1.はじめに
今回のテーマは「英文法・英文解釈ができていないまま英語長文を読みまくった受験生の末路」です。
森田先生と高田先生がこのテーマで語ってくれます。
この春は、しっかり基礎固めをして欲しい時期です。
基礎をないがしろにしてしまう受験生が多いですが、英文法・英単語・英熟語・英文解釈、このあたりをしっかりやってほしい時期です。
入試問題は長文ばかりだから長文が大事と思い、長文の比率が高いから長文ばかりやる、
そこで長文をどんどんやりたくなってしまう人がたくさんいます。
このように、この春に文法・英文解釈をサボって長文を読みまくる受験生はどうなるのでしょうか。
私たちはその末路を毎年見てきています。
文法・英文解釈をサボると、末は浪人になります!
長文を読みまくるとフィーリングでいけてしまいそう、読解力がつきそうといったイメージを受験生はみんな持っています。
多読をするのが良いと思っているのですが、そうではありません。
多読の「どく」は「毒」です。
勘違いをする人が多いのですが、一文一文の英文は英文法がわからないと読むことはできません。
TOEIC満点を100回以上取っている、もりてつ先生(武田塾のカリスマ英語教師 森田鉄也先生)は文法を意識せずに大量の文を処理しています。
そのもりてつ先生が、一文を読む重要性として文法が大事だと言っています。
「千里の道も一歩から」森田先生自身も文法がわかって構文が身に着くようになってから読めるようになったとのことです。
それまで現役のときは文法なんてわからない、構文なんてそもそも勉強したことがなく、単語だけひたすら覚え、単語を繋いでたぶんこうだろうとやってきて、今この動画が対象としている受験生と同じような状況でした。
当時のセンター試験は英語長文だけではなく発音・アクセントがあったので7割くらいは取れましたが、浪人したときは全然長文を読めていなかったので、文法はとても大事なことなのだと気づきました。
2.英文法・英文解釈の重要性
長文問題をフィーリング読みで解くには限界があるというイメージです。
単語を繋いで読む読み方では、読解力がある人でギリギリ共通テストは何とかなったとしても、MARCHI・国公立でほぼほぼ全滅するでしょう。
共通テストは何とかなったとしても、その先でつまずくイメージです。
そもそも単語の意味というのは文に入って初めて決まります。
その文法・文構造がわからないと、例えば”state”という単語があって、これが何を意味するのかは文の構造がわからないと「述べる」なのか「状態」なのか「州」なのかわかりません。
動詞も名詞もある"make”などもそうです。
第3文型なのか第5文型なのかで意味が変わってきます。
英単語帳で単語を覚えたらそれでいけるかと思いきや、文の中に単語が組み込まれて初めてどの意味かが決まるのです。
したがってそこをしっかりわかっていないと適当な読み方がずっと続いてしまいます。
意味も取り違えてしまいます。
長文を読む中で意味を取り違えないようにするために、まずは英文法・解釈をしっかりと学ぶ必要があります。
そもそもしっかりやっておかないと解けない長文問題がたくさんあります。
空所補充問題なども、意味を使って解く問題があります。
しっかりと構文がわかっていて、こことここが反対になっているから”although”を入れるのだといったように、文法事項がわかっていないと正解が導き出せません。
同じ意味の言い換えなどを通じて文法・構文の力が問われます。
国公立であれば記述で説明させる問題・和訳問題が出ます。
これらがフィーリングで解けるということは絶対にありません。
しっかりとした解釈力が必要です。
いくら長文の内容をフィーリングで読めたとして共通テストは百歩譲って何とかなったとしても、私立とか国公立では、内容を問う問題よりも知識を問う問題、文法力や解釈力を試す問題がたくさんあるので、そこでひっかかるような問題が作られています。
大学側は文法・解釈をしっかりとやってきた人間なのかというのを入試を通して問うています。
私立系を受験する人で、きちんと英文解釈をやっていかない人が多いのですがそれでは勝てません。
国公立を受験するのであれば多くの人が英文解釈をやっているため私立系の問題も解けてしまいます。その人たちと戦わなければならないのです。
英文の解釈で解く問題と英文法で解く問題はどんな難関大学でも易しめです。
国公立を受験希望の人たちは確実にそこで点を取ることができます。
私立系を受験する人はここで落としてしまう人が結構いてもったいないです。
だから勝てないのです。
MARCH・関関同立・早慶などの試験問題は分量が多いです。
そのためスピードや速読力が重要になります。
だから急いで読まなければ急いで読まなければと速読力をつけることに気を取られ、英文法・解釈がおろそかにならないように気を付けなければなりません。
大学受験は1点で合否をわける戦いなので、簡単に取れる問題をぼこぼこ落としてしまうのはまずいです。
実際に早慶とかを受けて落ちた人の答案を見ると、ここで落としているようではだめだというのがわかってしまいます。
また早慶では捨て問(捨ててもいい問題)などもあります。
英語の問題集「NEXT STAGE」「VINTAGE」などのレベルの文法を理解し、確実に解けないといけません。
捨て問がある以上基礎知識は絶対に落とせないです。
過去問の振返りをしていても生徒に指導することは多いです。
そもそも文法や構文をやっていないと捨て問や点を取らないとならない問題に気づけないのです。
「NEXT STAGE」「VINTAGE」の文法をしっかりとやった受験生なら、見たことあるパターン、見たことないパターンがわかり、そうすると捨て問に気づき早く捨てられます。
それができれば本当に解かないとならない問題に時間をかけられます。
文法をそもそも学んでいない人は、どれが大事でどこで点を取らないとならなくて、どれが捨て問かその選別すらできません。
それで受かるわけがないのです。
この選別ができない人がほんとに多いです。
まずこの土台の部分がないのに、ただただ過去問をやって知識を足していってもだめです。
点を取らないとならない問題を落としていては勝てません。
これは受験生をみてきてすごく思ったことです。
ということは英文法・英文解釈をサボった受験生の末路は浪人です。
もしくは自分の志望校より下のところになってしまいます。
「急ぎ過ぎるな」です。
3.今やること
4月5月遅くとも6月くらいまで時間をかけてもらっていいと思います。
その間に一文をしっかりと訳せるようにしておいてほしいです。
- 一文にしっかりSVOCをふって文法の知識を使いながら訳せるようになった!
- 精読ができるようになった!
そこから長文の勉強をしていって、音読もしていきどんどん速読もできるようになっていけるといいです。
今は焦る時期ではありません。
焦りすぎて、高2の時点でいろいろ勉強したから大丈夫だと言っていきなり高3でよし長文だ!とやっている人が多いです。生徒からの質問も「どうやったら速く読めますか」といったことばかりです。
今の時期はまだ速読をする段階ではありません。
速読は最後です。
しっかり一文を正確に訳せるようになってから、ゆっくり長文を読めるようになって、それから「どうやったら速く読めますか」と質問に来てもらえるのは嬉しいです。
高2では模試があります。
そこで長文の問題がたくさんでてきて点を取れないと焦りがでてきます。
そのため性格的にプライドが高い人も長文をやりたがる傾向があります。
「関正生のThe Rules英語長文問題集3」「関正生の英語長文ポラリス2」を今の時期にやっている人がいます。
それは危険です。
「急がば回れ」で基礎が抜けているのに鉄緑会に行ってごりごりの長文読解をやっている人が結構います。
そういう難しいことをやって満足してしまっている人が多いのです。
最初の方で解釈が大事だという話をしましたが、
「ポレポレ英文読解プロセス50」「英文読解の透視図」「大学受験のための英文熟考」をやっている人もいます。
この春はもっともっと基礎基本を固めましょう。
そして英語の問題集「NEXT STAGE」「VINTAGE」などのレベルの文法を理解し、確実に解けるようできるまで、一文をまずはしっかりと正確に訳せるよう、原点に立ち返ってください。
4.まとめ
今回のまとめ
①文法・解釈をやらないと浪人が待っている
②長文は一文を完璧に訳せてから
③原点に立ち返り基礎を徹底しよう