こんにちは!
武田塾上尾校の新井です。
さて、今日のテーマは【苦手な生徒のための理数科目勉強法】です。
理系だけど数学や理科が苦手、獣医学部、薬学部に進みたいので、苦手だけど数学をやらざるを得ない・・・。
そうした理数科目に苦手意識のある人が、入試でそれなりの点数を取るための考え方と勉強法をご紹介します。
理数科目が苦手な人向けの記事ですが、理数科目が得意な人や、高得点を狙いたい人にとっても参考になる部分はあると思います。
理数科目は、勉強以前に科目の特性を知っておくことが非常に大事だと思います。
詳しくは受験相談等で一人ひとりにアドバイスしていますが、今回はそのエッセンスをお伝えします。
少しでも参考になれば幸いです!
理数科目が苦手でも合格できる
多くの場合、理数科目で高得点を取れなくても、志望校に合格することは可能です。
東京大学にも理数科目が苦手な学生はいますし、早慶でも理数科目が苦手な人はたくさんいます。
例えば東大文系では、二次試験の数学80点中、20点程度の点数で合格する生徒は珍しくありません。
東大理系でも、二次試験の数学120点中、40点程度の点数でも合格することは可能です。(理科Ⅲ類は除く)
つまり、東大に合格するような優秀な生徒たちでさえ、みんながみんな数学が得意なわけではないということです。
数学が苦手でも、他の科目で点数を稼げば十分に合格ラインをクリアできます。
東京理科大学、芝浦工業大学のような理系大学でさえ、英語が得点源となって合格する生徒は毎年少なくありません。
逆に、数学でかなりの高得点が取れたのに、英語の点数が低かったために不合格になってしまった例もあります。
大学入試は総合力勝負なので、一部の大学を除いて、必ずしも理数科目で高得点が取れる必要はないのです。
入試で満点を取ろうとしたら相当な思考力や発想力が必要になるでしょうが、足を引っ張らない程度の点数であれば、苦手な人でも十分可能です。
理数科目に苦手意識のある人が目指すべきは、最小限の努力で、入試で足を引っ張らない程度の点数を確保することです。
そして、余った時間を他科目に回して、総合力で合格を目指しましょう。
理数科目に苦手意識のある人は、まずはこのように考えて、気を楽に勉強に臨むことが大事です!
理数科目も暗記中心で対応できる
よく理数科目では思考力や発想力が大事だと言われます。
数学や理科を得意にするためには、難しい問題も頭を使って考え、思考力や発想力を磨くことが重要・・・というわけです。
確かに本格的に数学や理科を研究しようと思ったら、そうした能力が重要になるのでしょう。
ですが、今の目標は研究者になることではなく、目先の大学入試でそれなりの点数を取ることのはずです。
ここはひとつ「理数科目も暗記科目」と考えましょう。
理数科目も英語や国語、社会と同じような暗記科目なのです。
「いや、理数科目は思考力と発想力が重要だ。公式は覚えるだけでなく証明できないと・・・」という正論はこの際、無視しましょう!
このような話は、数学が得意で勉強が苦にならない人の考え方です。
難しく考えず、とにかく問題が解ければOKと考えましょう!
数学や理科の問題は、鍵のかかった扉の鍵穴に手持ちの鍵を差し込んで開けていくようなものです。
この扉にはどの鍵が合うかを知ってるか知らないか、それが問われているのです。
問題が解けなかったということは、目の前の扉に合う鍵が分からなかった、ということになります。
言い換えると、問題を解くためには、まず扉の種類(=問題の型)と鍵の種類(=解法)を暗記することが必要になります。
どのように問題の型と解法を覚えていくか、次の項でご紹介します!
問題の「型」と「解法」をセットで暗記しよう
数学や理科の問題集に取り組む際、分からない問題はすぐに答えを見てしまって構いません。
「それでは思考力がつかないし、応用問題になると・・・」という正論は、マニア向けの話です。
ただし、答えを見る時に意識して欲しいことは、その問題の「型」と「解法」をセットで覚えることです。
例えば、数Ⅲの「関数の変曲点を求めなさい」という問題の型に対しては、「関数を2回微分して、符号の変化する点を探す」という解法が対応します。
これを暗記しておけば、変曲点を求める問題の解法で困ることはないはずです。
このような知識を増やしていくことが大事になりますが、注意点もあります。
中学生の時に「三平方の定理」を習ったと思いますが、時々どんな三角形にもこの定理を当てはめて使ってしまう子がいます。
三平方の定理は「直角三角形」に対してのみ成り立つ定理ですから、そのことを正確に覚えていないとミスをしてしまうわけです。
高校の数学や理科でも、このようなミスをしてしまう例は良く見受けられます。
「この型の問題には、この解法を使う」という知識を正確に覚えていないと、問題は解けないわけです。
理数科目の勉強をする時は、必ず「型」と「解法」をセットで正確に覚えることを意識してください。(1つの型に対して、解法が何通りかある場合もあります)
問題の型を見て、適切な解法が浮かぶようになれば、入試問題でも解けるようになります。
「型」と「解法」の暗記量が増えてくると、解ける問題の量が増えます。
ごく一部には、数学的思考力が優れていて、こんな地道な暗記をしなくても問題が解けてしまう人がいるのは事実です。
しかし、彼らと同じような数学的思考力で勝負してはいけません。
普通の人は、知っている問題の型に暗記した解法を当てはめて解くという、シンプルな勉強法に徹した方が点数は伸びやすいです。
つまり、理数科目を暗記科目に変えてしまうのです。
理数科目に苦手意識がある人ほど、このやり方をオススメします!
漠然とした疑問はひとまず置いておく
勉強する際に、疑問が浮かんでくると気になってしまい、先に進めなくなってしまう人がいます。
例えば数学の極限の単元で「ゼロに限りなく近づけるとはどういうことか」などと考え出すとキリがなくなります。(大学で習います)
そのような疑問を持つことや、それについて調べたりすることは、将来的にとても大切な姿勢だと思います。
しかし、大学入試をクリアするという目的のためには、こうした姿勢がマイナスになることもあります。
このような疑問はとりあえず置いておき、「型」と「解法」の暗記に集中した方が、点数は上がりやすいです。
そもそも、数学や物理の本質を理解することは、高校レベルの知識だけでは無理な話です。(だから大学に数学科や物理学科があるわけです)
東大や京大に合格する生徒でも、数学や理科の本質など理解していません。
本質を理解していないとしても、問題が解ければOKと考えましょう。
英語や国語にしても、読めればOKなわけです。
例えて言うならば、大学入試問題は早押しクイズと同じです。
とにかく正解できればOKで、本当にその問題の本質を理解しているかどうかなどは全く関係ありません。
理数科目に限らず、大学入試問題は早押しクイズと割り切った方が、楽な気持ちで勉強に臨めると思います。
解けなかった原因を言葉にして残しておく
理数科目の勉強で普段から必ずやって欲しいことは、解けなかった問題の原因分析です。
模試やテストで問題が解けなかった時、解説を読んで、納得して終わりにしてしまっている人は多いのではないでしょうか。
そこでもうひと手間かけることで、得点力を大きくアップさせることができます。
問題を解くためには問題の「型」と「解法」をセットで覚えることが大事と言いましたが、問題が解けなかった場合、大きく以下の3つの原因が考えられます。
①全く見たことのない型の問題だった
②知っている解法が使える型であることを見抜けなかった
③問題の型も解法も分かっていたが、解く過程でミスをしてしまった
この中で③については計算力の問題が大きいので、次の項で説明します。
①のような初見問題に出会ったら、その問題は改めて型と解法を覚えるようにしましょう。
模範解答を読んでも全く理解できないレベルの問題であれば、しばらく置いておくのも手です。
そして、入試での得点力を高めるために最も大切な要素は②です。
数学や理科の入試問題は、一般的な問題集に載っている例題と「少しだけ違っている」ことが多いです。
その「少しだけ違っている」部分を見抜いて、適切な解法を選ぶ必要があります。
解法のヒントは必ず問題文中にあるわけですから、解けなかった場合は、問題文中のヒントに気付けていなかった可能性が高いです。
そこで、解けなかった問題について「何がポイントだったのか」「何が足りていなかったのか」「どうすれば正解できていたのか」を言葉にして、箇条書きにしてみてください。
このような癖をつけることで、自然と問題の型を意識するようになり、問題文中のヒントにも意識が向くようになります。
理数科目では暗記した型と解法を結びつける作業が必要なので、初見問題が苦手と感じる人は、この振り返り作業を徹底すれば必ず伸びます。
計算力強化はスポーツと同じ
理数科目は暗記科目ですが、文系科目との唯一の違いは、「計算」という作業があることです。
問題の型を暗記して、解法が合っていたとしても、計算ミスをしたら不正解になってしまいます。(もったいなすぎます・・・)
計算は速く正確にできるようにしなければなりませんが、計算はスポーツと同じだと考えましょう。
どんなスポーツでも基本動作があり、それは頭で覚えるのではなく、身体で覚えるまで何度も何度も繰り返します。
計算も同じことで、頭で分かっているというレベルではなく、身体に覚えさせるくらい繰り返しトレーニングしましょう。
特に、普段から問題を最初から最後まで解き切ることを習慣にすることです。
数学の勉強をする時、解答解説を読んで納得して終わりにしていませんか?
そのやり方だと計算力がつかないので、理解した問題でも、自力で解き切るまでやるようにしましょう。
また、計算ミスやケアレスミスが多い人は、自分のミスの傾向を記録しておくことをオススメします。
例えば、三角関数の計算の時に符号ミスが多いのであれば、その事実を普段見える所に書いておきましょう。
そうすることで、三角関数の計算の時に自然と注意力が増し、慎重にやる癖がついてきます。
計算ミスをしてしまう理由は、純粋な計算力以外に、自分のミスに気付けていない(=意識できていない)ことにあります。
ケアレスミスで片付けず、ミスをしやすい箇所を記録しておくことで、注意力が向上します。
計算力が身に付いてくると、数学の得点力は大きく上がります!
・・・いかがでしたか?
理数科目も、文系科目と同じように暗記中心でも十分に戦えます。
苦手意識のある人は、考え方を変えることで、取り組みやすくなります。
理数科目が好きな人、高得点を取りたい人は、コチラの記事をご覧ください!
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