人は遅すぎます。
理系の人は大体理科に苦しみますので絶対に始めてください。
4 分野別対策
次は2次試験対策と関連して分野別での対策です。
①記述の対策
- 現代文や社会を2次試験で使う人
- 理科
②英作文
国公立の2次試験では大半の大学で出ます。
まず覚えないとならない表現がたくさんあります。
英作文はどうしたら書けるようになるかをまとめました。
【英作文を書けるようにする方法】 ①英作文の表現をストックする ②ストックを使って英作文を書く練習をする ⇒何度も繰り返すことで英作文が上達する 覚えなければならない表現を暗記することが重要 |
どのくらい覚えなければならない表現があるかというと、武田塾では『英作文ハイパートレーニング和文英訳編』という参考書をまず基礎の英作文の1冊として推奨しています。
この参考書にはテーマ別文例90と語法別文例65あり、155個の表現を覚えられます。
また前半が英作文の文法パートで書く用が存在しています。
例えば、時制は現在形と現在進行形のどちらで書くのかという場合、こういうときは現在形!こういうときは現在進行形!こういうときはwillを使って未来形!といった大体決まっているパターンで英作文のルールを学ぶことができます。
そこでもおよそ120〜130の例文が載っているので、この参考書1冊で計300近くの表現を覚えることができます。
この参考書に限らず英作文の参考書はたいていそのくらいの表現が載っています。
英作文対策を仕上げるのも早い人で2か月、じっくりやる子で4か月は必要です。
英語の4技能試験対策で英作文の対策はたくさんやり、学校の授業でライティングをする機会が多いとかでない限りは、英作文は触れることがかなり少ないと思います。
おそらく学校でやっている英語の授業は表現を覚えようというよりは、みんなでテーマについて書いてみる感じなので、表現のストックが足りません。
武田塾で考えている英作文というのは、表現を300近く覚えるという作業に時間をかけてもらいたいのでその時間はきちんと取っておいてください。
③リスニング
高校3年間の中でなかなか時間をかけてやっている人はいないのがリスニングだと思います。
英検とかで準備をしっかり重ねた人は良いのですが、そうでない人はかなりきついと思います。
リスニングで推奨しているのは「聞ける耳を持ちましょう」ということです。
『関正生先生のTheRules英語長文問題集』とか『速読英熟語』とかは音声が付属した参考書で音声を聞き真似をして発音・音読を行なうことができます。
武田塾流はシャドーイングをやってもらい、どういう発音をするのか、この単語と単語がくっついたらこういう音になるんだなどを学びながらリスニング力の強化も兼ねています。
このような練習が苦手な人には『大学入試はじめのリスニングドリル』というのがあり、これは単語単位で聞けた内容を書き出す教材なのでオススメです。
自分に合った方法で地道に聞ける単語や文章を増やしていき、最終的な共通テストの複雑な問題を解いていくという勉強が必要となりますが、おそらくまだできていない人が多いのではないでしょうか。
たまたま結構リスニングの経験があって共通テストで得点が取れる人であれば良いのですが時間がかかる人はかなりの時間を要します。
ただリスニングに関しては最悪カットもありえるので大学の配点次第で考えていきましょう。
【国公立の英語の配点】 例1)多いケース 例2) リーディング 160点 リーディング 100点 リスニング 40点 リスニング 100点 ⇒上げ幅に対してのコスパが悪い |
模試の点数にもより、60点を90点にしようとなるとなかなか厳しく効率が悪い場合もあるので、リスニングにどう時間をかけるか戦略を立てて進めていきましょう。
5 過去問演習
過去問演習といえば、
- 『国公立2次試験の過去問』
- 『共通テストの過去問や予想問題』
- 『私大の過去問』
などやらないとならないことはたくさんあります。
過去問演習もだいたい2か月くらいは期間みた方がいいです。
9月後半から10月くらいに、上手く進められている人によっては、国公立2次試験対策をやって過去問をやる人が多くいます。
その時の1週間の勉強法の例が下記の表となります。
1日目 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
6日目 |
7日目 |
過去問 |
弱点を潰す |
過去問 (別年度) |
①過去問
②『赤本ノート』で課題や弱点を発見
例)
英文法の知識が弱いから文法を足そう!
英文解釈の復習が必要だから参考書で復習をしよう!
自分に足りないものを洗い出します。
③残りの6日でつぶす!
また1週間後の同じ曜日の日に過去問のリベンジをします。
過去問をやって出てきた課題というのが思ったよりたくさんでてくるので、この作業が結構時間がかかります。
数学の参考書の範囲は終わったし、英語も一通り長文が読めるようになってそれなりに過去問を解けるはずと思い、いざ解いてみると合格点までかなり遠かったというギャップにいつ気づくかです。
そのギャップを埋める時間はどのくらい余白を残していたかが重要です。
これを秋口に残していたかどうかが合否に直結します。
参考書ルートを終わらせれば受かると思わないでください。
過去問をちゃんとやって足りない部分を埋めた人が受かります。
したがって過去問演習を十分やる期間を残してください。
高田先生が京都大学に受かった勝因の1つは、過去問演習に8月には入れ、自分で弱いところを8〜10月で潰しきることができ、11月のオープン模試や実戦模試に間に合わすことができたからです。
過去問演習をいかに早く始められるか始めて良いだけの力をつけられるかそこがとても大事です。
6 まとめ
【国公立志望の受験生がやるべきこと】
- 共通テストの英国数の対策
- 共通テスト理社情報Ⅰの対策
- 2次試験の主要教科対策
- リスニングや記述などの分野別対策
- 過去問演習
まだまだ高校3年生の受験生にはやることがあります。
つまり英国数の基礎はいち早く終わらせなければならないということです。
この時期に「まだまだ受験勉強はじまったばかりだ」「まだ部活もやっているし」「学校の行事も残っているし」「受験なんてまだ先」と思っているかもしれませんが、武田塾の先生方から言わせると先なんてことは決してないのです。
国公立以上のレベルを目指している人は今もう全力で頑張ってくださいと言いたいです。
後にもやることがたくさん控えているのです。
5月には5月のミッション、6月には6月のミッションを終わらせ切らないと受験には間に合いません。
今本気を出さないとダメなのです!
先生たちは受験の全体像が見えているので、やるべきことの量の大変さを知っています。
対策にかかる時間を知っています。
すんなりとはいかない大学受験のリアルさを知っています。
だからこれから受験をするみんなに伝えたいのです。
まだまだやることはあります!だから今を全力で過ごしてください。
ただ誤解しないで欲しいのは、焦ってほしいわけではありません。
雑にやってほしい訳ではありません。
早く終わらせてほしい訳ではありません。
丁寧に今しっかりと基礎を積み上げて、その上で全力を尽くすということが大事なのです。
【まとめ】 ① 国公立志望の受験生は夏以降もやるべきことが多い ②今、何をすべきかを把握して効率対策を良く進めよう ③焦って雑にせず丁寧に確実に進めていこう |