高田:皆さんこんにちは!武田塾の高田です!
伊藤:特別講師の伊藤です!
高田:今回のテーマは「数学でセンスが必要な大学はどこ?」です。
数学は、センスやひらめき、発想が大事な教科であると言われています。特に上位の大学とかでは、難問も多いですよね。どの大学以上はセンスが必要で、どの大学からは解法暗記というか、問題集をしっかりと仕上げていく学習で対応できるのか。この線引きを理系の伊藤先生に教えてほしいなと思います。
数学のセンスが必要な大学
高田:どの大学以上でしょうか?
伊藤:ぶっちゃけ、どの大学もセンスは必要ないと思います。
高田:本当ですか?努力で可能ということですか?
伊藤:私はそう思います!
高田:あえて反論するなら、数学で一番難しい問題は、東京大学よりも上のレベルの問題もあると思っています。京都府立医科大学の数学の問題や、慶應義塾大学医学部問題など、医学部独自の問題がありますよね。あの難易度はえげつないですよね?
伊藤:確かに、その問題を解くにはセンスが必要かもしれないですが、合格するのに数学のセンスが絶対に必要な大学はないと思います。
たとえば、慶應の医学部受験で「数学は全問完答して受かろう!」「他の科目は苦手だけど、数学で点を取って受かろう」とか、東大で「東大数学を全問完答しよう!」という場合は、センスが必要です。
高田:東大だと、理三の場合は話が変わりますが、理一、理二の合格点を取るレベルであれば、数学のセンスはいらないということですか?
伊藤:いらないと思います!
高田:私がそんなこと言ったら炎上してしまいそうですが、実際に東大に合格している伊藤先生が言うから説得力がありますね。
数学のセンスが不要な理由
伊藤:東大の問題といっても、合格点を取れるくらいまでは、基礎レベルの問題ではありませんが、基礎の先を完璧にすれば解答できる問題が多いです。
ひらめきが必要であるとか、センスで解くような、見たこともないような解き方が必要になる問題もありますが、そのような問題は解けなくても受かります。
高田:捨て問題ということですね。
伊藤:そうです。捨て問題のセンスで勝負するよりは、みんながある程度解けるような問題、『青チャート』とか、『1対1対応の演習/数学』とか、『標準問題精講』などをやっていれば解けるような、少し難しい問題が解けるだけで十分合格できると思います。
高田:それは数学が苦手な人にとっては朗報ですね!
東大の理系数学は6問ありますが、何問くらい解けたら受かりますか?
伊藤:3問ですね。
高田:6問中、3問完答できれば受かるということですね。その3問に関しては、ある程度レベルが高い問題集で勉強していれば攻略できる。かつ、見たことがある形式で出題される。
ここの問題を押さえておくことが基本方針ということですね。
伊藤:そう思います。
高田:東大でそうやって合格できるのであれば、ほとんどの大学でもいけるということですね。
伊藤:はい!そう思います。
高田:いいことが聞けました!
数学の勉強で重要なこと
高田:数学で大事なのは、センスや頭の良し悪し、ひらめき、発想ではなく、別にもっと大事なことがあるということですね!
数学を勉強する人にとって一番大事なことは何でしょうか?
伊藤:自力でできるようになるまで問題集をやる力です。あとは、それを自分の言葉や数式で理解して説明する力です。
高田:つまり、少し陳腐な言葉で言い換えると、努力ということですね。
伊藤:そうですね。センスも、あるに越したことはないというか、数学のセンスもあると思うんですよ。
高田:やっぱり、実際に周りにいましたか?
伊藤:いました!すごく憧れるんですよ。
「なんでそんな解き方できるの?」とか。
センスの有無に関わるのは、努力の量がどのくらい必要かなんです。センスがあれば、少ない努力で数学ができるようになって、解けてしまうと思います。
高田:少ない武器でも、それを使いこなせるということですね。
伊藤:そうです。あとは、1回解いただけで理解できるというのもあります。
色々なセンスがありますが、センスのなさは、努力でカバーできると思います。
高田:なるほど!天才が1回で覚えることを、凡人は3回やればいいみたいな。努力でセンスのある人と対等に並べるということですね。
伊藤:そうですね。対等に戦えなかったとしても、他の科目でカバーしたり。あとは、時間はかかると思いますが、天才の人が「できるから大丈夫!」と怠けている間に「センスはないけど、参考書を積み重ねて1問ずつ理解しよう」という感じで頑張っていれば、東大や医学部でも合格ラインに届くと思います。
数学で必要な努力について
高田:努力の中身について、先ほど伊藤先生が2つの言葉で言ってくれたので、それを噛み砕いて話していきたいと思います。1つ目は何と言ってくれていましたか?
伊藤:1つ目は、自力で問題を解き切る力です。2つ目は、その問題や分野の考え方・解き方を理解して、論理立てて自分で説明する力ですね。
高田:この2つをしっかり遂行してくれれば、数学の力は間違いなくつくということですね。
伊藤:そうです。なので、がむしゃらに何時間も勉強をすればセンスをカバーできるということではなくて、しっかり一問一問を理解している、自分で説明できる、それを自力で解けるようになるまで何周もやること。これを時間と回数を積み重ねていけば、センスはカバーできるという考えです。
高田:良いですね。だから皆さんには、まずはマスターする参考書を決めてほしいと思います。
今から短期間で逆転合格を狙っている人は、『青チャート』はきついと思うので、『基礎問題精講』という本を使ってください。
今は高1で時間があるという人は『青チャート』を使ってください。
この二冊のどちらかをやるとして、わかりやすく『基礎問題精講』でいうと、Ⅰ・Aが150問、Ⅱ・Bが170問くらい、Ⅲ・Cが130問くらいあります。
それぞれの解き方を、説明できるようになるまで覚えるんです。そうすると、それぞれの問題に対応した解き方(武器)が揃います。すべて合わせると500〜600問くらいになるので、500〜600個の武器が身につきます。それらの武器を使い分けることで、応用問題もいけます。
伊藤:できればその先は、600個の武器を300個まで減らすというか、統合させるといいですね。今までは別々の問題として見ていたものを、結局は同じものであったり、抽象化できたりするので。それに気づくかどうかのセンスはありますね。
同じような問題を繰り返し解いていけば理解は深まっていくので、持っている武器を統合して力をつけていきましょう。
高田:今のは基礎の話なので、応用問題には応用問題の解き方もあったりするので、上級者向けの武器をそこで手に入れるということですね。
このような感じで、武器を揃えていって、入試本番で使えるように磨いておく。このように考えてみれば、数学は結構シンプルかもしれないですね。
数学への苦手意識をなくそう!
高田:数学が苦手な人は、「絶対自分には無理な教科だ…」と思いがちですよね。
社会とかであれば、覚えたらいけそうな感じですよね。
でも数学だって、ベースは覚えることというか、努力で一問一問解き方が身につけば伸びていくわけですよね。解ける問題も確実に増えていきます。なので、そんなに数学に対して苦手意識を持たなくていいのになとは思いますね。
伊藤:攻略法はしっかりと決まっていますが、どうしても積み重ねが必要なので、
「どこからやればいいかわからない」とか「どうしても時間がかかる」といったところで、センスがないと解けないと思いがちですね。
やっぱり、時間がないのが一番の問題ですね。
高田:そうですね。一問一問エグいくらい時間がかかってしまいますからね。
伊藤:時間さえあれば、やるべきことは決まっているので、学力は伸ばせると思います。
高田:高1・高2生の人は、「まずは二次関数をしっかりとできるようにしよう!」などと決めて、二次関数の問題だけをひたすら解くのもありですよね。
伊藤:そうですね。
高田:二次関数で有名な最大・最小の問題とか、解の配置の問題とか、有名なパターンみたいなものがあるんですよ。有名な問題ごとに解き方を習得して、解き方を言語化できるようにする。そして、次はランダムに別の問題集を解く。このような感じで進めると、数学のコツを掴めると思います。
伊藤:そういう感じで細分化して、成功体験を積み重ねていく。そうすれば、数学苦手意識を払拭できるのではないかと思います。
みんなに伝えたいこと
高田:みなさんにわかっていてほしいこととしては、数学にセンスは基本的にいらないということです。努力でカバーできます。努力の中身というのは、しっかりと自分で解けるようになるまで反復して繰り返すこと。そして、解き方を抽象化して論理立てて説明できるまで解くことです。この2つをしっかりと押さえて、春は何かしら一冊の参考書を仕上げましょう!
一冊基礎を固めたら、次は入試レベルの典型問題。志望校に合わせて、志望校レベルの問題の解き方をしっかりと身につけてもらえれば、それで戦えるようになります。
結論としては、数学のセンスはどの大学であっても必要ありません。
まとめ
高田:もしかしたら、異論や反論があるかもしれませんが、基本的にどの国公立も医学部でなければ問題ないと思うので、信じてもらえたらなと思います。
今回は以上です!