みなさん
こんにちは、武田塾尼崎校です。
今回は進研模試について
解説していきます。
進研模試で偏差値60はすごくない
『画像 進路探求塾Mirai』
偏差値60は上位16%で6.3人に1人。
それが偏差値60以上です。
しかし残念ながら偏差値60以上はすごくはないのです。
偏差値70でも進研模試の場合は物足りないです。
偏差値70は上位2.3%で44人に1人です。
それでもすごくないと思っています。
偏差値70はすごいのはすごいです。
だけれども「すごさ」が物足りないのです。
。
これらのみんなが思う「偏差値感」を変えてしまいたいです。
もっとみんなに自分に厳しくなって欲しいということなのです。
特に高1.2生にこれを分かって欲しいと思います。
受験のプロからしたら模試ごとの偏差値を見れば実力が透けて見えてきます。
高校受験の偏差値もあるし、
大学受験の偏差値もあります。
大学受験の偏差値は
漠然としたイメージで良し悪しを判断する人が多いですが、
駿台模試と全統模試と進研模試は何が違うのでしょうか。
進研模試で偏差値60の落とし穴
偏差値60には落とし穴があると思います。
偏差値60というと上位16%ですから、とれた場合は多少なりとも自信がつくのではないでしょうか。
「偏差値60だから平均より上だぞ」というような自信です。
でもそれはかなり危ないと思っています。
高1.2生の進研模試はかなり易しい!
そこで偏差値60が取れても意味がないのです。
偏差値60の人はみんな
「自分はできる」
というように思ってしまうことで、謙虚な気持ちを忘れている気がします。
何の模試で偏差値60だったのかということも大事です。
よく偏差値は高3などの受験学年の偏差値がベースに使われます。
しかも進研模試ではなく、全統模試を基準に語られることが多いのではないでしょうか。
パスナビの偏差値は全統模試が基準
『画像 旺文社パスナビ』
『画像 大成会』
MARCH志望だと大体偏差値60くらいはあるというようなイメージでみています。
高1.2の進研模試の偏差値は、高3や全統模試のレベルで換算して考えよう
『画像 河合塾』
「高1.2の進研模試の偏差値は、高3や全統模試のレベルで換算して考えよう」ということにすれば、
自分はまだまだ大したことないということに気付けるのではないでしょうか。
謙虚な気持ちを思い出して基礎から徹底的にやれるのではないかと思います。
高1.2の進研模試とパスナビは別物です。
受験学年の全統模試の偏差値がパスナビの偏差値なのです。
偏差値とは何か
では、数学Ⅰの統計という分野で、偏差値とは何かという話をします。
偏差値には、まず母集団があります。
ここが重要です。
母集団の中で真ん中であれば平均です。中央値という言われ方をします。
その母集団の中の平均を偏差値50とします。
そして平均からどれだけ離れているかで、偏差値は決まります。
だから大事なのは母集団と平均点なのです。
高1の進研模試は母集団が高1生なので、全然賢くはない
ということは、当然高1の進研模試は母集団が高1生なので、全然賢くはないです。
受験勉強をしていない人たちの戦いです。
まだ本気を出していない人がたくさんいる中で、少し勉強をしているだけということです。
受験生の模試の中で、特に全統模試では浪人生も入ってきます。
浪人生ということは、
「あと少しで〇〇大学に受かったのに」
とか、
「難関大学が惜しかったのに」
などという浪人するくらい難関大学にどうしても行きたいという人も混ざってくるということです。
そうすると母集団が賢くなります。
その結果、偏差値が高3の全統模試の集団の方がレベルが高いということになるので、
高い偏差値が出にくくなるのです。
進研模試は母集団に様々な属性の学生を含むため一般入試では大学受験をする生徒用の模試と比較すると偏差値が高めに出ることが多い。
これは、進研模試を受けるなと言っているわけではありません。
進研模試は、ほぼ全高校の高1.2生が受けています。
例えば指定校推薦や総合型選抜などで大学に入る人たちも受けることが多いです。
しかしその人たちは一般受験生の中ではライバルになりません。
農業高校や商業高校の人でも進研模試は受けることがあります。
就職する子も、
専門学校の子も、
推薦入試の子も、
一般入試の子も、
全部入れた母集団のなかであなたはどの立ち位置ですかというものが進研模試。
その中から一般入試を受ける人たちの中で争う模試にしたときの難易度は当然違います。
先ほど進研模試と全統模試の比較の話をしましたが、
全統模試は進学校で導入されています。
非進学校だと全統模試を学校では受けません。
自分で受けに行かないといけないのです。
自分で全統模試をインターネットから申し込んで、
全統模試の会場に行って受けるというものだから、
全統模試を率先して受ける人は、一般受験かつ勉強への意識が高いのです。
「自分の実力を試したい、学校の模試だけでは満足できない」という子が集まってくるのです。
ということは、全統模試と進研模試で母集団のどちらが賢いのかというと、
間違いなく全統模試なのです。
駿台模試はさらに母集団が高い
『画像 駿台予備学校』
さらに駿台模試というものがあって、超進学校が駿台模試を受けます。
そもそも問題が東京大学を意識して難しめに作られているので、
駿台模試は難しいという噂が広まって、ある程度間引かれているのです。
では、これを偏差値60と同じように扱っても良いのかというと、絶対にダメなのです。
油断しているとそのまま偏差値60の大学には行けなくなってしまうということです。
サイトによって偏差値の基準が違う
『画像 旺文社パスナビ』
みんながインターネット上で参考にしているのが、
パスナビというサイトで、
パスナビは、全統模試の偏差値を元に作られています。
マナビジョンというサイトはベネッセが運営しているので、進研模試の偏差値を基準に作られています。
みんなが一般的に世の中でイメージしている偏差値は、パスナビの全統模試を基準とした偏差値なのです。
パスナビが全統模試を基準にしているため、
ここでどれだけの偏差値を取れるかが重要です。
ここに、わかりやすい例えがあります。
・偏差値60台の大学に多くの生徒が進学する高校のレベル→偏差値70台。(高校受験の偏差値)
・偏差値50台の大学に多くの生徒が進学する高校のレベル→偏差値60台(高校受験の偏差値)
ということは傾向として、
高校の偏差値から10を引いた偏差値の大学への進学が多いです。
進研模試と高校の偏差値を比較することは難しいですが、
絶対ではないけれど、リンクはすると思います。
高1.2生の進研模試は高3の模試に換算すると偏差値はいくつか
ここからが本題です。
高1.2生の進研模試を全統模試に換算するとどれくらいなのか、ということを割り出して行くことにします。
まず、高3になったら−5はされます。
だから高3になったら同じ進研模試でも偏差値は−5です。
全統模試と進研模試で偏差値を比較すると、やはり5以上は差があります。
だからここでも−5す。
これらを合わせて10くらいマイナスすることが妥当ではないかと思います。
場合によってはもっとあるのではないでしょうか。
実際にみんなのデータを見ることができたらいいなと思いますが、マイナス10は確実。
下手をするとマイナス15くらいはいくのではないでしょうか。
高1.2生の進研模試で偏差値60を取れたとしたら、
今の大学受験でいうと、日東駒専は狙えるくらいの感覚でちょうどいいです。
『画像 楽天ブログ「七尾市にある高校受験、大学受験専門の小さな塾、志学会です。」』
普通にしていればそうなるでしょう。
ということは、何が言いたいかというと、かなり厳しいということです。
もっと上を目指しましょうということになります。
進研模試の偏差値60で喜んでいると危険
改めて基礎固めを行い、実力を養うことが重要です。
決して応用問題をやろうなどと早まってはいけません。
進研模試で偏差値60ということは、
英語や数学のテストで100点満点中、素点が60点くらいです。
100点満点中、素点75〜80点を取れると
偏差値70オーバーが見えてきます。
だから今はかなり優しめの基礎の問題を落としているはずなのです。
そんな状態だと、難関大へ合格するには基礎力が足りません。
進学校の人は進研模試で簡単に偏差値60を取りそうです。
だから危ういという気持ちがそこで募らないのかもしれないです。
高1.2生で進研模試の偏差値が60くらいの人は先ほど清水先生が言った通り、
- 普通にしていると日東駒専
- 国公立でもなんとか地方の主要都市ではない大学の国公立を狙えるかどうかだが、理系だと辛い
というところもあるくらいの感じです。
旧帝大を狙う人は、進研模試の英語と数学で偏差値80越えを狙う意識を持とう
『画像 武田塾』
高2の進研模試の偏差値が70で旧帝大に行けるでしょうか。
実際に模試で出せた点数プラス、実際に汎用性のある実力がその中でどれくらいあるか。
ミスをした上で偏差値が70などであれば行けるかもしれないと思います。
偏差値70を進研模試で取れたとしても、
旧帝大にギリギリ行けるかどうかです。
しかしやはり、
東大、京大、一橋、東工大、阪大、名古屋大学、東北大学
この辺りは進研模試で偏差値75が欲しいです。
高1.2生の時から順当にその辺りを狙っていて、見込みも高そうな基準となると、
得意科目であれば偏差値が75〜80。
英語か数学でどちらかが80。
順調に受かってくるのはなんとなくこういう基準になります。
逆転の目はあるけれど、危機感を感じて欲しいのであえてこの基準を出しています。
早慶を狙う場合でも進研模試で偏差値80は必要。偏差値65で満足せずに高みを目指そう
『画像 武田塾』
これは早慶も意外と注意だと思っています。
早慶も科目が少ない分、逆転勝ちする人はいますが、
普通に受かろうと思ったらA判定を出すには進研模試で偏差値85は必要なのです。
ここで難しいのは国公立と私立で変わり、総合偏差値の出し方が違うところです。
早慶を目指す場合、科目が減る分、高い偏差値が必要です。
そうなった場合、英語の偏差値は70後半は必要。
偏差値が80以上あれば、早慶合格も順当に狙える。
そしてそれ未満の人、つまり進研模試の偏差値が50~70台の人は、
頑張らないとダメなのです。
諦めさせたいわけではなく、逆転の目はまだまだあります。
65くらいで早慶を狙えるぞとは思わないで欲しいということは伝えたいです。
高1・2時点で東京一工とか旧帝以上、早慶に受かるなと分かる子は、
進研模試でかなり高い数値をとっているということなのです。
進研模試はカンストしていないとダメ
カンストとは何でしょうか。
カンストとは、上限いっぱいのことです。
正確にいうと、東大志望や京大志望、東工大、一橋、早慶、
この辺りの人の英語力や数学力というのは、進研模試で測られてはダメなのです。
僕も元京大受験生なので言わせてください。
正直レベルが全然違います。
進研模試の求めているレベルと志望校が求めているレベルが違いすぎるのです。
「進研模試なんて余裕で解けないといけないよね」という人たちが高2で学校で無理やり受けさせられるのが進研模試のような感覚です。
「進研模試と難関大が求めるレベルは全く違う。進研模試が求めるレベルで満足していると合格できない。」ということです。
例えば、三苫薫選手はJリーグだと凄すぎてプレミアリーグでようやくその凄さがさらに分かる。
サッカーでいうとそういう感じになります。
大谷翔平選手がパリーグで暴れてもそれは「すごい」と言われるかもしれないですが、
本当の真の凄さは日本だと伝わらない。
この島国の日本では測れない、という感覚です。
東大・京大・一橋大・東工大・早慶の英語や数学などは進研模試で実力を測られてはいけません。
進研模試ではカンストしていないといけないのです。
進研模試は出来て当然です。
全統模試や駿台模試(東大志望であれば)などの上のステージで戦わないといけないという話です。
模試を欠席しなさいと言う話ではないです。
模試は模試でそれくらい余裕な状態の完璧な基礎力を早く身につけようということです。
それが今できていなければ、焦って欲しいのです。
頑張りましょう。
慢心するのはまだ早いです。
良い勝負がしたいだけであれば良いです。
でも良い勝負をして落ちるのは嫌だと思います。
確実に受かりたいのであれば、それくらいのレベルは欲しいと思っています。
1月の模試の結果を改めて見てもらい、
自分がどの位置にいるのかを見直して欲しいです。
なぜこういうふうに思ったかというと、
「武田塾札幌校で受験相談イベント」を先週末に行いました。
高2生は、1月の進研模試が帰ってきたタイミングです。
- 特に地方の自称進学校でとても頑張っている人
- 周りに同じ志望校の人がいない状況で参考書を必死に勉強してきた人
- 武田塾チャンネルなどを参考にとても成績を伸ばして進研模試で偏差値70を取ってくれた人。
それは嬉しいので褒めるのは褒めますが、少し慢心し過ぎていたのです。
「もっと褒めてもらえると思ったんですけど」、と言うような感じです。
しかし、まだそこまでではないのです。
気持ちは分かります。
確かに周りに難関大学へ行く人がいない中で、黙々と頑張ったということは分かります。
だけど本当に受かりたいと思っているのでしょうか。
周りからすごいと言われてそれで満足なのか、違うでしょうと。
受かってこそでしょう、ということです。
受かってこそであるならば、今進研模試でそのレベルだと物足りないですよということです。
周りに言ってくれる人はいないだろうからあえて心を鬼にしてこの高田が言います。
井の中の蛙なのですよ、と。
同じ状況の人は意外と多いと思います。
だから頑張らないといけないのです。
進研模試くらいは余裕になってほしいという思いを込めています。
難関大学に受かる進研模試の英語のレベル
進研模試の英語でいうとどうなるでしょうか。
『画像 Amazon』
「関正生のTheRules英語長文問題集3」
くらいです。
今高2であればRules3で、
高1であればRules2くらいです。
進研模試で上位に行く人は高1.2生に関わらず、受験生さながらです。
偏差値60くらいの大学を高2で受けても受かるのではないかという時点まで達していたりします。
進研模試で余裕で上位の偏差値を取る人は、高2の時点で偏差値60の大学に合格できるレベルです。
高2の終わりの時点で東大京大志望の人は、英語は結構完成してきています。
武田塾の生配信コースにも京大志望の人がいます。
『画像 Amazon」
そういう人たちは「関正生の英文解釈ポラリス2」をやっています。
もしくは「ポレポレ英文読解プロセス50」レベルのことをやっている人も実際にいます。
高3生になったら過去問演習と理科と社会をやれば受かる人も実際に出るわけです。
だから、やはり井の中の蛙ではないですが、
進研模試で点数が取れて喜ぶのは良いのですが、
それで「できている」と慢心するのはやめてほしいです。
褒めて欲しいのであればたくさん褒めます。
ただ、慢心はさせたくないのが本音です。
京大に現役合格の高田先生は進研模試では何点くらい取っていたか
『画像 個別指導塾マナビバ』
調子が良い時は偏差値80。
これが「東京一工」のレベルというわけです。
もちろん偏差値60台や科目によっては偏差値50台もありました。
あったけれども、偏差値70は切りませんでした。
偏差値70は「うわあ、やらかした」と言う感じで低いということです。
今回のまとめ
- 偏差値は母集団が何なのかを考えることが重要!
- 高1.2生の進研模試の偏差値60で慢心してはいけない!
- 進研模試では偏差値80を目指して取り組んでいこう!
というわけで、以上、
進研模試偏差値60は高くないという動画でした。