高田：みなさんこんにちは！武田塾の高田です！
清水：清水です！
高田：今回のテーマは『英文法 ポラリス1』で行ける大学、『Vintage』『Next Stage』まで必要な大学徹底比較です。
英文法の参考書の二大巨頭といえば、『英文法 ポラリス1』と『Next Stage』だと思います。
武田塾は、『Next Stage』よりも『Vintage 英文法・語法』の方が解説がわかりやすいということで、『Vintage』を採用しています。
高田：『Vintage』系統は何かというと、『Vintage』『Next Stage』『POWER STAGE 英文法』『英文法・語法 Scramble』『UPGRADE 英文法・語法問題』『頻出英文法・語法 問題1000』『Bright Stage 英文法・語法問題』です。そのあたりの系統をまとめて『Vintage』系と言っています。
共通テスト・私大・国公立の3つの観点で文法の重要度が変わってくるので、それぞれ話をしていきたいと思います。
①共通テストの場合
高田：共通テストに関しては、『英文法 ポラリス1』で十分です。
清水：『ポラリス1』と『Vintage』系列の違いは、知識の網羅性ですよね。
文法の細かいところまで網羅できているのが『Vintage』です。ただ、細かい部分までは共通テストでは聞かれないので、聞かれない部分に時間をかけるのはコスパが悪いですよね。
英語が共通テストで重要だという人は『ポラリス1』をやるのがいいかなと思います。
高田：共通テストは長文のみなので、最低限の長文が読める文法力があればいいんです。『ポラリス1』で十分カバーされているので、これがあれば共通テストは大丈夫です。
②私立大学の場合
高田：私大はレベルがいくつかありますね。早慶、MARCH・関関同立、日東駒専・産近甲龍、大東亜帝国のように、いくつかレベルがあるのですが、ここは賛否が分かれると思います。思い切って言うのであれば、日東駒専以上は『Vintage』ではないかと思っています。
清水：日東駒専以上を受験する場合は『Vintage』をやった方がいいということですか？
高田：やった方がいいと思います。『ポラリス1』で日東駒専に行けるのではないかと言う人もいると思います。
実際、行ける人は行けると思います。ただ、難しいのは、行ける人は行けるので『ポラリス1』でいいのかということです。行けない人がいる以上、『Vintage』を勧めた方がいいのか。これは塾講師のスタンスの問題ですね。日東駒専は、『ポラリス1』で行ける場合と、『Vintage』をやった方がいい場合の両方のケースが存在するんです。これがリアルなところです。
清水：実際に受ける大学の大問構成と、受験生がどうやれば点数を稼ぎやすいかで決まりますよね。
高田：そうですね。武田塾は、英語の日大レベルが終わったタイミングで、日東駒専の過去問で日大レベルの段階突破テストを受けてもらいます。
その時に『ポラリス1』だけで、時間がないので段階突破テストを受ける人もいるんです。そういう人を見ていると、知識不足なんです。段階突破テストに落ちてしまいます。日東駒専は文法問題が結構多いので、そこでポロポロ落として、躓いてしまうんです。
『Vintage』をやったらどうかというと、『Vintage』って知識量が物凄いですよね。日東駒専レベルにはオーバーワーク気味ではありますが、暗記事項をそこでインプットしている人は、知識で躓きにくいんです。
武田塾のスタンスとしては、『ポラリス1』で最低限の文法をマスターした後、網羅的な文法の知識を日大レベルの長文である『関正生の英語長文 The Rules1』『関正生の英語長文 The Rules2』をやっている間に『Vintage』を少しずつ進めていきます。
最終的には、日大レベルが終わるまでの間に『Vintage』の文法・語法の範囲をマスターすれば、日東駒専の過去問でも躓くことはありません。
難しいところではありますが、これが『Vintage』をやっておいた方がいいという根拠です。
清水：日東駒専も長文の大問はゴリゴリに出るというところでいくと、『ポラリス1』で読むための英文法をやって、日東駒専の長文を読めるようにする。それだけでは取りこぼすところが出てくるので、それを『Vintage』でカバーするという順番をミスらないようにしてほしいと思います。
長文を全然読めない状態で『Vintage』をやっても、あまり点数が上がらないですよね。
高田：時間がない場合に、日大志望で『Vintage』をやる必要があるかと言われたら、『ポラリス1』もしくは『英文法ポラリス2』までといったアドバイスがあると思います。
一旦『ポラリス1』を使って、文法の大問だけでいいので、日大レベルの過去問を解いてみてください。点数を落とすようであれば、『Vintage』を追加するという感じです。
応用力と『ポラリス1』の完成度によりますね。
清水：一旦『ポラリス1』と長文演習で過去問まで辿り着いて、足りない部分を補っていくみたいな。
高田：時間がないパターンとしてはありですね。
清水：発想としては、そちらの方が日東駒専をリアルに目指す人は多いのかなと思います。
高田：武田塾は、日大をゴールとするよりMARCH以上を目指す人が多いです。日大レベルの段階で『Vintage』まで固めるという発想で、『Vintage』を日大レベルに入れています。
武田塾のとある先生が、なるほどなと思うことを言っていて、『ポラリス1』の暗記事項があるのですが、あれを自主的にインプットしていれば、『ポラリス1』でも日大レベルは何とかなったりします。
普通は、まとめページの暗記事項まで手が回らないという人が多いです。知識不足によって、日大レベルの文法問題でリアルに躓いてしまいます。『ポラリス1』だと、読むための文法は揃っていても、文法問題用の文法には対応できないケースが多いです。だから『Vintage』が必要だと言っていた先生がいて。その通りだなと思いました。
日東駒専でも、意外と『Vintage』は必要だと知っておいてほしいと思います。
リアルに日東駒専を目指す場合だと、文法が稼ぎどころだと思うんですよ。
清水：長文で高得点まで上がるのであれば、そちらをやったり、会話文で点を稼いでいくという作戦を立てることもありますが、文法で稼いだ方がコスパがいい人が多いんですよね。
高田：秋くらいになって「時間がないけど、どうしても日東駒専に行きたい」と言われたら、文法をオラオラやらせますね。
文法の大問で覚えて点を取る方が、長文を読めるようにするよりも早いですね。
清水：単純に点が稼ぎやすいですよね。大問10×2があったりしますよね。
高田：そうです。しかも、早慶やMARCHよりも、日東駒専レベルの方が文法問題の割合が高いです。
そういう意味でも、文法は得点源になるので『Vintage』までやっておいた方がいいです。
MARCHや関関同立に関しては、間違いなく『Vintage』、早慶に関しても『Vintage』で十分対応できます。
早慶レベルになってくると、学部によっては文法のレベルが高くなるので、正誤問題や整序問題の参考書、『正誤問題』とか『英語 整序問題 精選600』あたりまでやっておくといいと思います。
③国公立大学の場合
清水：国公立は難しいですよ！
高田：国公立はかなり判断に迷いますが、基本的にはTOCKY以上の人に関しては、『Vintage』はマストですね。TOCKYとは、筑波大学、お茶の水女子大学、千葉大学、神戸大学、横浜国立大学のことです。
金岡千広も基本的に必要ですね。金沢大学、岡山大学、千葉大学、広島大学です。このあたりの大学以上は、基本的にやっておいてほしいですね。
国公立の場合、文法の出題は減るのですが、下線部和訳の問題で文法事項が入っていたりするので、そこで差をつけられたくないなと思います。
英語にそこまで時間を割けない場合は、TOCKY未満、金岡千広以下の大学に関しては、『ポラリス1』で逃げ切ることも可能です。
時間があるのであれば『Vintage』をやって、ないのであれば、最悪カットでもいいです。
清水：基本的に国公立の2次試験だと、読解や記述がメインだったりするので、文法の4択問題はあまり出ないとなってくると、『ポラリス1』で訳せる人もいますよね。
高田：そうですね。気をつけないといけないことがあるのですが、上位の国公立として神戸大学を例にしてみましょう。
神戸大学で文法問題は出ないから要らないかと言われると、周囲が『Next Stage』や『Vintage』をやっているから、そこで差がついてしまうと、その長文の中の内容把握や下線部和訳、空所補充で点を落としてしまうんです。
あと大事なのは、周囲が『Vintage』や『Next Stage』までやっているか、やっていない大学なのかです。TOCKY以上の人や旧帝大の人はとくに、文法問題は出なかったとしても周りがやっているので、文法の知識で差をつけられる状態だと、どこかで響いてしまうんです。
私はよく武田塾の高松校に行くのですが、香川大学の英語は、校舎長から言わせれば、正直高校受験レベルの英語の読解力があれば、あとは単語さえ入れれば、ある程度はいけるそうです。国公立の中でも、香川大学の英語のレベルはかなりやさしめです。高松校の生徒は、かなり英語を得点源にしてもらっているとのことです。そのレベル帯であれば、『Vintage』は不要です。
国公立の英語といってもある程度の幅があるので、自分の残り時間や英語の難易度で判断してほしいなと思います。
清水：判断するとしたら、一旦『ポラリス1』は志望校がどこの大学であってもやります。過去問に入ったフェーズで、『Vintage』の各単元の後半の表現を覚えていないと正確に訳せないというケースが多かったら、『Vintage』をやらなければならないと判断するのが無難かもしれないですね。
高田：そうですね。動詞の語法は『ポラリス1』にも載ってはいますが、網羅はされていないんですよね。動詞の語法を覚えることによって、長文は明らかに読みやすくなります。なので、時間があるのであればやってほしいと思います。あとは、取捨選択や優先順位の問題ですね。
清水：難しいですよね。そのレベル帯を目指す人に、そこまでの余裕があるのかと思ってしまいます。
高田：清水先生はたぶん、現実路線を考えているのだと思います。
清水：ハイコスパ最低限突破路線ですね。
高田：だとしたら、『ポラリス1』でいけるんですよ。
清水：しっかり確実路線だと、高田先生が言っていたように『Vintage』までやった方が確実ですね。
高田：現実は、余裕がなくて後回しになってしまうかもしれませんが、自分の残り時間に合わせて決めてもらえばいいかなと思います。
まとめ
高田：MARCH以上、TOCKY以上は『Vintage』『Next Stage』がマストです。それ未満に関しては、やっておいた方がいいですが、残り時間によります。英語に十分な時間をかけられる受験生は、やることを推奨します。ですが、時間がない人は、カットするのもありという感じですね。
思っている以上に『Vintage』は大事であるということが伝われば嬉しいです。
今回は以上です。ありがとうございました！
